14話 新型機
97試複座戦の武装は多い15㎜機関銃2丁に20mm機関砲4門。8番と呼ばれる80kg爆弾も2発搭載できる。今日は初めての全武装を搭載した状態での飛行訓練でエナガ姫も見に来ていた。
「97試複座戦西宮、カケル出撃準備完了」
「離陸を許可する。今日は姫が見てるから失敗するなよ」
「出撃します……離陸成功。上昇します」
97試戦と比べたら上昇は遅いが西宮に言わせるとこれでも早いらしい。96式ってそんなに遅かったっけ?
適当な高度に上がった後は適当に動かして反応を確認する。
「西宮、少し動きが遅いな……少し大きいから仕方ないか」
「何で君はこの大きさをこんなに素早く動かせるんだ?」
「はやくないぞ。単座に比べたらかなり重く感じるし」
「お前の普通が普通ではないとよくわかった。流石撃墜王!」
「え?カケル君って撃墜王なんですか?」
姫の声が聞こえた……
「無線って基地まで聞こえてるからな。この前独り言聞かれた俺の気持ちがわかるだろ」
「すまないカケル。姫様、彼の戦果に関しては基地で聞いてください」
そんな会話をしている時にまた例の嫌な感じがしてきた。
「敵が近付いてませんか?」
「こちら基地。そう都合よく敵は来てないぞ」
「冗談ではなく例の感じが……上昇します」
西宮はカケルの様子が気になり声をかけて来た
「カケルどうした?」
「上に敵がいるかも」
「分かるのか?」
「何となくな」
「こちら西宮上空に……巨大な蛾?巨大な蛾のような虫が居ます。背面から蚊のような敵も出て来ました蛾1蚊3です。迎撃します」
「西宮、先に素早い蚊の方を落としたい。攻撃頼む」
銃撃により三匹とも落としたが……また三匹背後から出て来た。
「3匹撃墜したら3匹増えました……本体狙います」
「こちら基地。どうやって落とすんだ?この前機関砲でも落ちなかったが」
「こちらカケル。急降下爆撃をします」
「こちら基地、急降下して爆弾当てられるのか?」
1回目は失敗というか降下先に敵が居なかった。2回目の降下中に丁度敵がいい位置に居た。
「爆弾投下!」
2発中1発が命中。敵の蛾は落ちて行った。残るは3匹の蚊だが1匹落としたら残りは逃げて行った。
「蛾1匹とか1匹を撃墜」
「こちら基地、と言う事は今日は大型の蛾1匹と蚊を4匹落としたって事だな。凄いぞ!」
「今から帰投します」
今日も無事に基地まで戻って来れた。
最近のこの基地の戦果が凄いらしい。他国でも大型の敵が現れたがまだ落とせた国はなかったらしく各国の軍関係者が中央島に集まる事が決まったと言う話を後日聞かされた。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。