生徒会
しばらくしてようやく落ち着いた生徒会室にて、佐藤先輩の説明が始まっていた。
「ではお二人をここに呼んだ理由を説明させていただきますね」
「はい」
「了」
俺たちの返事に満足したのだろうか、一度満足そうに頷いてから話し始める
「ここ桜堂学園では次代のリーダーを育てるということで、各生徒会に強い自治権を認められています。そして生徒会には各学年から五人ずつ入ることになっています。例年通りだと、普通科、スポーツ科、芸術科のトップを選び後二人はその三人に合いそうな生徒を選んでスカウトする形になるのですが……今年の普通科のトップは奏斗さん。芸術科は祐樹さんがトップという、男性二人が主席という前例のないこの事態にどう対応するか、上層部でも意見が割れまして……。どうするにしてもとりあえず会ってみようということになりお二人をお呼びしました」
なるほど。日本人の前例がないと動けないっていう悪いところが出たのね………前例がない?
「あの、もしかして今まで男が生徒会に入ったことはない……?」
「その通りです。今までも男性を一人くらい入れたほうがいいのでは?という意見もあったのですが、我が生徒会はその強い権限ゆえに優秀な人物以外を入れるわけにはいかなかったのです。そして、10年に数度現れる成績上位者は……そのあまり生徒会に向かない方々だったので、結局今まで生徒会への参加権利を持つものがいなかったのです」
フッ……!もう俺はこの世界の男のダメさに驚かないぜ。なんたってもう慣れたから……!
……あ、あとまれに現れる優秀な男性って、多分ギフテッドだろうな。生徒会に向かないって言ってたし。
「それで、どうやって俺たちのテストをするんですか?」
「疑」
「テストですか?」
いや、なぜそこで首を傾げる。俺たちのことを見定めるんじゃなかったのか?
「それなら〜もう二人とも合格よ〜。理由は〜二人がかっこいいから!きゃっ!言っちゃった♪」
「なに奏斗に色目使ってるんですか……!」
「あーん。ちょっと離して〜」
突然合格を告げられたかと思えばいきなりいなくなったよ。嵐のような人だ……龍だけに。
ゴホン、と仕切り直すように咳払いをして、佐藤先輩がまた口を開く。
「それで、二人は能力は問題なく性格も問題ない。そして何か企んでいる様子もない。と、もう基準は超えているので生徒会としてはお二人の受け入れを拒否する理由はありません。……というかですね。できれば、お二人に入って欲しいんです。【紫紺の堕天使】と【エキゾチックプリンス】が生徒会に入ったとなれば、仕事がかなり楽になるはずなんです……!」
そう熱く語る佐藤先輩を見て、俺はある種の同族感を持っていた。だってこの人前世の俺と似たような苦労してそうなんだもん。
ん?袖を引っ張られた。なんだよ祐樹?
「あの二つ名」
「……っ!!?!??」
え!?なにそれ!?聞き流しちゃってたけど今思い出したよ!【紫紺の堕天使】ってなに!?そのいかにも厨二が考えそうな名前誰がつけたのさ!?
「?二つ名がついていることを知らなかったんですか?」
「………はい」
「同」
では教えてあげましょう、と口角を若干上げながら答えてくれる。……さてはあんた、人に物を教えるのが好きだな?
「【紫紺の堕天使】は奏斗さんの紫眼と、女性を堕落させるほどの悪魔的魅力を持っているのにその性格が天使であるから間をとって堕天使じゃないか?となりその二つが合わさって【紫紺の堕天使】となりました」
「………ッ!……クッ」
ああ゛あ゛あ゛ーー!!!……………むっちゃ恥ずいんだけど。なにさ。悪魔的魅力に天使な性格って……!!しかも俺が前世で考えた「俺の考えた最強の名前ノート」に載ってる「漆黒の堕天使カナート」と微妙に似てるところが、さらにこう、心にくる……!
と、俺が悶絶している間に佐藤先輩は続きを話し始めた。
「【エキゾチックプリンス】は祐樹さんの王子様的雰囲気と、女性と話す時にカタコトになるところが外国人っぽいということで異国風、つまりエキゾチックだね。ということでつけられました」
プッ……異国風王子って……!つーか祐樹のはカタコトじゃないぞ。あれは一言っていうんだ。
「ねぇ奏斗。今吹き出したの見えたよ?僕は我慢したのにそれはひどくない?」
「我慢したってことは祐樹も俺の時内心笑ってたってことだろ?だからお相子だ」
俺はお前が口元を押さえて必死で笑いを堪えてるの見てたからな?
「それでですね。私たち生徒会としてはお二人に入っていただきたいのですが……どうでしょうか?」
ふむ。そうだな……俺としては生徒会っていうのは前世でやったことがない物だから興味はある。というか、もう俺たちが入れる部活はないから生徒会に入るか帰宅部になるかの二択。それに加えて姉さんもいるし下手な部活よりも馴染みやすいはず。あと、秋穂が立っているってことは彼女も生徒会に入るってことだ。それなら祐樹の負担も軽減される。……俺個人としては生徒会に入るで決まりだな。……となると後は祐樹の意思確認だ。
そう思って俺は佐藤先輩から少し離れて祐樹に小声で話しかける。
「祐樹。お前はどうする?生徒会って文化部と似た感じがあるけど」
「……僕は、やってみたいかな。秋穂と奏斗がいるなら多分大丈夫だと思うから」
祐樹、おまえ……!秋穂だけじゃなく俺の名前も出してくれるなんて……嬉しいこと言うじゃない……!!
「佐藤先輩。俺、桐生奏斗と芳田祐樹は生徒会に入りたいです」
「…ネがいします!」
「はい。わたs「はーい。私たち生徒会は二人を歓迎するわ〜」……会長?」
「テヘっ?」
俺と、祐樹の全力の意思表示に茜先輩がいつも通りのゆるい感じで答えてくれ、それにセリフを奪われた佐藤先輩がキレていた。それを見て、俺はここは本当に楽しそうな場所だな。と思い思わず笑い声を上げてしまうのだった。
あと祐樹。お前短文を言うなんて頑張ったな。
祐樹、お前は頑張った!「お」が抜けてたけど頑張った!
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