8話 試作機
帝国歴2597年、各方面へ応援に行き落ち着いた頃に中央島基地に再度戻る事となった。中央島というのはこの国の首都なので首都を守るため一番大規模な基地となっている。
中央島基地に着くと久々に再開した人達と挨拶したり話したりしていた。
「そう言えばカケルってそろそろ成人するんだよな?」
「正確には来年ですね。来年から正規の適合者として戦闘器に乗れます」
「来年か……正式な適合者になる前に悪いが君には試作機の研究を手伝って欲しい」
「試作機ですか?」
「そうだ。もうすぐ帝国歴2600年だろ、そこで0式か100式になるか分からないが新しい戦闘器を記念に作る予定なんだ。国の2600年記念だから変な物を作れないからな。今年から作り上げていく予定なんだ。その操縦者として君が指名された。多分1番安全だからだ。発動機(魔力で飛行するためのエンジンみたいなもの)さえあれば君なら永遠に飛べそうだからな」
「永遠は無理ですよ……睡眠時間は飛べません」
「君が言うと冗談なのか本気なのかがわからないな」
「冗談ですよ。数時間なら連続飛行出来ましたがそれ以上は試してませんし」
「いや数時間って……普通燃料無しで10分も飛べたら凄いぞ。他国は航続距離を伸ばす為複座式等採用してると言うのに……」
「いや僕は普通……」
とまで言った時に言われた
「では無いな」と。
試作機の発動機について聞かれたので現状で1番出力が大きい物を希望し、武装も最初から15mm2丁と20mm2丁を希望した。装甲は速度や攻撃時の反動に耐えられる程度にした。敵の攻撃は基本遅いので重装甲にするより身軽な方が有利だと思ったからだ。
基本が決まり後日試作1号機が出来た名前で言うと97試戦となる。とりあえずで急いで作ったので装甲は空中分解を恐れて厚い。今回は翼も最初からついている。翼内に20mm機関砲が装着されている。
僕は見た瞬間、昔の戦闘機の垂直尾翼無しみたいに見えたが周りの人は
「こんな形で空を飛べるのか?」と不安だったみたいだ。
実際に飛ばしてみる事となったので乗り込んで準備した。
「97試戦離陸準備出来ました」
「出撃は許可するがこの付近は住宅が多いのであまり速度は出さないように」
「分かりました。出力は低めで出ます」
「気を付けて」
離陸したのだが、翼が有る為真上ではなく斜め前方に飛んだが……発動機が大きすぎるのか思っているよりも速度が速い。
「こちら97試戦。思ってたよりも出力が大きく扱いが難しそうです」
若干ピーキーって感じかも
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。