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里下がり

里下がりの日、結姫はギンと顔も合わせずに宮をあとにした


ギンは結姫が里下がりの日にはいつも、顔を合わせないように姿をくらますのだ


結姫はさすがにこの日ばかりは、少々嫌われているのかもと落ち込んでしまう


けれどそれも恥ずかしがっているだけなのだ、と納得するようにしていた


結姫の里下がり先は、後見人である貴族のお屋敷だ


結姫はそこの奥座敷を借りて、出入りも目立たない裏からおこなっていた


家のあるじや家族は表の玄関、表の屋敷で、中庭を挟んで結姫のいる奥座敷がある


そちらには使用人も起居していて、結姫の世話も何となく手の空いた使用人たちがしてくれていた


結姫にはお付きの女の子、ゆきがいる


けれど、それは実家である大店おおだなで奉公をしていた子で、使い走りのような子だった


だから里下がりとなると、貴族らしい世話は屋敷の使用人たちがやってくれる


使用人たちからすれば、結姫は身代わりで、感謝している存在なのだという


宮入りの支度のため、初めてこの屋敷に来たときのことだ


「結さまのおかげで、姫さまは本当に好きな方と一緒になれるのですわ」


何人もの使用人が支度を手伝い、口々にそう言っていた


結姫は、屋敷の主人にも姫にも合ったことはない


ただこの屋敷にとっての“姫”は彼女だけで、結姫は使用人よりは少しだけ、今だけ立場が上の“結さま”と呼ばれている


そしてきっとそれは、大した意味もない


この屋敷外のお客様はみな、“さま”を付けて呼ばれることを結姫は理解していた

読み返してお茶会で説明してくれた使用人も、ゆき(ひらがな)だったと気づきました

別人です(一応)

きっと頭に名前が残ってたんだなぁ…

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