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第114話 ステラの戦略⁉レオンの決断!

 ルクス・マギナ遺跡攻略任務。


 ある重要?な確認事項が残っていた。


 それは、この作戦にレオンを参加させるかどうか。


 ステラはこれまでの経緯を振り返りつつ、レオンについてどうするかを決める必要があると感じていた。


「そうね、レオンの家に行きましょう。確認したいことがあるの」


 とステラが言うと、リリカとセルフィも同意し、三人はチャチャの背に乗って移動を開始した。


 風を切る心地よい感覚が三人を包み込む。


 セルフィの案内で目的地であるレオンの実家を目指す。


 メルヴィルはその様子を見送りながら、小さくため息をついて笑った。


 「やれやれ、本当にせわしない子たち……」


 と呟き、彼女は別の仕事に取りかかった。


 その頃、レオンの家では、セリアが昼食の準備をしていた。


 そこへレオンとハントが戻ってきて、ハントが興奮して言った。


「セリア、聞いてくれ!レオンが魔法を使ったんだ!ウォーターブレードって言ったかな? 剣に水の魔力を込めたんだよ!」


 とハントは声を張り上げた。


「本当かい?それは!」


 とセリアは驚いて感激しているようだ。


「本当だよ、母さん」


 とレオンも笑顔を浮かべた。


 家族が歓喜に包まれていたその時、玄関のドアをノックする音が響いた。


 セリアがドアを開けると、そこにはセルフィが立っていた。


「まあ、セルフィさんじゃないの!どうぞ中へ」


 とセリアは笑顔で招き入れた。


「すみません、今日は仕事で来ました」


 とセルフィが丁寧に応じ、後ろに控えていたステラとリリカを紹介した。


「こちら、猫耳魔法大隊の隊長、ステラ様。そして、副隊長のリリカ様です」


 ハントはその瞬間、目を見開き、すぐにひざまずいた。


 「お初にお目にかかります、ステラ様、リリカ様。レオンの父、ハントと申します」


 と深々と頭を下げる。


 それに続き、レオンもひざまずき「ステラ様、今回も命を救っていただき……」


 と言いかけたが、その言葉を最後に、感情が溢れ出し、涙が流れ出してしまった。


「レオン?」


 とハントが戸惑いながら問いかける。


「命を救われたとは、どういうことだ?」


「その話は後ほど詳しくお話しします」


 とセルフィがハントの言葉をさえぎると


「本日は、ステラ様がレオンに確認したいことがありまして、こちらにお連れしました」


 と告げた。


 ステラたちはリビングに移動し、セリアが搾りたてのフルーツジュースを提供した。


 リリカはそれを一気に飲み干すと、突然レオンに抱きつき


「ねえ、レオン?さっきはなんで泣いてたの?なんで?」


 と無邪気にからかい始めた。


「リリカ様!それはダメです!」


 とセルフィが慌てて引き剥がそうとするも、リリカは笑いながらレオンにしがみついていた。


 そんな光景に、ハントとセリアはただただ驚き、その一方でステラの神々しい美しさに見惚れていた。


 しばらくの笑いの中、ステラは真剣な目つきでレオンを見つめ、言葉を発した。


「ところでレオン、魔法は使えるようになったの?」


 全てを見透かしたような瞳で問いかける。


 レオンは頷き、真剣な表情で答えた。


「はい、ステラ様!でも、この魔法はステラ様のもの?私が使えたのは偶然なんでしょうか?」


 と彼は不安そうに尋ねた。


 ステラは優しく微笑みながら、首を軽く振った。


「それは違うわ、レオン。偶然と言えばあなたがたまたま私と同じ水属性だったこと。私の治癒魔法が、あなたの元々の病気まで治療した。治癒魔法を使っている時、ほんの少しだけ、あなたの魔力を感じたの。それでもしかして……って思ったのよ」


 レオンはその言葉に大きな驚きを隠せなかった。


 ステラのおかげで自分の中に眠っていた魔力が、ついに目覚めたのだと実感した。


 彼の中で、これまでの自分の限界が一気に崩れ去っていくような感覚が広がっていた。


 一方、ハントとセリアはこの突然の展開に戸惑うばかり、彼らは言葉にできない感情を抱きつつ、ステラとレオンの会話を見守っていた。


「レオン、あなたにはまだ一つ確認したいことがあるわ」


 とステラが静かに言葉を続けた。


「はい!なんなりと」


 とレオンは真剣にステラを見つめた。


「ルクス・マギナの任務よ。もともとは偵察任務だったけど、状況が変わって攻略任務に変更したの。危険度がかなり上がったわ。レオン、あなたはどうする?行くつもりはある?」


 とステラはその目でレオンの意志を探るように見つめた。


 レオンはその言葉を受け、拳をぎゅっと握りしめ、即答した。


「行きます!もう足手まといにはなりません。ステラ様のお役に立てるなら!」


 その答えを聞いたステラは満足げに頷き、優しく微笑んだ。


「わかったわ、あなたの決断をしっかり受け止めたわ」


 セルフィもその言葉に安心したように微笑み、リリカも満足そうにレオンの背中を軽く叩いて言った。


「本当はステラ、レオンの事すっかり忘れてたんだよ。でもよかったね。レオン」


 そしてまたレオンに抱きつき甘えるリリカだった。


 こうして、レオンの病気は完治し、それにより風属性魔法の発現を成功させる。ルクス・マギナ遺跡の攻略任務にも参加が決まった。彼が新たに手に入れた魔法の力は、これからの冒険でどのように役立つのか。彼の運命は、新たなステージへと向かって動き出したのだった――。

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