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プロローグ
遺跡の探索を中断して休憩に入った。
「食え」
指を出した。
「キュウ!」
嬉しそうな声を出して、小さな口を開けて俺の指をくわえた。
そのまま吸うことに専念した子竜。
身体が小さいから、歯も小さい、当てても痛くない。
そしてマナが身体から抜けていくのを感じた。
なぜ捨てられたのかは分からない。
異変種だからか?
聞いた竜と違って、鬣がない、肌も真っ白だ。
「終わったか、いくぞ」
「キュイ~!」
俺はこの遺跡から出る。
そのために、例えこの先は何かあろうと、俺は止めない。
こいつと一緒に、外へ。