よっわ!
――ピーー!!
試合開始のホイッスルがなると同時に祐樹がいきなりドリブルで敵陣に突っ込んでいった。
「ちょ、待て祐樹!」
「ゴールはもう近くだ!このまま行く!」
(近くじゃねえよ!そりゃ普通のコートより小さいから距離的には近いけどそういう問題じゃないだろ!?)
そう思っていると相手がプレス」を二人がかりで祐樹にかけてきた。
「言わんこっちゃない!こっち出せ祐樹!」
「いや、このまま行く!」
そう言って祐樹は相手に向かってまっすぐに進んで行き……相手がこけた。
「は?」
「ハッ!」
『ゴーーール!!!1組が先制点を奪ったぁあああ!!』
(ちょ待てよ。今何で転んだ?一人が転んでもう一人がそれに巻き込まれたのは分かったけどそもそも何で転んだ?)
俺が目の前で起きた現象を理解できず混乱していると、点をとりガッツポーズをとっていた祐樹が悠々と歩みながら俺に話しかけてきた。
「奏斗。僕もしばらく忘れていた事ではあったんだけどさ、男子っていうのは基本運動ができないんだよ」
「いや運動って……今の走ってただけだよな?」
「そう。ほぼ100%の男子が甘やかされて育つから運動なんてしたことない男子が殆どなんだよ。ぽっちゃりからデブの間にしか男子がいないんだよ。奏斗も僕たちみたいなスタイルの男子を見たことないでしょ?」
「それは……確かに」
学校で男子を見かける事があってもスラっとした男子を見た覚えは……一回しかないな。絶望的すぎない?この世界の男子。
「そんな奴らがいきなり動こうとして……体がついてくると思う?」
「ついてこないな」
確かにな。普段から走らないのにいきなり全力で走ろうとしたら脚がもつれて転ぶに決まってる。さっき起きたのはそういうことか。……なら
「この試合余裕だな」
二桁点数での勝利行けんじゃね?
「うん。三桁で勝つよ」
「ブフッ!?」
祐樹……それは目標高すぎだ。三桁のシュートとか俺の足がもたない。
△▼△▼△
27対1で勝った俺たちはその後の対戦相手も奴らと変わらないクズばかりだったので容赦のない点差で勝ち続け……遂に決勝に辿り着いた。
久しぶりに運動すると思うように体が動かないんですよね……そして後から腰痛がくる。姿勢を直さないと。




