2パート
「つまりはリーダーか。そいつをおさえれば鬼は出なくなるわけだな。しかし、鬼を追い払うなんてまるでお祓いだな。」
暁美が立ち上がって言った。
「私の家系は古くは巫女、つまりシャーマンの血筋で三代目との事ですが過去の魔法少女ヒカリも私の先祖なのではないかと思います。」
「クモ型の鬼の発言と一致するな。」
さらに別の刑事が立ち上がって言った。
「暁美さんのブレスレットの石が暁美さん以外に全く反応しなかったのもそのあたりが理由なのではないでしょうか。」
「だとすれば魔法少女、男性の場合は魔法使いになるがそれらを量産するのは無理だな。暁美さんにしか反応しないのでは。なるべくなら暁美さんにしんどい思いはさせたくないが。まずは科捜研の結果だな。」
「宗形本部長。また鬼です。今度はイカです。水中です。」
「動ける捜査員はまず近場に向かってくれ。」
ぞろぞろと出ていく捜査員の中、桜がミントに話しかけた。
「ねぇミント。魔法少女ヒカリって水中もいけるの?」
「息は出来ると思うけど、魔法が使えるかはわからないんだ。」
「ありゃま、じゃあ地上に引きずり出すほうがいいか。」
目撃された港の近くにパトカーが何台か止まり、捜査員がレーダーを見た。
「この点ですね。」
「うーん。海のど真ん中だなー。地上に引きずり出すのは大変だ。」
「なんかミント。アイディアないの?」
「えー、水着着て泳いだら?」
黙って暁美はミントの頭をつかんで水に投げ入れた。
「ぷはっ!悪かった、悪かった!とりあえず青の弓矢を使えばいいと思う。」
「まぁそうでしょうな。そんなのはわかってるわよ。」
「イカの釣りのやり方で釣ればいいんじゃないかな!」
だまってハリセンを取り出した暁美を見てミントは桜の後ろに逃げた。
「まぁまぁほらミントもふざけてるわけじゃないししかも今思ったんだけどイカは光に引かれるからそれで誘導したら?しかもどこから取り出したのよそのハリセン。」
後ろで聞いていた捜査員が
「それはいいですね!」
という事になり、光で誘導する事にした。
船にライトをつけて走らせ地上に近づいたところでライフルを使って小型のライトを打ち込むというもの。これで水中に逃げられても光で見つけやすくなる。
狙撃班がライフルを構え、船は走り出した。作戦は順調だった。
船が走り出すと同時に狙撃班が物陰から突き飛ばされた。なんともう一体バッファロー型の鬼が現れた。
狙撃班が突き飛ばされると同時に船はイカの鬼により破壊された。更にバッファロー型の鬼の突進により、暁美は水の中へはじき飛ばされた。
「暁美!大丈夫か!」
桜の呼びかけにまるで答えるかのように蝶に乗った青の魔法少女ヒカリ、水の形態が水から飛び上がった。水しぶきが吹き上がった。
「ツーヒツ・ロアー。」
弓矢を構えながら蝶に乗った魔法少女ヒカリは高々と飛び上がった。月の光を背中に受け、月の光が魔法少女ヒカリを照らしていた。
魔法少女ヒカリの放った矢はイカ型の鬼の方へ飛んでいったが外れてしまった。
「さすがに当たらないか。」
「ジーチェ・トンモン。」
緑の魔法少女ヒカリ、山の形態になってバッファロー型の鬼に飛び蹴りを食らわせた。バッファロー型の鬼はすぐさま起き上がり、突進してきた。前回のサイの鬼と戦った経験があるためさほどうろたえはしなかった。
その隙に起き上がった桜は狙撃班が吹っ飛ばされたライフルが落ちているのをみつけ、構えて水中のイカ型の鬼にめがけ放った。
命中し、打ち込んだライトは発光をはじめた。逆上したイカ型の鬼は水から飛び上がり桜の首をつかんだ。
「桜さん!」
暁美が叫んだ。ほとんど男性の捜査員はバッファロー型の鬼により気絶していた。桜は持っているものを投げつけたがむろん効くはずもなかった。しかし、イカ型の鬼はスタングレネードを踏んだ。激しい光と音で感覚を麻痺させるタイプの手榴弾だが、それを踏んで作動させた。激しい音がなったがなんとイカ型の鬼は苦しみ始めたのだ。
「効いてる!」
と言ったのと同時に桜も気絶した。
「ツーヒツ・ピアレイ」
レイピアを取り出し、エネルギーをため、バッファロー型の鬼を切断した。バッファロー型の鬼は撃破された。
「ジーチェ・シーフェン。」
魔法少女ヒカリ、大地の形態になり、
「カーモ・キーテス」
と呪文を唱え、ステッキを召喚した。
「ツーヒツ・キーテス」
ステッキにエネルギーをため、一気に接近して発光した部分を叩きつけた。
イカ型の鬼も撃破された。すぐに救急車を呼んで、けが人は手当された。気絶していた人は揺り動かすと気が付いた。
「鬼に対しての対抗策、一歩進みましたね。」