第122話 魅惑のリリカ⁉黄金の眼差し!
「ああ、お腹すいたね。そろそろ戻ろうか?フレイ」
エリオスが言ったその言葉にセルフィはハッとなった。
セルフィはすでに朝食の準備を終えたが、気づけばそのま朝の散歩に出てしまっていた。
リリカとステラがまだ寝ていたとはいえ、起きて心配しているかもしれない。
セルフィは
「しまった!油断したわ!」
と後悔した。
「チャチャはどこに?」
と慌てて辺りを見回すセルフィ。
すると、エリオスが
「さっき、シスと一緒に森の方に行ったけど、セルフィ、大丈夫?」
と尋ねた。
セルフィは少し安心し
「そうなのね、ちょっと心配だけど……まあ、チャチャなら大丈夫かも。とりあえず戻らないと」
と思い、振り返った瞬間、背後から柔らかな声が聞こえた。
「セルフィ、おはよう!こんなところで会うなんて偶然ね」
と、リリカが突然セルフィに抱きついた。
「リリカ様? びっくりしました!」
と驚いたセルフィは振り返り、リリカの顔を見た。
「エリオスも一緒だなんて、何をしているの?」
とリリカは笑顔で問いかける。
その後ろには、ステラがチャチャとシスを抱えて歩いてきている姿が見えた。
ステラは朝の光を背に受け、優雅に佇む。
その美しさに、エリオス、フレイ、そしてベリアは思わず息を飲んでしまった。
「なんて美しいんだ……」
と、ベリアは感動のあまり、思わずその場にひざまずき、頭を下げた。
「猫神様……」
フレイも同じくその場にひざまずき、真剣な顔つきでステラを見上げた。その姿はまさに、神を崇めるかのような畏敬の念が込められていた。
「まあまあ、二人とも。気持ちは分かるけど、堅くなりすぎよ」
とセルフィは苦笑し、彼らを立ち上がらせた。
ステラはその様子に微笑みながら、隣のテーブルに腰掛けて
「皆さん、おはようございます。いい天気ですね」
と、朝の爽やかな空気の中で挨拶した。
リリカは笑顔で
「エリオス、お久しぶり!元気だった?」
と、いきなりエリオスに抱きついた。
エリオスは少し恥ずかしそうにしながらも、リリカを見て
「う、うん。元気だよ」
と真っ赤な顔で答えた。
セルフィはステラの横に立ち
「すみません、ステラ様。何も言わずに出てきてしまって……」
と、申し訳なさそうに言った。
しかし、ステラは優しく微笑んで
「謝ることはないわ。今日はお休みの日だから、何も心配する必要はないのよ、セルフィ」
と感謝の言葉を述べた。
その言葉に、セルフィは思わず感激し、ステラに抱きついてしまった。
「ステラ様、ありがとうございます……」
その様子を見ていたリリカが、笑いながら
「じゃじゃーん!さあ、みんな!セルフィが作った朝食を食べようよ!きっと美味しいよ!」
と元気に声をかけた。
リリカは皆にサンドウィッチを配り、セルフィはハーブティーを用意する。
リリカはセルフィが座っていた椅子に座ると、突然フレイに目を向け
「ねえ!六光の騎士の人だよね!」
と興奮気味に叫んだ。
フレイは笑って
「はい、フレイと申します。リリカ様」
と名乗り、軽く頭を下げた。
ベリアは隣に座るリリカの存在に圧倒されて、かたまっていた。
「まさか、猫神様がこんなに近くにいるなんて……」
その状況が未だに信じられず、緊張のあまり額に汗をかいていた。
リリカはエリオスに近づき、無邪気に
「エリオス、あーんして!」
と言いながら、パンの一口を差し出した。エリオスは恥ずかしそうにしながらも、リリカからその一口を受け取った。
その微笑ましい光景に、セルフィが笑いながら
「エリオス、よかったわね!」
と突っ込みを入れる。
しばらく和やかな時間が流れた後、リリカはさりげなく言った。
「私たち、明日ルクス・マギナに行くんだよ。しばらく帰ってこられないから、今日はみんなでゆっくりしようって」
その言葉に、フレイは驚き、
「本当ですか、リリカ様?」
と尋ねた。
リリカは頷きながら
「そう。大事な任務。魔石の破壊と魔獣の討伐……」
と静かに言った。
フレイは考え込んだ後、真剣な表情で
「分かりました。ガレッド団長からも作戦内容と日程の変更が急務と聞いていました。まさか明日とは。リリカ様、どうかご武運を」
と、深々と頭を下げた。
リリカはその言葉に感謝し、少し照れくさそうに言った。
「ありがとう」
フレイはその瞬間、リリカの美しい黄金の瞳に心を奪われた。
その幼さを残しつつも、芯の強さを感じさせる彼女に、フレイは目を離せなかった。
フレイは思わずリリカの手を取り言った。
「リリカ様、私もリリカ様と同じく火の属性の魔法騎士です。また是非機会があればご指南いただきたいのです!」
その様子を見ていたセルフィは、ニヤリと笑い
「また一人、リリカ様の虜になった男が現れたわね!」
と冗談を言った。
それを聞いたエリオスは、フレイを鋭い目で睨みつけた。
「フレイ……」
その時、フレイはようやくエリオスの気持ちに気づき、慌てて頭を下げた。
「いえ、これはその……エリオス様、私はただ純粋に技を磨きたくて……」
と言ってリリカから手を離した。
ステラ、リリカの登場でその場には一瞬緊張が走ったが、リリカの天真爛漫な態度のおかげですぐに和やかな雰囲気に戻った。フレイはリリカの黄金の瞳に魅せられると同時に戦士としての強さに惹かれていく。そんなフレイにエリオスが嫉妬し、その想いを知るフレイであった――。




