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新緑
宮はすっかり新緑の季節となった
特に変化もない生活ではあるが、中庭に生える青々とした下生えや、色を濃くしたような空は美しいと結姫は思った
ただ宮全体の雰囲気は、何となく重い
結姫は自室のすぐ外の中庭に面した廊下から、桟に腕を乗せて中庭をぼんやりと眺めた
きっかけはお茶会で月姫が倒れたからだ
結姫は、特にそれが悪いとは思っていない
けれどお付きの首が飛びかねない事態に、使用人たちは萎縮してしまったのだろう
姫たちのお付きと違って、あまり表には出てこないが、見かけるとこれまで以上に畏まって頭を下げる
この間の問診も、何だかよそよそしかったしと、結姫は頬杖をつきながら思った
今度の里下がりには、ちょっとわがままを言って足を伸ばさせてもらおうかしら…
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