1パート
森の奥深く、洞窟の中にあった棺の中から起き上がる女性がいた。
「よく私が生まれるまで頑張ってくれたな。」
「お目覚めですね。」
「えぇ、随分手こずって時間がかかったがおかげでほぼ問題ない。まだいるのかあいつは。」
「はい、10以上の仲間が倒されました。」
「まだ、途絶えてなかったとはな。私が起きるまで時間がかかったが、まぁ近々終わりにする。」
「その時は是非私に。」
「わかった。」
その女性はカラスのものに見える真っ黒な羽を手のひらの上に乗せ、息を吹きかけた。黒い羽は風に乗り、民間人の影の中に入り込んだ。しばらく経ってその中から鬼が生まれた。
「私のかわいい鬼たちを倒すなんて、魔法少女ヒカリはいつになっても邪魔な存在だね。しかし、今の世は憎しみで溢れている。鬼を誕生させるのがとても楽。」
「過去の魔法少女ヒカリも般若様を封印させるのが精一杯、結局憎しみや怨念の力が負ける事はないのです。」
「魔法少女ヒカリも無駄なあがきなんてしなければいいのに。」
「タイ料理?」
桜と昼にどこで何を食べるかの話になり暁美がとんちんかんな声を出した。
「知らないの?タイ料理は大人気なんだよヘルシーだし。食べるの女の人ばっかりだけど」
「そう言えばこないだもタイ料理のフェアやってたような。」
「健康にもいいし美容にもきくわ。」
「桜さんって案外女子力高いんですね。」
「案外ってなんだ案外って。」
桜に案内してもらいタイ料理のお店に入った。のんびりとしているがテレビがあり、ニュースが流れていた。
「私は麺にするわ、ここのは美味しいからね。」
「私はおすすめを食べようかな。」
料理を食べ終わり、コーヒを飲んでいるとニュースは鬼関連の報道になった。
「昨晩、2体の鬼が現れ魔法少女が撃破しました。被害は特になく今後も同様の事件があれば・・・・・」
隣に座っていた客が話していた。
「鬼はいつまで経っても減らねーな。警察は何をやってんのかねー。俺たちが払っている税金で働いてるんだからもう少し力入れて捜査しろっての。」
「だめですね。このところ不祥事続きでさ。」
お店から出てきた暁美は浮かない顔をしていた。あれだけの戦いをしているのに第三者からはそう映るのか。自分が守ろうとしているのはあの人達なのに。
「浮かない顔だね。」
「はい。ちょっと切なくって。」
「まぁねー。それはどんな世界でもそうなるよ。一生懸命教えても子供の成績が上がらなければ先生は否定されるし。特に塾の先生とか。大変な苦労とものすごい機器を使って天気予報をしても外せばなんで外したんだって叩かれる。警察だって同じってこと。頑張ってるんだけどね。」
そんな中電話がかかってきた。
「市民から再び鬼が出たとのとの情報です。付近の警官は捜査に当たってください。」
近場に移動するうち、カーナビを覗きながら暁美が言った。
「報告を受けていた円の中からはみ出ますね。」
「新手の敵かな?」
現場について車から降りると住宅街だった。今は平日の日中。今の時間ここはがらがらなのでは?
桜は拳銃を持って暁美と一緒に鬼を探した。
すると唐突にサイレンが鳴った。男性が焦って走っていく。まさか・・・・・
暁美は追い付き話を聞くことにした。
「あなた、なんでサイレンが鳴ったおうちから走って行ったんですか?そのバッグはなに?」
「うるさい!」
バッグで殴られそうになった。立派な公務執行妨害である。駆けつけた桜が取り押さえ、手錠をかけた。
「1時43分、公務執行妨害の現行犯で逮捕。」
取り調べ室で男性警官が取り調べをしていた。
「住宅街で鬼が出たと騒ぎ、いなくなった家に入って盗みを働いたわけだ。」
「手っ取り早いし簡単なもんで。」
「全くふざけたやつだ。」