第2話
美咲「おーい、春香何してるの?早くしないと入学式始まっちゃうよ」
美咲が私を呼んでいる
どうやら私が転けそうになった所を見ていないようだ
春香「う、うん今行く!」
私は少し早足で美咲の後をついていった
美咲とはクラスは同じで番号も一番違いだから私の前に美咲がいる形になる
美咲の後ろに並ぶと美咲が不思議そうな顔で
美咲「あれ?なんで顔赤いの?」
と言ってきた
みつき先輩に助けて貰った時に赤くなってたのか
私は慌てて
春香「あー、そういえば朝歩いてる時に前見てなくて電柱にぶつかったんだよ!私ってドジだからさぁ」
と言い返した
でも美咲はまた不思議そうな顔で
美咲「学校来て会った時赤くなかったじゃん」
と言ってくる
さすがは私の親友だよく見てる
私はごまかすように
春香「ほら!あれだよ後から来るパターンだよ!今赤くなるパターンなんだよ!電柱もいじわるだなぁハハハ」
と言い返した
これで納得してくれ!そう強く私は願った
美咲は私の顔を黙って見つめた後
美咲「まっ、熱が無いなら心配ないね」
と言って前を向きなおした
良かった、それにしても何で顔赤いんだよ!
これもあれもみつき先輩のせいだ!
というか勝手に胸が高鳴った私が悪いのか
と自分にツッコミを入れながらみつき先輩の事を考えていた
そして入学式が終わり
美咲と教室でお喋りをしていたら美咲が
美咲「そういえばさぁ、春香もう決めた?」
決めた?何のことだろう
春香「えっ何が?」
と聞き返したら美咲がため息をついて
美咲「部活だよ!春香中学生のとき何もしてなかったじゃん」
と言った
そういえば考えてなかったな
美咲「春香さ高校では部活やりたいって言ってたじゃん」
それもそうだ
小中何もしていなくて高校デビューするために
部活入るって言っていた
どんな部活がいいのだろうか
春香「何かオススメある?」
と私は美咲に尋ねてみた
美咲は頭を少し抱えて
美咲「あっ!バドミントン部とかどう?あれなら初心者でもできそうじゃない?」
と言った
バドミントン部……うんいい響きだ
春香「美咲!ありがとう、私バドミントン部にするよ!」
私が嬉しそうに言うと
美咲が
美咲「じゃあ見学行こうか?そろそろ始まる頃だと思うし」
と誘ってくれた
美咲は何て優しいのだろう
まるで天使!私はいい親友をもったなぁ
春香「うん!行こう」
私たちは体育館へ向かった
体育館の前には入学式のためのお花を
バスケ部とバレー部らしき生徒が片付けをしていた
美咲「バスケ部とバレー部は外練っぽいからバドミントン中でやってるはずだよ」
美咲がそういうと
体育館まで私の手を引っ張ってくれた
シャトルを打つ音がする
「はーい!一本」
透き通った声聞き覚えのある声だ
あれもしかしてこの声って……
私は声のする方向を向いた
みつき「シャー!」
スマッシュを決めて叫び声をあげてるのは
春香を助けてくれた、みつきだった
「おーいみつき見学来てるみたいだぞ」
顧問らしき人がみつきに声をかける
するとみつきが春香たちの方向に振り返る
みつきは早足で春香達の所へ来た
みつき「入部希望の新入生かな?…あれ君はさっきの」
みつき先輩私の事覚えてくれたんだ
ちょっと嬉しいかも
美咲「あれ?知り合いなんですか春香と」
美咲がみつきに尋ねる
みつき「うんさっき転け…」
春香はみつきにジェスチャーで口にばってんをして
さっきのことは言わないでっとアピールすると
みつき「えっとね、制服の襟がおかしくなってたから気になって直したんだよ」
みつきはそう美咲に告げた
美咲「まったく、あんたは知らない人にまで迷惑をかけるのね」
そういって美咲はため息をつく
私は苦笑いをしながらホッとしていた
みつき「まぁそれはいいとして、二人入るのかな?」
みつきは二人に尋ねる
美咲は少し慌てた様に
美咲「あっ、違いますよ!入るのは春香だけです」
それを聞いてみつきは残念そうにする
みつき「二人入ってくれたら嬉しかったな、でも春香は入るんだよね?」
は、春香って
私の名前呼んでくれた!!嬉しい
あぁまた胸がヤバイ
返事をするのを忘れていると
みつき「あのー春香?入るんだよね?」
みつきが心配そうに聞いてきた
私は焦って
春香「は、はぅい」
と返事をしたが変な言い方になってしまった
そういえば美咲は部活何部に入るんだろう
春香「美咲は何部に入るの?」
と美咲に尋ねた
美咲「吹奏楽部だよ、中学の時もそうだったし」
あぁそういえば美咲が吹奏楽部だったな
中学校でも美咲は頑張ってて凄かったな
そんな事を思い出しているとみつきが
みつき「春香、今日バドミントン体験してみる?」
と言ってきた
私は少し考えたあと
みつき先輩に
春香「でも本当に初心者ですし、できるかどうか」
と不安を言った
でもみつきはそんな春香心配を振り払うように
ラケットを春香に握らせて
みつき「ほらやろう?」
と笑顔で誘ってきた
な、なんて素敵な人だろう
私はそんな事を思いながらコートへ入る
美咲「はるかぁ~頑張ってね!私吹奏楽部の見学行くから」
美咲はそういうと手を振って体育館を出て行った
春香も美咲が見えなくなるまで手を振った
みつき「2年生しかいないし、コートは結構空いてるから心配しないでね」
そういうと
さっきまで打ち合いをしていた2年生の人に
みつき「私、この子とちょっと打つからその間他の人と打ってて貰ってもいいかな?」
と声を掛けた
2年生の人は頷いて他のコートへ入っていった
みつき「じゃあ、まずはルールは気にしないで打ってみようか」
私は構えて
春香「はい!」
と掛け声を出した
それを見てみつきも
みつき「はい!」
と言ってサーブを打つ
春香の方向へサーブがくる
打てるかなぁ、とりあえず打つしかない!
思いっ切りラケットを振った
春香「あ、あれ」
シャトルは下へ落ちていた
私は空振りをしたのである
みつき先輩の前で恥ずかしいぞ
顔を真っ赤にしていると
みつき「最初はみんなそうだよ、ほらちょっと腕貸してごらん」
そういうとみつきは春香の後ろに回り春香の腕を動かす
ちょっと待って!!何このおいしいシチュエーション!
でもみつき先輩は真剣だしちゃんとしなきゃ
みつき「こういう風に腕を前に動かすんだよ」
みつきは春香の腕を軽く前に動かす
春香「はっ、はい!」
春香もみつきが腕を動かしてくれるのを見て返事をする
何回か同じ動作で動かすと春香の腕を離して
みつき「じゃあ、もう一回サーブするから打ってみてね」
と言って自分のコートへ戻る
そして春香の方向へサーブを打つ
よし!今度こそ打つ!
春香は思いっきり腕を振った
春香「おっ!」
ラケットが初めてシャトルに当たった
みつき「ナイスクリアー!よく打ててたよ」
みつき先輩が褒めてくれた
何か今までで一番嬉しいかも
みつき「その調子で続けてみようか」
みつきはそういって
またサーブを打つ。春香もそれに合わせて
ラケットを振った
あっという間に時間が過ぎ部活が終わった
みつき「今日はお疲れ様!」
みつきが春香の肩を軽く叩く
みつき先輩ってボディータッチが多いなぁ
って何意識してんだ!私は少し照れながら
春香「今日は有難うございます!先輩のおかげで少しだけですけど打つことができました」
と先輩にお礼を言った
みつき「いえいえ、春香の頑張りで打てたんだよ、私は何もしてないさ」
みつきは笑顔でそういった
先輩!その笑顔反則です
私は照れて下を向きながら
春香「じゃあそろそろ帰りますね」
と言うとみつきは
みつき「もしかして方向あっちだったりしない?」
と指を指す
確かに方向右側だけど
何でだろう
春香「はい、右ですけど…どうかしましたか?」
と春香が聞くと
みつきが嬉しそうに
みつき「私も、方向同じだからさ!一緒帰ろうよ」
と言った
えっ!えっえええええ!!
まさか先輩と一緒に!?どうしよう
嬉しいけど私の心臓持つかな
みつき「どうかしたの?私と帰るの嫌かな?」
みつきが心配そうに聞いてきた
春香「そ、そんなわけないじゃないですか!一緒に帰りましょう!」
なんと私は
学校初日で出会ったみつき先輩と一緒に帰ることになった