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第143話 ルクス・マギナ攻略作戦 ⁉其の十八

 激闘が繰り広げられる広間で、黒龍の闇のオーラはますます増幅し、ついに赤龍と白龍の体力が限界に達したかのように見えた。


 黒龍の尾が一閃し、赤龍の体を激しく打ち付け、赤龍は絶叫を上げながら地面に崩れ落ちた。次の瞬間、白龍も黒龍の猛攻に耐えきれず、闇に包まれるように倒れ込んだ。


「圧倒的じゃないか……!」


 レオンが呆然と立ち尽くし、黒龍の動きに警戒を強める。


 赤龍と白龍の体は次第に赤と白の粒子に変化して宙を舞い始めた。


 黒龍は倒れた赤龍と白龍をじっと見下ろすと、ゆっくりと口を開け、彼らの粒子を吸収し始めた。


 強烈な吸引力と共に、赤龍と白龍から流れ出した粒子が黒龍の中に次々と吸い込まれていく。


 その影響で黒龍の体はさらに闇に染まり、その姿が少しずつ変わり始めた。


 リリカも、ただその光景を見守ることしかできず、胸が高鳴るのを感じていた。


 「ま、まさか……黒龍が……!」


 黒龍の体は魔力を吸収するにつれて徐々に縮小し、周囲には闇の瘴気が渦巻き、どんどんと凝縮されていく。


 巨大だった体躯はみるみる小さくなり、やがて人間と同じくらいのサイズにまで収縮していった。


 そして、黒龍の姿が闇に包まれながらも、次第に鮮明に浮かび上がってきた。


 黒龍は、体全体が白く輝き、黒い翼を広げ、額には赤く燃えるような角を持った異形の存在へと変貌を遂げていた。


 その瞳には冷静な光と力強い眼差しが宿っており、堂々とした立ち姿でリリカとレオンの方をじっと見据えていた。


 リリカは緊張に息を詰まらせた。


 胸が高鳴り、喉が渇くほどの圧倒的な威圧感に、リリカもレオンも、しばしその場に立ち尽くすしかなかった。


 目の前に立つ新たな存在が放つ、尋常ならざる力の余波が、広間全体に静かに満ちていた。


 黒龍は二人にゆっくりと歩み寄ると、低く重々しい声で話し始めた。


「……久しいな、猫神よ。」


 リリカは驚きに目を見開き、レオンも思わず息を呑んだ。


 その口調は、明らかにただの動物や獣のものではない。


 それは遥か昔から存在する古代の存在、そして知恵ある者が語るような響きがあった。


「お主が、私を甦らせたのだな……礼を言う」


 黒龍はそう言って、祭壇に視線を向けた。


 「この祭壇は、古代の者たちが私を祀り、魂を宿す器として作られたものだ。お前がこの地に来たことで、私の眠っていた魂に力が戻り、ついに再び目覚めることができたのだ。」


 リリカは興奮と不安が入り混じった表情で黒龍の言葉に耳を傾けていたが、ふと疑問を抱き尋ねた。


「どうして私を……猫神って呼ぶの?」


 黒龍は一瞬その赤い瞳を細め、遠い過去を思い出すように息を吐いた。


「かつて、この地には猫耳を持つ者が神とされ、私と共に祀られていた。そしてその者たちが守護していたのだ。お主もまた、かつての彼らのように、特別な力を持つ存在なのだろう……」


 レオンはリリカの方に目を向け、驚きの表情で言葉を飲み込んでいたが、黒龍は再びリリカの方を見据えて話を続けた。


「猫神よ、お主のおかげで再び肉体を得たことには感謝する。しかし、この体はお主の魔力の塊。やがて再び消え、彷徨う魂に戻る運命にあるのだ」


 その言葉を聞いたリリカは、思わず目を伏せた。


 黒龍が再び肉体を失い、消えゆく運命にあるとしたら、その復活は一時的なものでしかないのだろうか。


 そのような運命を黒龍が受け入れている様子はなかったが、続けて彼は低く唸るように話し続けた。


「猫神よ、お主に頼みがある。わしの魂を、お前が受け継がぬか?」


 その提案に、リリカは驚愕の表情を浮かべた。


「え……?」


「このままでは私は再び肉体を失い、ただの彷徨う魂となる。しかし、お主を媒体として、共に生きることができれば、この存在を維持し続けることができる。そして……お主も龍神の力を得ることになる」


 黒龍の言葉に、リリカは胸が高鳴るのを感じた。


 彼の力を得ることができる――それは、彼女にとって魅力的な提案だった。


「本当に強くなれるの?」


 リリカは期待に満ちた瞳で黒龍を見つめた。


 黒龍は静かに頷いた。


 「ああ、猫神よ……私と一心同体となる覚悟があれば……」


 リリカは一瞬だけ迷ったが、その後、力強く頷いた。


「わかった、やるわ!」


 黒龍はその言葉に応じて体を縮小し、まばゆい光を帯びた珠のような形に変わり、ゆっくりとリリカの胸に向かって漂っていった。


 リリカはその珠が胸に触れると同時に、全身が温かい光に包まれるのを感じた。


 珠は次第にリリカの体内に吸い込まれ、彼女の心臓の奥深くに根を下ろすような感覚が広がった。


 リリカの中で、新たな力が目覚め始める。彼女の体内で黒龍の魂と魔力が融合し、胸の奥底に温かな闇が広がっていくのを感じていた。


 リリカはその力を受け入れ、黒龍の力と共に新たな力を得た自分に驚嘆していた。


「気持ちいい……」


 胸の奥に宿る力に満たされているのを感じていた。


 黒龍が赤龍と白龍の魔力を吸収し、真の姿へと変貌を遂げる。黒龍は己の魂と力をリリカが受け入れるよう提案する。リリカは龍神の力に魅力を感じ、その魂と力をを受け入れることを決意する。黒龍の魂がリリカの体内に融合され、彼女は新たに龍神の力をを得るのだった――。

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