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3話 記録

不定期に更新します。

 基地に着陸すると人が沢山集まって来た。最初は勝手に機体を使った事を怒られるかと思っていたが、意外に皆は飛ばせたことに驚いていたみたいだ。

「良く初めてで飛ばせたな。操縦者の適合が有っても上空まで行けるのは初めて見た。君は今いる新人の適合者以上の素質を感じる」

「これ試作機なのによく普通に飛ばせたな?慣れるまで動かすの難しいと聞いたが」

など言われた。


 その時に背の高い怖そうな人が前出て来た。

「通信で話していたが本当に子供か……。私はここの戦闘器隊の隊長だ。これからよろしくな」

「皆様初めまして中央島中等学校の空 翔と申します」


「中等学校か……若いな。でも申し訳ないが明日からは学校に通えないと思っていて欲しい。君は最新の戦闘器と敵の正体を知ってしまった。他の人たちに知られるわけにもいかないので当分の間基地からは出られないと思っていて欲しい」

「分かりました。明日以降生きて行けるだけでも十分です。すみませんが保護者にだけは連絡してもらっても構いませんか?」


「学校と君の家には既に連絡してある……保護者か……君も色々苦労してるんだな」

「いえ、特に苦労なんて有りませんよ。毎日過不足なく食事も睡眠もとれていますし」


「……子供なのに入隊してくる新人より落ち着いてるな」

「まだ現実が理解できてないからだと思いますよ。目の前に敵が現れた時の恐怖……夢に出そうです」


「その割には余裕だったみたいだがな。あの速度で敵に近付いて機銃撃てる奴なんて新人では見た事ないぞ。それとな、残念なお知らせだ。今日の君の戦果は初出撃で6匹以上……これは1回の出撃で最高記録なんだ。だが正式な記録としては残せない。未成年の適合者かもわからない人が飛ばしたなんて発表したら世界中で未成年の徴兵が始まる危険性が有るからな。それは分かって欲しい」

「大丈夫です。でも、僕の希望としては出来たら戦闘器の操縦者になりたいのですが……」


「君は特例で許可を出すが資格は発行できない。年齢も未成年だしな。18で成人するまでは基地での見習い扱いになる」

「こんなことを聞くのは恥ずかしいのですが給金的な物は出ますか?家に今まで育てて頂いたお礼をしたいのですが……」


「当然出る。恥ずかしくない。君はこれから働くのだから。それと中等学校から不定期に教師に来ていただいて君の中等学校卒業は出来るだけできるようにする」

「ありがとうございます」


 こうして僕の基地での生活が始まった。……忘れていたけど怒られずに済んだみたいだ。

僕は操縦者として働くのかと思ったが、余分な燃料が無いみたいで基本的には座学しか受けられなかった。その後は何故か新兵器の開発部門に呼ばれて色々聞かれた。


「君は何か新しい武器を考えているみたいだね。良かった案を出してもらえないかな?」

「ではまず高射砲が欲しいのですが」


「高射砲と言う事は高い場所に居る敵を撃つと言う考えで良いのかな?」

「そうです。当たらなくても良いので上空で炸裂する武器が欲しいですね」


「当たらなくても良い?」

「相手にこれ以上進みにくい、地上を狙いにくいと思わせる事が重要かと」


「他には有るか?」

「戦闘器には翼がなぜないのですか?」


「翼が有っても空は飛べないよ。鳥ではないのだからね」

「飛ぶと言うよりも滞空時間を伸ばせるかと」


 等色々話しているうちに遅い時間になってしまった。初日はこうして終わった。


 2日目。今日は隊長に呼ばれた。

「君の乗った戦闘器を調べたが燃料となる魔石は殆ど減っていないと言うか燃料を使わずに飛んでいたみたいなのだが、少し実験しても良いか?」

と言われて戦闘器の格納庫まで行った。

2機の戦闘器が有ったが少し見た目が違った。

隊長曰く僕が乗ったのが96式戦闘器の試作機でもう一機と少し形が違った。

「この試作機は君専用となった。というか気性が荒くて誰も乗りたがらない。武装とか希望が有ったら変えても良いぞ」

「本当ですか?僕が空を……ありがとうございます」


「まあこれも仕事だ。少し実験したいので乗ってくれないか?」

僕は戦闘器の中に入り言われた通りに飛行準備した。

「準備出来ました。いつでも飛べそうです」


 隊長は少しだけ浮かせて停止を指示した。僕はそれが何かの練習かと思い言う通りにした。

隊長は整備の人と話していた

「本当に燃料抜いたのか?飛んでるぞ」

「そんなはずは有りません……燃料は空です。何で飛べるのですか?」


「抜き忘れは無いのだな?」

「抜き忘れていたとしてもこれだけの時間浮いていたら燃料はもう無くなっている筈です……それにこの機体をこれだけ安定して浮かせるって……彼は何者ですか?」

もう数分は浮いている。そうか燃料ってすぐになくなるのか。


隊長は「まだ飛べそうか?」と聞いて来たので、

「出来たらもう少し飛んでみたいです」と答えた。


 許可が出たので少しだけ上空を飛ばせてもらった。楽しい。鳥が近くに居る。

夢中になって飛んでいたら無線から声が聞こえた。

「翔君、何時まで飛んでいられるんだ?君の存在が軍事機密になってしまうから早く帰って来い」

と言われてしまった。

基地に戻ったら今日は少し怒られた。



今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


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