表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の姫君  作者: アラウ
14/21

お転婆娘

パチリ、と目を開けると夜だった。ベッドの縁に体を預けたルイが眠っている。洗面台に濡れたタオルを取りに行き、顔を拭ってやる。


「ルイ、貴方王様なんだから泣いちゃダメだよ」


囁いて毛布をかけてやると、ルイが身じろいだ。・・・どうも私を責めたから起きなかったのだと思っているらしい。初対面の時の俺様な面影はどこへ行ったのやら。


「・・・ちょっとだけ、出かけてくるね」


濡れ羽色の髪にキスをして、ルランは窓を開けた。外を見れば登れそうな所が沢山ある。ならば、やることは一つ。


「ミレニア、覚悟しなさい」


ルイのクローゼットを勝手に漁り、動きやすい格好に着替えて大きな無地のマントを被る。しっかりとしたブーツを履き、手袋をし、奥にあったロープを手に取る。


「病弱だからって、何もしないとは思わないことね」


最後に護身用にナイフと短剣をそれぞれブーツとベルトに挟み、ルランは窓枠に足をかけた。


***


「わぉ、凄く綺麗」


せっせと壁や屋根を登りながら空を見上げると、綺麗な星空と月が見えた。まだ夜になったばかりらしい。どうしようもなく高揚する胸を押さえながら、サクサクと屋根を移動していく。ワクワクするのは心臓に負担がかかるが、失神したことがないから大丈夫だろう。

華やかな音楽が聞こえる方へ軽い足取りで移動する。真下は前回の舞踏会場。そとへ漏れる光で窓の位置を確認しつつ、硬い屋根の取っ掛かりにテキパキとロープを結んでいく。窓は結構下の方にあるうえに、ぶつかったら確実に刺さりそうな窓枠がある。窓のど真ん中に飛び込めなければかなり痛い目を見るだろう。


「ふふっ、娼婦ですらこんな馬鹿なことはしないだろうね」


狙うはミレニアただ一人。蹴破ろうとしている窓にいるか分からないが、妙な確信を持ってルランは駆け出した。

ロープを手に巻き付けてしっかりと握り、勢いよく屋根を蹴った。ブワッと風に包まれ、身体が落ちる。ロープに引かれて窓に突っ込む直前、ルランは確かにミレニアと、彼女に詰め寄ろうとするルイを見た。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ