タイムパトロール規約
私とラックは再び山を登り始めた。
山頂近く、円盤が消えた場所に到着すると、事も無げに
ラックは例の機械で円盤を登場させて、私を中に招き入れた
暫くすると少し浮いた気がしたが、音もなくまた色の変化が
訪れ、周りは紫に変わったり、夕焼けのように赤く変化したりした
やがて真っ暗になりライトが照らされ、目の前にはラックが誰かと
交信している時間が暫く過ぎた・・・・・
ラック、もう訳を話してくれてもいいのではないかね
私がなぜこうした事に巻き込まれたのか?
そもそもこの時間の移動がなぜ可能なのか?
聞きたいことは山ほど有るんだが・・・
博士、お話する前に或る事情を打ち明けねばなりません
私はタイムパトロールの重大な規約を破ってしまったのです
過去の人たちの体に決して触れてはならない!
もし触れたらもう、自分の時代には戻れなくなるのです
博士をお助けする時に、そのお体に触れてしまったのです
やむを得ずなのですが、もう私は元の世界には戻れないのです
それは、歴史を変えるマナー違反を防ぐために
定められた鉄の掟なのです
ですが、仲間とは連絡も取れますし、ここに呼ぶことも出来ます
博士、お願いが有ります
私を博士がお住まいの家に、住まわせていただけないでしょうか?
・・・・・・・私の家に?
元に戻れない、どうしても不可能なのかね?
どう言っていいか分からないんだが、未来から来た君を
家に泊らせることは・・・・・
分かった、家に落ち着いたら訳をゆっくり聞こう・・・
やがて円盤の周りが明るくなって行き、扉が開くと
そこは見慣れた風景が広がっていた
やはり過去へ行ったのだろうか?
まだ夢見ているような気持だった・・・・・つづく