表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は貞操観念逆転世界!?  作者: 晶洞 晶
第一章 中学入学編
47/67

個性派2組

 ――ピー!


「よし、行くぞ!」

「審判!」


 試合開始の合図とともにドリブルをしようとした俺を邪魔するかのように声が上がった。そいつはメガネをかけ、髪を7:3分けにしたいかにも真面目くんといった雰囲気の男子。一歩も動いていないこの状況で一体何を審判にいうのかと疑問に思う。


「怪我したので棄権します」

「認める」

「は!?」


(怪我してねぇじゃん!?お前まだ一歩も動いてねえだろ!?)

 そんな俺の困惑をよそにそいつはスタスタと日陰に歩いて行き……本を開きおった。


『来たぁあ!!斎藤様の開幕読書ぉおお!!』


「いや、は……?」

(なに、開幕読書って?)


『本人はただ本が読みたいだけだが、相手からすると意味不明なせいで敵が勝手に混乱しその間にリードを広げる副次的戦法だぁああ!!』


(それ戦法でも何でもないじゃねえか!?)


 ――ピー!


「よし、落ち着け俺。あれのことは忘れよう。……うん。もう大丈夫だ」


 一度目を閉じて精神を集中させた俺は今度こそゴールに向かって進もうとし……目の前にデブが現れた。


「ぐふふ。ここで勝てば某はミキちゃんの握手券をクラスの女子から貰えるのでござる。故に!覚悟!」

(おおう……まさかこの世界でもここまで典型的なドルオタにお目にかかれるとは)


 ミキちゃんとは女性アイドルグループのSSVSMのセンターを務めるアイドルの子である。この世界で男のドルオタは……まぁなかなかいない。何たって美人の結婚相手に困る男などほとんどいないから、わざわざアイドルを応援するやつもいないってわけだ。んで、今目の前にギトギトの汗をかいた男がいるわけだが……運動できるようには見えない。だからさっさと抜き去ろうと前に進んだ瞬間


 ――ベチャ


「ギトギトターックル!」

「ああ!?テメ!やめろぉお!!ズリズリなすりつけるなぁあ!!!ふごっ!?」

「レッドーカード!離れて!」(退場の意)


 ファアルスレスレどころか、完全にファアルの抱きつくと言うとんでもない事をやつは仕掛けて来た。(ファアル=反則)


『おおっーと!ここで清水様のギトギトタックルが炸裂ぅうう!!その技を受けた者はあまりの気持ち悪さにシャワーを浴びに棄権してしまうと言う凶悪極まりない技だぁああ!!!』


(凶悪極まりない技だぁあ!!じゃねえよ!?ぐっしょり汗で濡れた体操着で抱きつかれた上に最後俺の顔を掻き抱いたんだぞ!?おかげで体だけじゃなくて顔まで汚水()で濡れてるんだけど!?つーかお前の苗字清き水だろ!ならせめてもっと綺麗な汗かけよ!なんか油ぎってて気持ち悪いんだけど!?)


「はぁはぁはぁ……とんでもない目に会った。まさかここで地獄を味わうことになるなんてな」

「シャワー浴びに行く?僕的にはこの三人はクズじゃ無いみたいだから負けちゃってもいいんだけど」


「フ、フフ、フフハハ!!負ける?何いってんだよ祐樹。俺は今あのオタクをクズ認定したぞ?んで、他の二人も連帯責任でクズだ。というわけであいつらは徹底的に叩き潰す!骨の二、三本覚悟してやるぞ」

「そ、そう……」


(絶対許さん。現在進行形で気持ち悪いし早くシャワーを浴びたいけどそれはこいつらをボコボコにしてからだ。……といっても、もう相手は天悠一人だけだけど)


 そして俺が抱きつかれた瞬間にこぼれ落ちたボールをいつの間にか天悠が持っていた。そしてわざわざ髪を逆立て……


「くらえ!ドライブシュート!!」


 技を叫び打ち出されたボールは見事な曲線を描いて祐樹がここに来てしまったせいで無人のゴールに突き刺さった。……というか今の技はキャプテ◯翼の十八番じゃないか!?


『で、出たぁああ!ほぼ古典と化している漫画キャプテ◯翼の十八番ドライブシュート!!』(60年前)


(ま、まじか!?この世界でもキャプテ◯翼あんの!?あれって80年代の漫画だぞ!?……そうか作者さんは生きてたのか。それにその頃はまだ男女比もそこまでおかしく無かったからそのまま存在してるのか……感無量だよ)


「フッ!どうだ俺のドライブシュートは」

「すごい。本当にすごいよ。……だけど負けられない。俺の髪とヌルヌルの恨みを晴らすために!」

「いい。実にいいぞ!受けて立とうじゃないか!」


「奏斗。髪はまだだよ」という祐樹の呟きは入る事なく俺はそのままフローに入る。


(さぁどうする奏斗。相手は一人。ただ勝つだけなら簡単。だけど相手はわざわざ漫画の技を使うという粋なはからいを魅せてきた。なら!ここで俺もやらなきゃ男が廃る!)


 ――ピー


「くらえ!ファイヤーシュート!!」


『ゴーーール!!これは先ほどの漫画に出てくる、空気との摩擦でボールが火に包まれるという外人選手の技じゃないかぁ!!!』


「クッ!やるじゃないか!」

「フッ!伊達に鍛えてないんだよ」


 そう言って睨み合う俺たちを見て祐樹が「何やってんだか」と呆れていたことなど俺は知らない。


若者たちよすまんな。吾輩はキャプテン翼とかスラムダンクで止まってるのだよ。稲妻11とかわかんないんだ。……実は勧められてブルーロックを最近見始めた。


え?フローの名前は変えなくていいのかって?著作権大丈夫かだって?……安心したまえ!フローは造語じゃ無くて心理学の言葉なんだ!だから大丈夫!


ブックマーク登録と★をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 転生者組、良い子達が多くてホッコリ。 [気になる点] さては晶洞先生、傘でアバンストラッシュか牙突やってた世代ですな? [一言] 私は九頭龍閃が習得出来ませんでした。
[良い点] 人間やめてる人が居るw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ