第33話 メルヴィルの勉強会⁉新たな任務!
王立図書館の特別な部屋での調査を終えた3人はメルヴィルと共に猫耳ハウスへ戻った。猫耳メイド魔法使いの伝説についての情報は得られたものの、それが自分たちにどう関わってくるのか、まだ全貌は掴めていなかった。
「これからどうなるんだろうね、ステラ」
リリカが不安そうに呟くと、ステラは優しく肩に手を置いた。
「大丈夫よ、リリカ。私たちはまだまだこれからなんだから。焦らずに進んでいきましょう」
二人のやりとりを見守っていたメルヴィルは、改めて口を開いた。
「猫耳メイド魔法使いの研究については、私が主導して進めていくことにするわ。あなたたちの力にはまだまだ伸びしろがありそうだし、余計なプレッシャーをかけたくないの」
メルヴィルは穏やかな笑みを浮かべながら、二人の反応を見つめていた。リリカとステラは、メルヴィルの言葉に少しほっとした表情を浮かべた。
「ありがとう、メルヴィルさん。私たちもできることを頑張ります」
ステラが礼儀正しく頭を下げると、メルヴィルはさらに微笑みを深めた。
「私はあなたたちの指導係であり、マネージャーでもあるのよ。子供のいない私にとって、あなたたちはまるで実の子供のようなものなの」
その言葉に、リリカとステラは少し驚いたように目を見開いた。メルヴィルの真剣な眼差しに、二人は温かさを感じた。
「それに、これから始まる勉強会についても説明しておきましょうね」
メルヴィルはそう言いながら、二人に勉強会の内容を説明し始めた。
「勉強会では基本的な読み書きから始めて、魔法に関する知識、そして礼儀作法までいろいろ教えていくつもりよ。あなたたちは特別な存在だからこそ、学ぶべきことがたくさんあるの」
リリカは少し緊張しながらも、興味津々にメルヴィルの話を聞いていた。
「それって結構いろんなことを学ぶんですね。私、頑張ります!」
リリカの意気込みに、メルヴィルは頷きながら続けた。
「勉強会は基本的に猫耳ハウスで午前中に行うわ。私が訪ねて来るから、ちゃんと準備しておくのよ」
ステラもその納得した様子で、リリカと共に頷いた。
「分かりました。よろしくお願いします、メルヴィルさん」
メルヴィルは二人のやる気に満ちた様子を見て、嬉しそうに微笑んだ。
「そして、もう一つ。以前話した重要な任務についても覚えているかしら?」
メルヴィルの問いかけに、リリカとステラは顔を見合わせたが、すぐには思い出せない様子だった。二人の表情から、忘れていたことが伝わり、メルヴィルは少し呆れたように笑った。
「やっぱり忘れていたのね。まあ、それも仕方ないかしら。これからの勉強会で、少しずつその任務についても理解してもらうわ」
リリカは照れくさそうに頭をかき、ステラも少し肩をすくめた。
「ごめんなさい、メルヴィルさん。いろいろあってつい忘れてしまって…」
メルヴィルは優しく首を振り、二人を安心させるように言った。
「気にしないで。これから一緒に頑張っていけばいいのよ。あなたたちには時間があるし、私もできる限りサポートするわ」
その言葉に、リリカとステラは感謝の気持ちでいっぱいになった。メルヴィルという頼もしい存在がいることで、二人はこれからの道のりに対する不安を少しずつ払拭していける気がした。
「これからもよろしくお願いします、メルヴィルさん」
ステラが真剣な表情でそう言うと、リリカも続けて頭を下げた。
「私たちも頑張ります。メルヴィルさんと一緒なら、きっと大丈夫です!」
メルヴィルは二人の言葉に静かに頷き、まるで母親のような優しい笑顔を見せた。
「ええ、これからも一緒に頑張りましょう。あなたたちには無限の可能性があるわ」
勉強会と猫耳メイド魔法使いの研究は、これからの二人の成長にとって大きな助けとなるだろう。リリカとステラは新たな決意を胸に、メルヴィルとの時間を大切にしながら進んでいくことを心に誓った――。




