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LOVE♡LABORATORY:恋愛臨界実験記録 その2

ようこそ、LOVE♡LABORATORYへ 。

ここは、倫理と欲望の統合・分裂・崩壊を試みる概念実験ラボ。

まず最初に。このラボ内にいる被爆者達には、皆それぞれ独自の 「熱病」と呼ばれる症状があることが実験によって解って居る。試しに、その一例を観測してみよう…。

さて、今回観測する被爆者は… 執着と欲望に侵された「形而下的エイズウイルス」にやられた人。この形而下的エイズウイルスは、「脳内の動的プロセス」を司る、 いわば思想の可逆的な不可逆エンタルピー内にある「因果神経」を「自律的に」蝕む認知型ウイルス。 認知型ウイルスの仕組みは、事実と妄想というスイッチを、全て欲望に「再度リセットしてしまう」こと。 また、この認知型ウイルスは、同時に本人の「苦しみ」を紛らわす一種の 「免疫」としても機能を果たすことも解明されている。だが、このウイルスは、「偏執」と呼ばれる段階へ移行すると、感染した本人の思考の流れを変える方法の殆ど破壊しつくし、そして、免疫機能不全状態に陥らせる。これを、「Meta-full-blown状態」という。 愛に溺れることは一過性だが、潜在的には感染した本人が「自律的に」意味を変えてしまう。それは、このウイルスの存在を確立させると共に、長期的に倫理そのものが自己定義のままになるという極めて重篤な状態。 更に、倫理が欲望に上書きされ尽くした瞬間、他の人の 「思考の動き」だけではなく、「尊厳」すらも蝕もうとしてしまう。これは単に、感染した本人が、「自己中」や、「ストーカー」なのではなく、「壊れた変性物質」の如く、自己定義を防衛する為の盾が、他者への投影によって武器に変わると言う一種の構造的な暴力そのもの。 それは恐ろしく、直視したくない現実かもしれない…。だが、この構造的な暴力を目撃しても尚、「観察し、記述する」ことをしなければ、我々もまた 「構造的な暴力の加害者」の肩を持つ事になる。

こうして、私は臨界実験による「データ」を、また一つ集めたのだった。

誰かに向けた愛が、執着に変わった時。それは「自分の愛を受け止めてくれないこと」自体が、本人の脳内で「未知の恐怖」として映し出されているからであろうか。

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