第125話 久々の外食⁉猫耳三姉妹と夜の街！
夕方、猫耳ハウスに帰ってきたステラを、リリカとセルフィが出迎える。
「おかえり、ステラ！」
リリカが笑顔で迎える。
「おかえりなさいませ、ステラ様」
とセルフィは早速ハーブティーを用意してくれた。
ステラは椅子に座り、ホッとした表情で二人を見つめる。
「ところで、その首から下げてるものは何？」
リリカが興味津々に聞く。
ステラはちょっと照れた様子で
「アレクからのプレゼントよ、お守りですって。二人のおかげで、本当に楽しい時間を過ごせたわ。ありがとう」
と感謝を込めて答えた。
「プレゼントももらえたし、ナイスアシストでしょ？」
リリカは嬉しそうにステラの言葉を受け取り、セルフィと笑い合った。
「ねえねえ、ステラ？」
とリリカが目を輝かせて提案する。
「セルフィと相談したんだけど、夕食は街に繰り出してみない？三人で食事しようよ！」
セルフィも
「三人で出かけるのも、久しぶりですし。ぜひ行きましょう！」
と賛成する。
ステラは頷いて
「いいわね！本当、久しぶりだわ」
リリカがチャチャに
「チャチャも一緒に行く？」
と尋ねると、チャチャは
「ウニャア」
と鳴いた。
するとリリカは得意げに
「もちろん行く！って言ってます」
リリカの自身たっぷりの顔を見て、ステラとセルフィは顔を見合わせて笑った。
「でもチャチャ、変身はなしよ。街の人たちがびっくりしちゃうから」
と、ステラが冗談めかしくくぎを刺した。
三人は王宮の馬車を手配し、街の中心部に向かうことにした。
王宮の馬車は豪華で、通り過ぎるたびに人々の視線を引き寄せる。
三人は馬車の待機所に到着し、馬車を一旦預ける事となった。
「いってらっしゃいませ、お帰りの際はこちらの待機所へ。また猫耳ハウスまでお送りいたします」
と、待機所の係員が丁寧に告げる。
リリカは感心しながら
「すごいね。王宮の馬車って、他の馬車よりずっと豪華」
とつぶやいた。
「至れり尽くせりね。それにしても風が気持ちいいわ」
とステラは長い髪をなびかせて楽しそうに微笑んだ。
三人は街の広場に到着すると、お店を探すことにした。夜の街は賑やかで、あちこちから笑い声や音楽が聞こえてくる。
やはり三人は有名人だった。歩くたびに注目を浴び、特に六光の騎士であるセルフィの存在感が一層周囲の関心を引きつけた。だが、セルフィがいるため、人々は礼儀正しく、遠巻きに三人の様子を見守っていた。
「少し注目されてるけど、思ったより騒がれてないわね」
とステラが静かに言った。
「セルフィがいるから、みんなが気を使ってるのかもね」
とリリカが冗談めかして笑った。
「まあ、私がいることで少しは抑制されているのかもしれませんね。今日は楽しみましょう！」
とセルフィは微笑みながら答えた。
しばらく歩いて、セルフィが路地裏にある隠れ家的なレストランを案内した。
「ここは騎士たちもよく来るお店なんです。 静かで雰囲気も良くて、少し落ち着いた感じがいいんです」
とセルフィが提案した。
「うん、いいね！ ゆっくりできそう」
とリリカも頷き、三人はその店に入ることにした。
店内は木目を活かした温かみのあるインテリアで、キャンドルの柔らかな明かりが雰囲気を一層引き立てていた。お店の奥には小さな庭が広がっていて、涼やかな風が心地よく吹き込んでくる。
「女将さん！三人と一匹よ」
とセルフィは威勢よく店の扉を開けた。
すると奥からウェイトレスと共に大柄な女性がやって来た。
「あらセルフィ、いらっしゃい！久しぶりじゃないか？」
「女将さんも元気そうね。今日はお友達を連れてきたの。サービスしてね」
とセルフィは笑って答えた。
「素敵なお店ね」
とステラが感心しながら椅子に座る。
「メニューが本格的ね、いろいろあって迷っちゃう」
とリリカが目を輝かせる。
「皆でいろいろ頼んで、シェアするのはどうですか？」
とセルフィが提案すると、ステラもリリカも賛成した。
「じゃあ、前菜はどうしようか？ 私、シーフードサラダが気になるわ」とステラが言うと、リリカは「私はチーズたっぷりのガーリックトーストがいいな」とすぐにメニューを決める。
「私はキノコのクリームスープが美味しそうだな」とセルフィが笑顔で続けた。
その後、メインディッシュとして、ステラは地元産のチキンを使ったグリルチキンを選び、リリカはミートソースパスタを頼んだ。
セルフィは
「せっかくですから、シェフおすすめのステーキも頼んでみませんか？」
と提案し、特製ソースがかかったステーキを注文することに。
飲み物は、それぞれフレッシュな野菜ジュースやハーブティーを選び、デザートには、リリカが
「絶対美味しいに違いない！」
と目を輝かせていたベリーのタルトをみんなで分け合うことになった。
料理が次々と運ばれてくると、三人はその香りに顔をほころばせた。
「シーフードサラダ、新鮮で美味しいわね。海の幸がこんなにたっぷりとは」
とステラが喜んで言う。
「ガーリックトーストもカリカリで香ばしい！ チーズのコクがたまらないわ」
とリリカが嬉しそうに頬張る。
セルフィもクリームスープを味わいながら「このスープ、まろやかで優しい味がするわ。体に染み込むようね」
と感心した。
続いて運ばれてきたグリルチキンは、外はカリッと中はジューシーに焼かれており、特製のハーブソースが香りを引き立てている。
「このチキン、絶品ね。柔らかくて、ハーブの香りがとてもいいわ」
とステラが言い、他の二人も頷きながら頬張った。
ミートソースパスタも濃厚で、リリカは
「このパスタ、ソースが絡んで最高！ トマトの酸味とお肉の旨味がバランス良くて美味しい！」
と目を輝かせていた。
セルフィが頼んだステーキも、肉の旨味が凝縮され、特製ソースがそれを引き立てていた。
「さすがシェフおすすめのステーキ、しっかりとした味わいがあります」
とセルフィが満足げに言った。
最後に、みんなで分け合ったベリーのタルトは、フレッシュなベリーの酸味とサクサクのタルト生地が絶妙なバランスで、三人はその美味しさに感嘆の声をあげた。
「これで今日の締めくくりにふさわしいデザートね」
とリリカが笑顔で言うと、ステラも
「ほんとね。とても幸せな気分になるわ」
と微笑んだ。
「今日は本当に素敵な一日だったわ。ありがとう、リリカ、セルフィ」
とステラは感謝の気持ちを込めて言った。
「私たちも、こうして三人で出かけるのは楽しいものね」
とセルフィも微笑んだ。
アレクとの久々のデートを楽しんだステラはリリカ、セルフィに誘われて夜の街に食事に出かける。久々の賑やかな街の風景に皆、心が躍る。セルフィがすすめるお店の食事を堪能し、三人と一匹は、街の夜景を眺めながら、心からリラックスして幸せなひとときを過ごしたのだった――。
