第6話
部屋に入ると私はすぐに
ベットの上に飛び込んだ。
春香「これ、夢じゃないんだよね」
そう、初めて好きになったのが女性
しかも、その人から告白されるなんて…
春香「どうしよう、もちろん先輩は好きだけど…」
もし、先輩が異性だったらこんな風に悩まないだろう
告白されたのは嬉しいが、簡単に良い返事がだせるわけではない
春香「あ~、もう神様っていじわる!!」
そんなことを思っていると
「プルルル、プルルル」
携帯がなった、相手は美咲である
私は思った、一人では考えきれない
ここはもう親友を頼るしかないよね
春香「もしもし。」
美咲「あー、春香?私さ、学校に時間割忘れちゃってさ」
春香「美咲が?めずらしいね」
優等生の美咲が時間割を忘れる事もあるんだ
そんな事を思っていると
美咲「とりあえず、写メで送って!そんだけだから」
電話を美咲が切りそうになる
春香「ちょっとまって!!」
私は、慌てて美咲に言った
美咲「ん?どうしたの?」
そう聞かれるとどういう風に言っていいか分からない
春香「えっとさ、私の友達の事で相談なんだけど」
とりあえず、何でもいいから上手くばれない様に相談しよう。
春香「その子が、好きな相手がいるんだけど、その相手が同性の女の子で、しかも両想いだったみたいなんだ」
美咲「ほうほう」
春香「でも、その子は女同士だから、付き合っていいか迷ってるって感じでさ。」
私は、自分の事ではないように美咲に内容を話した。
美咲「なるほどね」
美咲は少しの沈黙のあと、すぐにこう言った。
美咲「迷う必要なくない?」
春香「えっ」
親友の思わぬ返事に私はびっくりした。
美咲「だってさ、たまたま同性だっただけでしょ?しかも、両想いなら迷うほうがもったいないよ」
春香「で、でもさ、女同士なんだよ?今はよくても将来的にとか」
私がそういうと美咲がため息をついて
美咲「そんだけの理由で、諦めてるんだその子は」
それを聞いて私は無言になった
確かに、私は先輩を諦めてる。やっぱり美咲は凄いな
美咲「まぁ、私はそんな経験ないからその子にとっては大きな壁かもしれない、でも恋愛って自由だと思うよ」
あぁ、そうか
何を迷ってたんだ私は
美咲の言葉に心が少し軽くなったような気がした。
春香「ありがとう、美咲!その子に伝えてみる」
美咲「うん、上手く行くといいね、その友達さん」
そして美咲との電話を切った
私の迷いは消し飛んだ、
やっぱり持つべきものは親友だと改めて実感した。
次の日
私は、少し緊張しながら部活へ向かった
部活では、二年生の人たちがジャグを作って部活が始まるのを待っていた。
みつき「春香、おはよう!」
もちろんみつき先輩もそこにいた。
春香「先輩、ちょっと今いいですか?」
春香がそういうと、みつきは雰囲気で分かったのか
二人きりになれる場所を探しにいった。
みつき「ここなら誰も来ないよ。」
春香「はい、あの昨日の返事なんですけど」
みつき「うん、考えてくれたんだね」
少しの沈黙の後
私は深く深呼吸をして
春香「私は先輩が好きです!これからよろしくお願いします!!」
その言葉に
みつき「春香ぁ~」
えっ!先輩泣いてる!?
春香「どうしたんですか!?」
みつき「私、振られるかと思って…凄く嬉しくて」
先輩が泣くなんて、そんなに私の事想っててくれたんだ。
春香「私、部活も恋もしっかりやります!先輩も私にうつつを抜かさないでくださいね!」
みつき「おっ、春香も言うようになったねぇ~」
私たちは笑いながら、喜び合いながら
部室に戻っていた。二人とも重いものが取れたように
足取りが軽くなっていた。