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転生先は貞操観念逆転世界!?  作者: 晶洞 晶
第一章 中学入学編
30/67

ドキドキの訪問 後編

「どうぞお入りください」 


 ガチャリ、と扉を開けそこからメイド服を纏った絶世の美女が出てきました。

 そして驚きのせいで固まってしまった私たちを見て小首を傾げていらっしゃる……な、なんて可愛らしい仕草を!同性の私が見惚れてしまいました。……で、ではありません!ちょっと待ってください。この女性は今、奏斗様の家の中にいる。そして、メイド服を纏っている。つまり、この方が奏斗さんのメイド……!?そ、そんな……クラスメイトという立場の私よりもさらに近いところに、こんな美女が居ただなんて。だから、()()魅力的な外見と地位を持っている私を前にしても全く媚を売ってこなかったのですね……まぁそこが奏斗さんの魅力の一つですが。「失礼します。あとつまらないものですがこれを」あ、秋穂さんに先を越されました!


「お邪魔いたします」


 そう言いながら、私も先ほど用意してきたお菓子をお渡ししました。……近くで見ると本当に綺麗ですね……。まつ毛もとても長いですし、スッと通った鼻筋に少し切長の目。外見だけでも完璧ですのに、ここに頭の良さと腕っぷしの強さが加わる……もう、完璧ではないでしょうか?……いえ、まだ諦めてはいけませんよ美琴。この世に完璧な人などいないのですから。さあ、弱点を見破りなさい鑑定眼!


 志帆


 顔:98/100

 胸:100/100

 腹:99/100

 尻:100/100

 スタイル:100/100

 合計:497/500

 ※


 そ、そんな……あ、待ってください!まだ、頼みの米印が!


 ※成長期が終わっている為これ以上の数値の変動は起きない。起きるとしたら、本人の自己管理が甘いか体の老化のどちらか。


 それってつまり向こう10年はずっとこのままってことでは……?


 これを見て私は確信しました。私の最大の脅威はこの方だったのだと。ほら、秋穂さんも先ほどから表情を引き締めていらっしゃいます。これは私と同じことを考えているのでしょう。先ほど、秋穂さんを宿敵などと言っていましたが、撤回しましょう。……今から秋穂さんは戦友です。このメイドさんという最大の敵恋敵を倒すためのッ……!


 そう思いながら私は、家の案内を頼みました。……敵情視察とも言います。


 △▼△▼△


 ――強い


 それが、私が抱いたこのメイドに対する印象だった。


 いや、桐生のメイドだ。下手をしたら祐樹のメイド……つまり私の師匠より強いかもしれないとは思っていた。だが、ここまでだとは思わなかった。そのせいで、少し表情がさっきから強張ってしまっている。……いけないな。これから、私は勉強をするんだ。戦いに行くのではない。だから、もう少し気を緩めなければ。


 そう思いながら、私は先ほど用意したお菓子を渡しながら家に入る。と言っても、このお菓子は虎白院が急遽用意してくれたものだ。いきなり決まったお宅訪問で何も準備できなかった私の分も用意してくれたのだ。感謝しないとな。


 そう思い、虎白院の方を見ると何やら厳しい表情でこのメイドを見ていた。……今まで気づかなかったが、虎白院も武術が使えたのだろうか?


 そんなことを思いながら私は、前を歩き始めたメイドの後をついて行った。


 △▼△▼△


 なんで私こんなに警戒されてるの?


 それが、今奏斗様のご学友を案内している私の心境だった。


 だって、そうじゃない?祠堂さんは、私を見た瞬間後ろに飛び退こうとしてたのが筋肉の動きで分かったし、虎白院さんは特にリアクションをしなかったけれど、さっきから学生時代に同級生から向けられていた警戒の視線を感じるし……。私何かした?


 そんなことを思いながら私は二人を奏斗様が遊んでいる自室に案内していた。


 △▼△▼△


「あちらがトイレでこちらが私の部屋ですね」


 その言葉を聞いた瞬間私は固まりました。

 だって、奏斗さんと一緒に住んでいるみたいな言い方じゃないですか。そのせいで、少しだけ、本当に少しだけ動揺してしまった私は、この志帆さん、というメイドさんに聞きました。


「あ、あああの!い、い一緒に住んでるとかで、ではないでで、ですよね?」

「それは、その……一緒に住もうと誘われてッ……!」

「「……ッ!?」」


 そ、それはプ、プロポーズですか!?ま、まさかそんな……敵どころか同じ土俵にすら立っていなかっただなんて……


「あ、違いますよ!?これは奏斗様の天然発言で、プ、プロポーズとかじゃなかったですから……」


 プロポーズじゃない?それはつまり……まだ私にもチャンスがあるってことですね!?


 そう思った私は心の底から安堵しました。そして、一気に下げられたあとに上げられた私はここで余計なことを喋ってしましました。


「確かに奏斗さんは女性にとって危険な一言を軽く言われますからね」

「そうなんです。この前も抱きつかれましたし、お前を幸せにする!だなんてことも言われましたが特別な意味はなかったですから……」

「「……ッ!?」」


 だ、だき……ッ!?そ、そんなことまでしてもらっていたんですか!?私はまだ手を握ってもらっただけだというのに!う、羨ましいです!それに、幸せにするだなんて。それはもう、奏斗さんがはっきり言ってないだけで実はもう両片思いなのでは……………はっ!まさか、これは小説で見たマウント!?マウントですね?実際に会った出来事を盛ることで、相手の優位に立とうとする話術の一種。今まで、私に対してマウントを取れる方がいなかったのでされたことはなかったのですが……こんなにも嫌な気持ちになるんですね。


 一瞬諦めかけましたが、なおさら諦められなくなりました。絶対にここから巻き返して見せます。そして、今度は私がマウントを取ってやります!


 そう思いながら、奏斗さんの部屋にたどり着いた私は、開けてもらうのを待たずに自分で扉を開け


「ふぐっ」


 ……何かがぶつかった衝撃を感じた瞬間に、目の前が真っ暗になりました。脳が鼻からの情報を処理できずに。


枕って意外と臭うみたいなんすよ。犬がやたらと枕の匂いをかぐんで間違いないです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 全話にグッドいれてきますわ この感想見た人も星5評価及びグッドをつけてくれ。 この作品一時期消えちゃってて、まだ見付けられてない人がいるかもしれないからな。
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