平重盛を狙う影
誤字脱字あるかもしれませんが、温かい目で読んでいただけると幸いです。
時は1177年、鹿ヶ谷の陰謀の後の出来事である。
後白河法皇と藤原基房は院の庭を歩いていた。
法皇「清盛め、今に見ておれ。必ずや我らに実権をとりもどすぞ」
基房「それはおっしゃる通りですが、どのようになさるおつもりで」
法皇「平重盛の子の妻は藤原成親の娘であったな」
基房「いかにも。それが何か?」
法皇「父にあのような処分をされ、さぞ憤りをもっているであろうな」
基房「左様でしょうな。」
法皇「娘に毒を持たせて、重盛に飲ませるのだ。だが、少しずつ、気づかれぬ程度にだぞ」
基房「清盛ではなく重盛にですか?重盛は法皇様に忠義を尽くしてまいりました。何故そのようなことを」
法皇「此度のことでようわかった。平家にとって柱は重盛だ。重盛がおる限り平家を退けることはできん。」
基房はしばらく考えた後言った。
基房「かしこまりました。藤原成親の娘に使いをだします。しかし、清盛を抑えることができなくなるのでは?」
法皇は笑みを浮かべてのべた。
法皇「そのための源氏であろう?奥州や伊豆などに散らばらせたのは何も清盛だけの考えではないぞ」
基房「・・・準備致します。」
ある日、平維盛の屋敷に新たに女中が雇われた。
藤原成親の娘についた女中は2人で庭を歩く機会を得ていた。
(会話は娘と表記します)
娘「そちがきてしばらく経つの?ここには慣れたか?」
女中「おかげさまで他の女中にもよくしていただいております。・・・実は・・・私は法皇様の使いで参りました」
突然の話に困惑する成親の娘をしり目に女中は続けた。
女中「お父上はさぞ無念でありましょう。清盛様をお恨みではないですか?」
娘「私は維盛様の妻です。」
女中「平家に恨みはないですか?」
娘「・・・私は維盛様の妻です」
女中「ここに毒があります。これを重盛様に飲ませてください。少しずつ・・・」
娘「重盛様には本当によくしていただいています。何もお恨みしておりません」
女中「清盛にとって何が一番都合が悪いかお分かりですか?それは、重盛様がお亡くなりになることです」
娘「・・・そんなことをしても平家一門への恨みは晴れません」
女中「清盛が先に死ねば平家一門は重盛様が中心となります。そうなれば、平家は盤石。しかし、重盛様が先に亡くなった場合・・・お分かりでしょう?」
娘「なぜ私にそのようなお話を?」
女中「維盛様は優秀なお方。きっと法皇様にお付きになるでしょう。ですが、清盛様御一人が中心となれば自然と平家は瓦解していくでしょう。」
娘「・・・その為には重盛様が邪魔になったというのですか?法皇様にあれだけ仕えて、清盛様を抑えてきたあの方を・・・」
女中「それが法皇様のお気持ちです。・・・毒はお渡しいたします。どうするかはご自身でお決めください」
成親の娘は何も言わなかった。ただ庭園に咲いていた花を一心に見つめていた。
しだいに重盛の体調は悪くなっていった。元々清盛と後白河法皇の間にたち神経をすり減らしていた重盛が体調を悪くしていくことに不信に思うものはいなかった。
しかし、福原で重盛の病状を聞いていた清盛は報告しにきていた平時忠にきいた。
清盛「ただの病か?本当に?」
時忠「・・・医師たちはそのように申しておりました。」
清盛「そなたの目でみてどうであった?」
時忠「・・・私は医師の判断を信じるだけです」
清盛「私はそなたの目でみたことを聞きたいのだが」
時忠「・・・私は医師の判断を信じるだけです。」
清盛は静かにうなずいた。
やがて、重盛が亡くなった。葬儀の際、清盛は重盛の顔を見つめて震えていた。その後、何かを感づいていたのか平家一門を前に言った。
清盛「後白河法皇をとらえよ。決して逃がすな。」




