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第132話 ルクス・マギナ攻略作戦 ⁉其の七

 ファイヤーブレードを構え、リリカは目の前に迫る群れの魔人たちを鋭い眼差しで睨みつけた。鋭い爪を振りかざし、魔人たちは次々と襲いかかってくる。


「リリカ様、危ない!」


 セルフィが声を上げた瞬間だった。


 リリカの尻尾が突如炎に包まれ、炎の鞭となって襲い来る魔人を粉砕した。


 その一撃は瞬く間に敵を消し去り、立ち込める瘴気さえも焼き尽くした。


 「尻尾はあんたたちだけの専売特許じゃないのよ!」


 リリカの声が響き渡ると、彼女は次の一手を打つべく、さらに炎の力を解放した。


 リリカの両手から炎が立ち上り、それは次第に龍の形を取っていった。彼女は雄々しく叫んだ。


 「火炎龍!」


 その言葉と共に、無数の炎の龍が空中に現れ、群れの魔人たちへと向かって突進していった。


 炎の龍は次々と魔人たちを貫き、一瞬で粉砕していった。


 周囲にいた全ての魔人は、その圧倒的な力の前に成す術もなく崩れ落ちた。


 一方、セルフィはリリカの背後に立ち、すかさず風の槍を構えた。


 リリカと息を合わせ、さらなる攻撃を繰り出す準備を整える。


「セルフィ、背後に回ってあの尻尾を粉砕して。私が正面から仕留めるわ!」


 リリカの指示に応じ、セルフィは一瞬のうちに背後に回り込み、魔人の尻尾の付け根に風の槍を突き刺した。


 風の力が槍に宿り、槍はまるで雷の如く光を放ちながら尻尾を突き刺すと、その動きを完全に止めた。


 魔人は痛みに吼え、反撃に出ようと鋭い爪を振り上げた。しかし、リリカはその攻撃を見事にかわし、ひらひらと軽やかに動き続けた。


 だが、その瞬間、魔人はさらに巨大な力を放出し、口から黒い瘴気の塊を吐き出した。


 よけようとしたリリカだったが後ろを振り返り


「まずい!このままじゃステラたちに当たってしまう!」


 リリカはあえて、すぐさまファイヤーブレードを振りかざして瘴気の塊に切りかかった。


 彼女の剣が黒い瘴気にぶつかり、黒と赤の閃光が激しくぶつかり合った。


 衝突の勢いで周囲に爆風が巻き起こり、一瞬にしてあたりは煙と砂埃で包まれた。


「リリカ様!」


 セルフィの声が響く。


「リリカ様、どこだ!?」


 ステラやレオンも焦りながら叫んだ。


 だが、煙が晴れ始めると、リリカの持っていた剣が地面に転がっているのが見えた。


 剣は真っ黒に焼け焦げており、見る影もなく砕け落ちていた。


「そんな、リリカ様……」


 セルフィは青ざめ、胸が締め付けられるような感覚に襲われた。


 セルフィはリリカの剣に駆け寄り、それを拾い上げた。


 その手に感じる剣の重みが、まるでリリカがもう戻ってこないかのような不安を抱かせた。


 その時、突如として魔人の咆哮が響き渡った。


 煙の中から再び姿を現したのは、リーダー格の魔人だった。彼は傷ついていたものの、まだ完全に倒されてはいなかった。瘴気がさらに濃くなり、その姿はますます禍々しいものとなっていた。


「リリカ様を……よくも!」


 魔人の瘴気からステラたちを守るためリリカはファイヤーブレードで立ち向かう。しかし無残にもリリカの姿はそこにはなく、焼け焦げた剣だけが残されていた。セルフィは怒りで体が震え、目の前の魔人に向かって全力で突っ込んでいくのだった――。

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