25話 空襲
敵の数が多い。こんな事は初めてだった。現在基地でも混乱しているらしく無線で色々な話が聞こえて来た。
「こんな数来るなんて聞いてない!出撃できる戦闘器はすぐに出撃するよう命令してください」
「待て!まだ今出撃しても敵が来た時には燃料切れになる。カケル以外はあんな距離を飛べない。もう少し待機だ。それにそう言う会話は無線を切ってからにしろ。不安は皆一緒だ」
そこで一度無線が切れたが少ししてから再び聞こえて来た。
「戦闘器の適合者は燃料、弾薬を補給後搭乗して待機してください」
そして僕はまた例の嫌な感じがしてきた。
「こちら97複座。多分敵に接近しました。武器を使用します」
「こちら基地。武器使用を許可します。頑張ってください!」
敵が見えて来た。
「エナ、攻撃は任せた。出来るだけ落とすぞ」
「了解。頑張るわ」
「敵は重装甲型か……」
「出来るだけ節約はするけど……ってごめん、弱気になっても仕方ないね。いつもより少なめで落として見せるわ」
「この機体なら1回は補給に戻れる。撃墜するより敵の武器である岩を持っている足を狙おう」
「……これは期待されてるって事よね。分かったわ」
攻撃開始した。結果で言うとこちらは弾丸が尽きて敵は7匹撃墜し、3匹の岩を落下させた。残り約40匹。
「こちら97複座、戦果7匹撃墜3匹無力化。残弾不足の為基地に戻ります。」
「こちら基地、了解しました。即補給できるように準備してます」
「了解しました」
基地との会話が終了するとエナが話かけて来た。
「私頑張った……けどまだまだ足りなかったわ。少し休むね」
「よく頑張ったと思うよ僕一人ならここまでの戦果は無理だから」
「そうかな?ありがとう」
「基地に着くまで休んで」
十数分後基地に無事に到着し、弾薬の補給が終わった。
「こちら97複座、補給完了。出撃します」
「こちら基地。97複座出撃を許可する。97複座離陸後、五分したら96式戦闘器10機も出撃する。初の連携攻撃になるとは思うが頑張って欲しい」
「97複座了解。離陸します」
「こちら96式部隊、了解した。先輩の意地見せてやる」
基地から出撃して数分で敵と遭遇。
「97複座、武器使用します」
「こちら基地。武器使用許可。96式部隊は離陸してください」
敵は体当たり以外に攻撃してこないが装甲が厚い。エナは慣れてきたのか足をうまく狙い10匹を無力化し5匹を落とした。
そして出撃した96式戦闘機部隊の戦果は5匹だった。
足を撃たれた敵は撤退したので、残り20匹による攻撃が始まった……。