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<呼び掛け>

目が覚めたら洞穴の中だった。

だが山の様に在った蟻の遺体が無いし、洞穴内も少し景色が違う。


確かエミリを庇って、胸を貫かれたから死んだと思ったが。


もう紅い蟻が居ないのはガオンが倒して、魔法とか回復薬で俺を助けて移動したという事だろうか。


「大丈夫ですか魔王様」


恭しく訊ねるゴブリンに「大したことはない」と魔王らしく答えるが、擬態が解けて人間の身体?人間の身体じゃねーか。


ヤバい。ガオンも居るから、場合に依ってはもう一度殺されるかもしれない。


止まらない冷や汗を拭う余裕も無く、一行の鋭い視線が刺さる。


「……実は」



擬態のLvが上がり、魔王の頼みで成り代わっていた事や。


魔王自体は完全に消滅した訳ではなく、呪いで魂に取り付いている事。


ひととおりの説明を終えて騙していた事を謝ると、そんな事はどうでも良いと言わんばかりに一行が聞いてくる。


「で、どうやったら魔王様は出て来るんだ?」


どうゆうこと?人間と解った俺への扱い酷くねーか。


エミリさえも同じように聞いている側なのが、更に心を抉る。


俺の恋は終わっていたのだろうか、魔王の咬ませ犬として。


そんな事を考えているとガオンが床を叩き、再び問い詰める。


「で、どうなんだ?」


「いつもは頭の中で話し掛けてくるけど、今は話し掛けてこないから解らないな……」


「……」


一様に一行は落胆の表情を浮かべ、溜め息を吐く。


皆が落ち込む理由はエミリがそっと教えてくれた。


やはり優しい、好きだ。

イヤ、今はそんな事を考えている場合ではない。


要は閉じ込められてしまったという事だが、ガオンが塞いだ道ならどうだろうか。


時間を掛ければ通れるように出来そうだが、まだキラーアントは居るかも知れない。


其れに主力のガオンが紅い蟻との戦闘で、かなり疲労している。


他に出口が無いとなると確かに、こんな雰囲気になってしまうか。


試しに頭の中で魔王に話し掛けてみるが、返事は無い。


俺が死んだ時に魔王が出てきて紅い蟻を倒したって言ってたから、何か力を使いきってしまったのか。


出口が塞がっているなら、酸素も何時まで在るか解らない。


とにかく呼び掛けるしかない。

オイ、頼むから出て来てくれ。



「……チカラが欲しいなら我がくれてやろう」

アニメとかだったらそんな事を言って、出て来るパターンだろ。



そんな心の叫び虚しく洞穴は静かなままで、全く何も起きる気配すら無い。


望んでない時には話し掛けてきやがるのに、こういう時にダンマリかよ。


まいったな……。

この異世界に来てから本当に録な事が無い。


もう一回死ぬのを試す訳にもいかないし、ウスロスが助けに来るなんて有り得ないだろう。


諦め。皆と同じように座り壁にもたれていると、静寂を破り何やら回転音のような大きな音が近付いて来ていた。


本当は50話突破記念に初期のプロットを公開しようかと思っていたが

時間が足りず普通に更新してしまった・・・

100話更新したらするかも。

100話も継続出来るの?と思ったでしょう。

モチベーション爆上げの★魔法を掛けてやるという魔導士は

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