34話 報告
98複座に乗って最寄りの小さい基地まで移動したのだが、降りて来たのが若い適合者2人と隊長だったので基地の人達は非常に驚いていた。
「中央島基地の現状は?」
「……基地は完全に破壊された。負傷者多数、死者無し。通信設備も破壊されたため報告できなかった」
「そうですか、戦闘器は?」
「この98複座以外全滅……」
「了解しました。……他の基地に報告します。本日はお疲れでしょうしここでお休みください」
「いや、基地に戻る。負傷者も多いのでな」
「ここからも衛生兵を何人か出しますので、明後日までには到着できます」
「今1人くらいなら同乗できるが……」
「なら彼が一番元気なんで使ってください」
「ありがとう。それと要人が一人いる……彼女はエナガ姫だ。ここで預かってもらえないか?」
「エナガ様!陸路にて王城までお送りいたします」
「では一人借りて行く。カケル、当分エナガ姫とは会えなくなると思うが……」
「基地が復旧するまでは忙しそうですし……移動中も話したので大丈夫です」
「では基地に戻る。協力感謝します」
再び基地に向かって飛ぶことにした。
「98複座カケル、離陸します」
「こちら基地、98複座離陸許可します。お気をつけて」
「ありがとう。離陸!」
この時カケル以外が驚いた。先程までエナが居たから出力を下げていたが……双発であり魔力の多いカケルの操縦する98複座は離陸時でも速い。すぐに上空まで飛んで行った大型の機体を基地の人達は何も言わずに見ていた……がエナだけは普通に手を振っていた
一旦上空で落ち着くと基地で乗せた人に声を掛けられた
「この機体速すぎないか?」
「そうですか?まだ全開ではないですけど」
「これでか?……我が国の技術はいつの間にこのような機体を?」
「最近正式採用されたばかりの機体です」
「試験機も知ってるのか?」
「はい。僕が乗っていたので」
「と言うかこんな機体カケル以外に操縦できないだろう」
「魔石はどれくらい積んでいるんだ?」
「隊長……答えても大丈夫ですか?」
「もう機密も無いだろ……基地の防空戦で敵の半数近くを単機で撃墜……今みたいな時に人は英雄を求めるからな……。カケルには悪いが我が国の英雄となって貰う可能性が高い」
「と言う事は単機で10機くらい落としたのか?」
「……その3倍位です」
「?!嘘だよな?」
「本当だ」
「今までの戦果は?」
「数十機で済むかな?カケルの戦果は凄すぎて公開されてない」
「何故隠してる?」
「カケルが若いのと彼の存在が他国を刺激しそうなのでな。だから発表したとしても実戦果より少なく発表する事になると思う」
「そうか、軍が若いのに頼るって言うのは……」
「出来れば避けたい」
「わかった。今の会話は忘れた事にする」
「あの……先程の話ですが、この機体に魔石は搭載してません」
「ではどうやって……ってそう言う事か。これは発表できないな」
「僕ってそんなに変なのですか?」
「まあ非常識だな」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
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