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転生先は貞操観念逆転世界!?  作者: 晶洞 晶
第一章 中学入学編
24/67

予防

 その後、今日はもう大したことないから、と奏斗と祐樹を追い出した生徒会室は異様な雰囲気に包まれていた。


「……では、これより生徒対策会議を始めます」

「議題は、奏斗くんと祐樹くんの生徒会参加によって生じる各種影響への対処法ね〜」

「あ、あの生じる影響っていうのは、どういう物なんですか」


 佐藤と青龍院(せいりょういん)の発言を疑問に思ったのだろう。向井が発言する。

 それに答えたのはレイナと萌々華である。


「奏斗と芳田くんは良くも悪くも影響力が強いのよ」

「だから、二人に迷惑をかけないように生徒会のいうことを素直に聞こうっていうやつらと、二人に影響が出ない程度に嫌がらせをしようって奴が出てきちゃうんだ」

「た、たしかに……」


 そう言って納得する向井の横で美琴が何かに思いいたった様子で顔を上げる。


「先輩方は向井さんと、他の先輩方の心配をされているんですね?」

「よくわかったわね〜。やっぱり美琴ちゃんは優秀だわ〜」


「そ、それはどういう……」


 困惑する向井の横で「なるほど。そういうことか」と遅れながら秋穂も気づき、まだわかっていない向井に説明をする。


「祐樹たちに迷惑がかからない嫌がらせとなると、私たち個人に対する嫌がらせが中心となる。けれど、祐樹の幼馴染である私にすると私から祐樹に伝わってしまうかもしれない。だから私を標的にはできないという結論になる。これは桐生先輩も同じだな。ああ、あと桐生先輩の親友であるモモ先輩もそうだ。そして、五大家の本家筋である会長と、虎白院にも手を出せない。佐藤先輩は副会長という肩書き故に出せなくもないが、手は出しにくい。そうなると、自然と嫌がらせの標的は向井、君と他の先輩方になってしまうということだ」

「それに付け加えると〜。標的が限られるせいで、嫌がらせがエスカレートしていじめになっちゃうかもしれないのよね〜」


「そ、そんな……」


 衝撃の事実を聞いて向井は絶句してしまう。


「女子の嫉妬はめんどくさいからね。二人は入部を断られたって言っていたけど、多分怪我をさせたくないっていう理由だけじゃなくて、他の部から恨まれたくないっていうのもあったんじゃないかな?」

「おそらくそうでしょうね。もし私がその立場だとして、「奏斗と同じ部活」と「他の生徒からの恨み」を天秤にかけたら恨みを買わない方を選ぶわ。まぁ、つまりそれくらいの嫉妬に突き動かされた嫌がらせが行われるってことね。」

「ど、どうすれば……」


 萌々華とレイナの脅しに向井がビビりまくり、それを青龍院と萌々華がニヤニヤしながら見て、他は憐れむような視線を向けていた。


「ふぅ……。そこまで怖がる必要はありませんよ。私と祠堂さんがあなたと仲が良いと周知すればいいことですから」

「それこそ、桐生先輩とモモ先輩の関係性のようにね」


「な、なるほど……あ、あのよろしくお願いします!」


「もちろんさ」

「それに言われなくても仲良くするつもりでしたし……私はここまで怖がらせる必要はなかったと思うんですけれどどう思います?」


 美琴の鋭い指摘にも一切動揺することなく青龍院は答える。


「あら〜。バレちゃった?」


 青龍院のまさかの言葉に向井が虚をつかれる。


「へ?バレちゃった?」


「はい。最初からやるべきことはわかっていたのです。ですが、一応現実というものを知ってもらっておいた方がいいということになり、向井さんが怖がるような説明をしました」


 と、佐藤の解説を聞いて完全に安心する向井。


「そ、そうだったんですか……」

「ごめんね〜怖がらせちゃって〜」

「い、いえ。全然大丈夫でう、です」


 そう言っている向井はこれを実行した会長に対して、一切の不満を持ち合わせているようには見えなかった。

 それに、ならよかったわ〜とにこやかに笑う青龍院のその姿は確かに五家の一角を占める者の姿であると言えるのかもしいれない……ただ単に向井の根が良いだけかも知れないが。


 じゃあこれで解散しようか、という雰囲気になった時美琴が一歩レイナに向かって踏み出した。


「あの、レイナ先輩。もしよければ奏斗様の話を聞かせてもらえないでしょうか」


 美琴の下手からでたお願いに、不機嫌そうにレイナが答える。


「へぇー。あなた奏斗を狙ってるのね?でもなんで私があなたなんかに教えると思ったのかしら?あなた五家の直系だとしても私は――」

「会長の、いえ、茜さんのお守りは大変ではないですか?私なら、五家の繋がりである程度の親交があったので、お手伝いできると思いますよ?ストッパー」

「……あとで私の部屋に来なさい。あの子の好きな物とか教えてあげるから」

「ありがとうございます。お姉様」

「あなたに、お姉様と呼ばれる筋合いはないわ。調子に乗らないでちょうだい?」

「申し訳ありません。肝に銘じます」


 そのやりとりを見ていた、一同は沈黙し祠堂と向井がアイコンタクトで会話する。


「怖いね」

「こ、こわい」

 と。




「そして、その怖い私たちをただの乙女に変えちゃう奏斗くんが一番怖いわ〜」

「でも手放せないんですよね」

「ほんとよ〜。まだ一回あっただけなのにね〜」

「まるで薬物みたいです」

「やめられないとめられないってかんじよね〜」


 なんていう囁き合いもあったとかなかったとか。


最後のフレーズ、カッパエビ○んっていうお菓子思い出しません?……通じないだと!?そうか、これがジェネレーションギャップ……!


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