2話
わたし、結城 愛姫!
5歳の女の子!
お仕事で忙しいパパと、私の事が大好きなお兄ちゃんと、3人で暮らしています!
3日前、私はお兄ちゃんとお散歩中に、公園のジャングルジムから落ちちゃったの。
その時に頭を打ったみたいで、1日寝てたみたい。
そして今日、めでたく退院できました!
お兄ちゃん、嬉しそう!
私のお兄ちゃんは、今はジュニアアイドルで活動中。
10年後に国民的アイドルのセンターになるの!
え?
なんで知っているかって?
だって、私はお兄ちゃん……結城 累の熱狂的なファンだったから。
……そう
“なんと、私!転生したみたい!”
転生前の私は、累くんの事をジュニア時代から追っかけていた、三十路のおばさんだった。
交通事故に遭ったのが最後の記憶だから、そのまま死んでしまったのだろう。
死んだ私は、10年前に戻り、結城累の妹に転生していた。
愛姫に生まれて5年が経ってから、この記憶を思い出すなんて……。
(……まじか)
これが、病院のベッドで目が覚めてから、朝方まで状況を整理した答えだった。
結城 累。
彼は幼いころから子役で人気があった。
その後、賛否両論あったけどジュニアアイドルとして活動。
20歳の時にRUIという名前で、
5人組アイドル “LU:CENT” のセンターとしてデビュー。
子役上がりで心配されていたが、見事に売れっ子アイドルになる。
推しに10歳年の離れた妹がいたなんて知らなかった。
これは夢?
本当に過去に戻って、彼の妹に転生したの……?
「めごたん?」
累くんは、私をめごたんと呼ぶ。
今まではそれで違和感はなかったけど、転生前の記憶が強い今は、違和感しかない。
どうしよう。
全く心がついていけない。
でも……嬉しい。
「なあに?お兄ちゃん」
私は昨夜、整理がついた時に決めたことがある。
転生前の記憶は、誰にも話さない。
そして、推しは私が守ると。
なのに……昨日から嫌な予感がする。
「いい、めごたん、これからは心配だから、遊具で遊ぶの禁止ね?」
「……え??」
この兄……シスコンな気がする。




