第95話 猫耳偵察大作戦⁉メルヴィルの助言!
猫耳ハウスの三人、ステラ、リリカ、セルフィはメルヴィルの研究所に集まり、ルクス・マギナ遺跡への偵察任務をメルヴィルに報告しようとしていた。
「メルヴィルさん、今日はちょっと相談があるの」
と、ステラが切り出す。
メルヴィルはステラの真剣な表情を見て、彼女の指揮のもとで大きな任務が動き出すことを察した。
「何かしら?ステラ、何でも話してちょうだい」
とメルヴィルは応じた。
「実は、私たち。ルクス・マギナ遺跡への偵察を行うつもりなんです!」
メルヴィルはただ静かにステラの目を見つめていた。
ステラは少し息をつきながら、ゆっくりと話し始めた。
「これからルクス・マギナ遺跡への偵察任務を行いたいと思っています。あの場所で黒騎士が現れた理由を解明するために、私たちで何か手がかりを探りたいんです」
メルヴィルはしばらく考え込むように見えたが、すぐに頷いて応じた。
「なるほど。黒騎士が出現した場所……確かにそこには何かが隠されているかも。初任務としては、これは非常に重要なものだわ。でも、あの遺跡は危険だということを忘れないで」
「ええ、その点も考えて、今回は隠密剣士であるセルフィの技術を学びたいんです」
とステラはさらに続けた。
「セルフィの隠密技術を私たちの魔法に融合させることで、もっと効果的に動けるようになりたい」
メルヴィルは微笑んで頷いた。
「なるほど。セルフィの隠密技術とあなたの魔法を組み合わせるというのは、確かに素晴らしいアイデアね」
セルフィは少し照れながらも
「私の技術が役に立つなら、ぜひお手伝いします。隠密剣士としてのスキルは、特に敵に気づかれずに近づく際に有効です。それに、ステラ様の光魔法を巧みに使いこなすことができれば、私たちはさらに強力なチームになれると思います」
と真剣に答えた。
リリカも興奮した様子で口を挟んだ。
「それに、私の火の魔法も使って、もっと攻撃的にいけるはずよ!光と火の魔法を組み合わせたら、きっと敵を一気に倒せる!」
リリカの光と火の魔法の組み合わせは、戦闘での破壊力を増幅させる力がある。彼女の火の魔法はその光を燃料にするかのように、圧倒的な破壊力を発揮する。
メルヴィルは、リリカの提案に微笑んだ。
「リリカ、あなたの光と火の魔法は確かに強力ね。特に攻撃の際には、それが大いに役立つでしょう。でも、偵察は敵に気づかれないように進むのが基本よ。攻撃に移るのは最終手段だと忘れないで」
リリカは少し照れくさそうに笑いながら
「うん、わかってる。でも、いざとなったら私の魔法で援護するから、安心してね!」
と答えた。
メルヴィルは再びステラに目を向け、真剣な表情で言った。
「ステラ、あなたの光と水、そしてリリカの光と火の魔法。この二つの力をうまく使い分ければ、遺跡での偵察も成功するでしょう。セルフィの隠密技術を取り入れて、敵に気づかれずに行動することができれば、黒騎士の出現の謎を解く手がかりを見つけられるかもしれない」
ステラは感謝の気持ちを込めて頷いた。
「ありがとうございます、メルヴィルさん。私たちは必ず任務を成功させて、黒騎士の謎を解明します」
その後、メルヴィルは三人に向かって
「チャチャも連れて行くべきね。彼女なら、三人を乗せての移動もたやすいし、何かあればすぐに察知できるわ」
と提案した。
チャチャは、彼女自身が持つ感覚の鋭さで、魔力の変動や危険をいち早く察知することができる。
それに加えて、ステラの光魔法と組み合わせれば、遺跡内の罠や隠された場所も容易に見つけることができるだろう。
「それはいい考えです」
とステラはすぐに同意した。
「チャチャがいれば、私たちが気づかない危険にも対応できるかもしれません。メルヴィルさん、ありがとうございます」
メルヴィルは穏やかに笑いながら
「ステラ、リリカ、セルフィ、そしてチャチャ。このメンバーあれば、きっとこの任務は成功するわ。でも、気をつけて。ルクス・マギナ遺跡はまだまだ未知の場所が多い。何が起こるかわからないから、常に警戒を怠らないで」
「わかっています、メルヴィルさん。私たちは慎重に進めます」
とステラは力強く答えた。
こうして、ステラ、リリカ、セルフィ、そしてチャチャは、ルクス・マギナ遺跡への偵察に向けて準備を整え始めた。
セルフィは隠密技術の基本を二人に教え、リリカとステラはそれぞれ自分の魔法とどう融合させるかを考えながら話を聞く。
「まずは、息遣いや音を消すことから始めましょう」
とセルフィは言い、二人にゆっくりとした動きを見せながら説明した。
「隠密行動では、まず周囲の音を自分の音でかき消さないようにすることが大事です。光や火の魔法は目立ちますが、それをうまくコントロールすることができれば、逆に敵を欺くことができる」
ステラは頷きながら、「なるほど、光を自在に操ることで、自分の姿を消すことも可能かもしれない。周囲の光を反射させて、逆に私たちが見えなくなるようにできるかもしれないわ」とつぶやいた。
リリカも興奮気味に
「私の火の魔法も、煙や光を使って敵の視界を遮ることができるかも。炎を一瞬で燃え上がらせて、相手を混乱させるなんてどう?」
と提案した。セルフィは微笑みながら
「その通りです、リリカ様。。火や光を使って一瞬の隙を作り、そこから隠密に移る。それは立派な目くらましですね」
そこへ一仕事終えたレオンがキッチンへと入ってきた。
「皆さんもりあがってますね!作戦会議ですか?」
「後方支援の人は黙ってなさい。ちゃんと荷物の番をするのよ!魔獣に大事な食糧取られないようにね?」
すかさず、セルフィが突っ込みをいれるのだった。
メルヴィルは笑いながら
「さあ、午後からはセルフィの隠密技術についての講義です。いいですか?」
「はい!寝ないように頑張ります!」
とリリカが真面目に答えると、グ~ッとリリカのお腹が鳴った。
そのあまりの大きな音に、皆吹き出して笑いだした。
「お腹すいたよ~!メルヴィルさんの手料理が食べたい!」
リリカが恥ずかしさのあまりセルフィの後ろに隠れて叫んだ。
「しょうがないねえ。じゃあセルフィ手伝ってくれるかい?」
そう言ってメルヴィルは昼食の準備に取りかかった。
ステラ、リリカ、セルフィは新たな任務に向けて心を一つにした。セルフィの隠密技術をチームに取り入れる重要性をステラは提案する。。メルヴィルの助言により彼女たちは自分たちの強みを最大限に活かしながら、互いに助け合い、より強力なチームへと成長していくのだった――。




