2パート
「高圧電流で普通なら死んでるところだよ。魔法少女ヒカリのため強化されているから命には関わらないけどしばらくは安静にしておかないと。」
桜が病院で恵と話していた。
「弘樹さんにブレスレットを調べてもらいましたが完全に光を失い、機能しなくなっているようです。変身はおろか、発光する力もなくなっているそうです。」
「変身はもうできないかもね。」
「私は実は変身出来なくなってよかったと思います。あの子には普通の女の子としての生活に戻ってほしい。日本の科学技術なら鬼を魔法少女なしで倒せるようになります。あの子だけが苦しむ義務はありませんから。」
「なるほどね。それは私も同意見。」
病室で暁美は目を覚ました。私は鬼に敗北した。やっぱり、私は負けたんだ。
「おはよう。」
桜が呼びかけた。
「完璧にやられましたね。ブレスレット、弘樹さんのところに?」
「そう、無断で持ち出してごめんね。変身はおろか発光もできないんだって。」
「もう、変身できないんですね。」
「いいんじゃない?普通の女の子に戻ったんだよ。今の日本の科学なら近いうち鬼を撃破できるようになる。あなたがそんな思いをしなくてもいいの。」
「そうなのかもしれません。」
「もうしばらく寝てな。あ、それと雄介くんに会ったらお礼言っといて。あの子あなたが倒れた時鬼に石を投げてこっちだぁー!って。」
「え!それで鬼に?」
「大丈夫、雄介くんに向いた時私のライフルが効いた。あいつは逃げてったよ。」
「よかった。」
「まだ動かない方がいい。鬼も出てきてないし寝てなさい。」
「はい。そうします。」
仕方ないんだよね。勝てなかったんだから。全部の必殺技が通用しなかったんだ。勝てなかったのはしょうがない。
それで、逃げるんだ。勝てなかったから諦めると。そう言う事だね。へぇー。いいんじゃない別に。あなたは満足?無様に負けて、しかも変身出来なくなったから魔法少女じゃなくなったしいいやって。
逃げたくない。負けっぱなしでいいものか。あいつに負けたままでいられるか。
でもいいんでしょ。負けたままで。逃げるんでしょ。だっさい間抜けヅラ下げたままいればいいじゃん。
うるさいうるさい。
ねー。カッコ悪いね。
目が覚めた。
「暁美お姉さん目が覚めた。」
雄介が画用紙を切りながら座っていた。
負けたのか。自分の無力感に自分が嫌になった。私は三代目だが過去の魔法少女の中で最弱なのではないか。夢の中でそう言われた気がした。
「大丈夫?桜さんはお仕事いって母さんは診察。代わりに見ててくれって。」
「ありがとう。あと、石の話も聞いてる。ありがとうね。あっ。ばらしてしまった。」
「いや、知ってたよ。」
「あ、そうなんだ。言ってたっけ。」
「母さんニュース見ながら暁美大丈夫かなとか言ってたからなんとなくね。」
「頭いいんだね。私とは大違いだな。」
「なんでそんなこと。あ、負けちゃったから?」
「そうだよ。まったく情けなくて嫌になる。」