第127話 ルクス・マギナ攻略作戦 ⁉其の二
メルヴィルの転移魔法によって、猫耳三姉妹とレオン、チャチャの一行はルクス・マギナ遺跡の森の入口に到着した。
朝の冷たい風が木々の間を通り抜け、霧がかった森が彼らの前に広がる。
緊張感が漂う中、リリカが警戒?しながら先頭を歩く。
鼻歌を歌うリリカの軽快な様子に、次第にみんなの緊張も和らいでいく。
しかし、その空気が一瞬にして変わった。
リリカが立ち止まり、ステラとセルフィもすぐに異変を察知した。
周囲の気配が一気に重くなり、木々の間から低く唸るような音が聞こえてくる。
ステラが鋭い視線を前方に向けると、暗い森の奥から無数の赤い目が彼らを睨んでいた。
「前方に魔犬獣の大群がいる……100体近くいるかもしれないわ」
ステラが冷静に言った。
「なぜ遺跡の外にこれだけの魔犬獣が……」とセルフィが疑問を口にする。
その瞬間、数体の魔犬獣がと大小さまざまな魔獣が木々の間から飛びかかってきた。
彼らを取り囲むように、魔犬獣と魔獣が次々と現れる。
牙をむき出しにした魔犬獣は、鋭い爪で空を切り裂きながら、猫耳一行に襲いかかる。
「来る!」
リリカが叫ぶと同時に
「ここは私が!」
セルフィは風の槍を生成し、素早くそれを放った。
風の槍は猛スピードで飛び、魔獣たちを貫いた。
次々と魔獣が倒れていくかに見えたが、その屍が地に倒れた瞬間、魔獣たちの姿が変わった。
「これは……?」
リリカが驚きの声をあげる。倒れた魔獣たちは、森の動物たちへと変わっていった。
クマや鹿、ウサギ、鳥……それらの動物たちは魔獣の姿から元の形へと戻っていったのだ。
「どうやら、魔光虫の仕業ね、ねえレオン?」
ステラは判断してレオンに確認した。
「そうだと思います、以前チャチャを魔獣化したやつです」
「じゃあ、その魔光虫をやっつければいいんじゃん」
リリカが自身たっぷりに言った。
「その通りです。しかしチャチャの時は額にとりついていて、すぐに位置が分かりましたが、今回は違います。体にとりついている場所はバラバラで、体内に寄生しているケースもあります。一体、一体確認する事は現状不可能です」
「じゃあ、どうすれば?」
セルフィが戸惑いを見せる。
ステラはすぐにリリカに目配せをすると、
「浄化魔法を展開しましょう。魔光虫を浄化すれば、動物たちも元に戻るはず」
と提案した。
リリカは頷き、ステラと共に光魔法を展開する。
二人の手から眩い光が放たれ、空に青と赤の二つの魔法陣が浮かび上がる。二つの魔法陣が重なり合い、さらに大きな黄金の魔法陣がへと変化した。
「いくわよ、リリカ!」
二人が息をあわせて腕を振り下ろすと、辺り一面を光の粒子がふりそそいだ。
「すごい……」
余りの魔法力にレオンはすっかり度肝を抜かれて、戦いの最中だという事も忘れ、呆気にとられていた。
浄化の波動が森全体に広がっていく。すると、魔獣化していた森の動物たちが、次々と元の姿に戻っていった。クマやウサギ、鹿がその場に倒れこみ、静かな息をつく姿が見えた。
「やった……!成功したわ」
リリカが安堵の表情を見せた。
しかし、その光景に安心する間もなく、依然として残る魔犬獣たちが唸り声を上げながら一行を取り囲んでいた。彼らは森の動物とは違い、完全に魔獣として存在しているようだ。
「魔犬獣には、浄化はきかないみたい」
ステラが冷静に言った。
「ステラ様、魔犬獣は任せて下さい。ここは私たちで片付けるわよ、レオン!」
とセルフィが風の槍を再び構え、レオンに合図を送った。
「了解した!」
レオンはすでに戦闘態勢に入っていた。
彼の手にはウォーターブレードが輝いている。
「魔犬獣の弱点は喉元よ!狙って!」
リリカが叫ぶ。
セルフィは風の槍を構え、素早く動き回る魔犬獣たちを正確に狙い始めた。
風の槍は次々と魔犬獣の喉元を貫き、ヒュンヒュンと空中を飛び交った。
「いい調子よ、セルフィ!」
リリカが声をかける。
一方、レオンはウォーターブレードを振るい、迫り来る魔犬獣を斬り伏せていた。
彼の動きはますます鋭くなり、魔犬獣たちは次々と倒れていった。
「レオン、あと少しよ!」
セルフィが声をかけると、レオンはさらに力を込めて最後の一撃を放ち、残りの魔犬獣を仕留めた。
「やったぞ……!」
レオンが息を整えながら呟いた。
セルフィとレオンは見事な連携で、魔犬獣の群れをすべて倒した。
その光景を見て、ステラが微笑んで言った。
「見事なお手並みね、二人とも」
「本当、二人ともすごいよ!」
とリリカも満足そうに言った。
「ありがとうございます」
セルフィとレオンは息を切らしながらも、感謝の言葉を返した。
猫耳一行が魔犬獣と魔獣との戦いに直面する。魔獣の秘密に気付いたステラは森の動物たちを救うため、リリカと共に光の浄化魔法を展開するし森の動物たち命を救う事に成功した。その後セルフィとレオンの見事な連携技で魔犬獣の撃退に成功するのであった――。




