2パート
「そうはさせるか。」
魔法少女オーガと魔法少女ヒカリの戦いが始まった。しかし、力の差は歴然だった。魔法少女ヒカリ、強の形態の攻撃すら軽く弾かれ、魔法少女オーガの一撃一撃の破壊力が大きかった。
それを恵たちは見せられていた。雄介も応援しながら見ていた。
「これに賭ける。ツーヒツ・ライズ・キーテス。」
強の形態の必殺技をぶつけた。
魔法少女オーガは人差し指と中指でそのステッキを受け止めた。
首をつかみ放り投げた。
「ごめんね、光良暁美。そしてさようなら。」
魔法少女オーガが必殺技を繰り出した。黒い翼が真っ黒な妖気をまとい宙に浮いた。小型の羽が舞い散り、魔法少女ヒカリを包み自由を奪った。
そして、魔法少女オーガは大きく息を吸って魔法少女ヒカリに吹き付けた。
妖気の渦が魔法少女ヒカリを包み、止んだところで魔法少女ヒカリはステッキを手から離した。軽やかな音がしてステッキが地面に投げ出され魔法少女ヒカリはその場で倒れ込んだ。
「みんなにお別れ言って。」
カラスの羽は魔法少女ヒカリの体を浮かし、巨大な蜘蛛の中へ閉じ込めた。あえて中が見えるようにしてあった。
「ごめんね、光良暁美。生まれ変わったらまた会いたい。」
蜘蛛の中でエネルギーを完全に使い果たした魔法少女ヒカリは最後苦しげに手を前に伸ばしそのまま石になった。
ぎりぎりのところで逃げ出したミントは助けを呼ぶべく走って行った。
召喚獣の蝶は粉となって消えた。
「そんな、魔法少女ヒカリが死んだ。」
桜はその言葉だけは聞きたくなかった。
「そんな、嘘だよ。嘘だって言って。そんなの嘘だぁーっ!」
恵たち病院の地下シェルターもその様子を見せられ絶望していた。
「魔法少女ヒカリが……死んだ。」
「誰が今の人間を守るんだよ魔法少女ヒカリがやられたら。」
見せられた人々も絶望のどん底だった。
桜達警察官はブレードやライフルでたとえ魔法少女ヒカリがいなくなっても戦い続けようとしていた。
そして桜は死んだと聞かされても、それでも戻ってきてくれる気がした。約束を果たしていないから。約束したんだディズニーランド一緒に行くと。しっかりしろよ暁美。お芋食べたんでしょ。ディズニーランド行くんだろ!こんなところでへこたれてるんじゃない。
恵たちの地下シェルターでは、絶望した上般若に降伏して許してもらおうという人もいた。恵も悩んでいた。降伏はするのはいやだが、しかし自分の子供が多少でも救われるならそっちの方がいいのかもしれない。
「雄介、わたし達も般若のところへ行って降伏しよ。雄介は私が守らないと。」
「魔法少女ヒカリはきっと生きてる。僕はそう信じる。」
絶望のなか雄介の考えはひどく場違いな気がした。
「雄介、現実をみなよ。石になってるんだよ魔法少女ヒカリは。」
「応援すれば大丈夫!前にも応援すれば強くなってたもん!」
雄介は力説していた。