第四話 心の空白
あれから2週間以上が経ち、律とはLINEのみの、やり取りをしていて、会ってはないない。そんな中律からLINEが届いた。
『もう一回時間くれない?』
複雑な気持ちだった。俺は過去の律を忘れられずにいる。その気持ちを抱えたまま、今の彼と会ってもいいのだろうか。
そんなことを考えて、どう返事をするか悩んでいると、源太が話しかけてきた。
「梶井さん、昨日急に直帰になったんで、少し心配してたんですよ。何かあったんですか?」
「いや、特には。昨日は悪かったな」
「それは全然いいんですけど、じゃあ明日仕事終わり飲みに付き合ってくれません?」
「明日なら大丈夫だけど」
「では、ごちそうさまです!」
「言うの早いから。奢られる前提なのかよ。まあいいけど笑」
「明日を楽しみに頑張れそ〜」
「ああ、がんばれ」
「今の言い方、めっちゃ棒読みじゃないですか〜?」
「いつもこんな感じだろ。口だけ動かすんじゃなくて手も動かして仕事しろよ」
「もうクールなんだから〜。そういうところも梶井さんらしいんですけど」
そう言って、源太は仕事に取り掛かっていった。その後は、俺も仕事に集中していて、午後を過ぎた頃、律に返事を送れてなかったのを思い出した。
『仕事の話だったら、時間作れるけど』
LINEでそう返事を返した。
『うん、わかった。時間作ってくれてありがとう。それなら、今週の金曜は?』
『じゃあ、それでよろしく』
LINEで数回やり取りをした後、残りの仕事に取り掛かった。
「梶井さん、今日まだ残業しますか?何か手伝えることありますか?」
「あとは、残務処理だけだから、大丈夫。ありがとう。先帰っていいから」
「わかりました、お疲れ様です」
「お疲れ」
俺は、仕事を済ませて家に帰ることにした。
律に久しぶりに会ってから、深く眠れることが少なくなった。それは律のことを何度も繰り返し思い出すからだ。
考えずにいようとしても、嫌でも思い出してしまう。今でも心の空白を埋めるには時間がかかりすぎた。




