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FPS  作者: N19
第1章 サバイバルホラー編
13/43

FPS episode.12

episode.12――

2014/8/12 スフィーダ伯爵邸 使用人寮


「……何か、あからさまに嫌な感じだ」


 不気味な寮に足を踏み入れたジャクソンはショットガンを構えながら恐る恐る前に進む。中の雰囲気は廃墟となった病院を思わせる感じで、木の床が軋む音がより恐怖を煽る。


「くっそ、ホラーは苦手なんだがなぁ……」


 何を隠そうジャクソンはお化けの類いが苦手だった。理由は明白でゾンビなどの化物と違い、銃器では全く歯が立たないからだった。昔、大地にそれを言ったら「子供かよ(笑)」と酷く笑われたのが記憶に新しい。


「………開けたくないけど……仕方ない」


 幾つかある扉のうち、正面の1番大きな扉に手を掛けるとジャクソンはゆっくりと開ける。中は広めのダイニングになっていて、大きめのテーブルやソファーが置かれている。恐らくはここで食事等を行っていたのだろう。しかし、今では放置されて腐ったパンや食べ残しが腐臭を撒き散らしていた。



「酷い臭いだ……」


 汚染された空気をモロに吸わない様に口へ手を当てながら更に奥へ進むとジャクソンは人影を見つけた。その様子から見て若い女性で髪は腰に届く程のブロンドであり、彼女は魅力的なメイドの服を着ている。


「……キミ、大丈夫かい?」


 うずくまっている女性の肩に手を置くと彼女はゆっくりと立ち上がろうとする。しかし、バランスを崩すとジャクソンにもたれ掛かってきた。


「……うぅ…ぅ……」

「何だ、だいじょうぶ――くわぁ!!」


 ジャクソンはその顔を見て思わず戦慄する。もたれ掛かって来た女性の顔は目玉が無くなっており所々は腐っていた。ゾンビになる前に会えなかったのが、激しく後悔される。そして「捕まえた!」とばかりにジャクソンの腕にしがみついてくると首元に噛み付いてきた。


「ファック、またこのパターンかよっ!」


 可愛いメイド服に釣られた自分に後悔しつつ尋常では無い力で掴んでくるゾンビメイドの腕を振りほどこうとするも離すことが出来ず、遂にはジャクソンの首に噛みつかれてしまう。


「ぬわぁぁーーーーーっ!」


 今度ばかりはダメかと諦めたジャクソンは目を瞑り激痛を覚悟する……が、痛みは何時になっても来ず、首に感じるのはハムスターに甘噛みされた時の様な痛みのみだった。


「――って、アレ?」


 ゾンビメイドに首を食い千切られると思っていたジャクソンは不思議に思い、彼女の口元を見ると前歯が全て欠けてしまっていた。恐らく何かで顔面を強打して、目玉と前歯が取れてしまったのだろう。


「……あぅ…あぅ………」

「くっ、ドジっ子で助かった……」


 ジャクソンは勢いをつけてゾンビメイドを引き剥がすと、無惨な状態になっている彼女の顔に向けてショットガンを構える。


「……あの世で幸せになってくれな」


 そして、トリガーを弾くとゾンビメイドの頭は綺麗に吹き飛んだ。残った胴体が力なく倒れる所をジャクソンは抱きとめソファーへ静かに座らせた。よく見るとそのソファーには可愛らしいウサギやニンジンのファンシーなクッションが置かれている。


「せめて、この臭いも何とかしてやるか……」


ソファーの後ろにある大きな二枚窓を開けると風が篭った臭いを運びだし月夜の明かりが照らすと幻想的な絵になる光景となった。頭は無いが……。


「ん? 何か落ちたな……」


 するとソファーに座らせたメイドのポケットから一冊の小さな手帳が落ちた。ジャクソンはその可愛らしく装飾された手帳を手に取ると、彼女に悪いと思いつつも何か手掛かりがあるかもしれないと静かに開いた。



――ミリーの日記

(勝手に見たら殺すよ?と表紙に書かれている)


2014.07.07 ――

今日は私の誕生日。新しい手帳貰ったよん!

これで大人の女性を目指しちゃお!


2014.07.08 ――

今日もメイド長に怒られた〜超怖いお

アンリいつもかばってくれてありがとね!


2014.07.09 ――

日記って、メンドい……もうやーめた!


(空白)


2014.08.01 ――

今日の夜、血を流した男のひとが寮に来た。

メイド長が看病してるけど、医者は呼ばないでくれって。

なんか、ちょっと怖いかも……



2014.08.02 ――

メイド長に言われて昨日来た男のひとに親友のアンリと

ごはんを持って行ったら、色々とお話してくれた。


何か、研究所から悪いばい菌が出てしまって、

ここも危ないから早く逃げろだって?


ういるすって何、おいしいのかな?


看病してたメイド長も具合悪くなっちゃったし、

私も風邪移らないようにしないと!



2014.08.03 ――

怖い、怖いよ………メイド長が化物になって、

先輩メイドのお姉さん食べられちゃった。。


私はアンリと2人で、何とか逃げれたけど、

さっきも部屋の外で悲鳴が聞こえた……


もう、暗いから今日は2人でここに隠れて、

朝になったら逃げる方法を探さなきゃ……


あんなのイヤだ、死にたくない……



2014.08.04 ――

キッチンの裏口からなら逃げられそうだけど、

外に出たら、黒い気持ち悪い化物がいた……


でも、ここから逃げられる方法も見つけた。

アレを使えば、きっと逃げられると思う。


さっき外で悲鳴が聞こえたけど、たぶん、、

もうアンリと私の2人しかいないと思う……


今日はもう遅いからアンリと作戦立てて、

明日から本気出して、準備するよ!



2014.08.05 ――

いよいよ明日だ。。

あの方法でメイド長と黒い化物を巻ければ、

私達、絶対に逃げられるよ。


ぜったい上手くいく!2人で逃げるんだ!!


屋根の上でまた何かカタカタ動く音するけど、

明日の為に、はやく寝なきゃ……



2014.08.06 ――

(右下だけ何かに濡れてインクが滲んでいる)


アンリごめんね……私が途中で転んだせいで、

最後の逃げるチャンス、無くなっちゃったね。


私って、いつもそうだ…嫌になるホン……

でも、アンリが無事でよかっ……


メイド長に噛まれた手が痛……

今日は寝れなそうかも……



2014.08.07 ――

からだだるい。。

私もメイドちょ みたいバケモに

なっちゃのかな……


こわいよ……いやだよ……



2014.08.08 ――

おなか へたて あんいに いたら――

おか ゆつく てくれら お


あん い いき てね



2014.08.09 ――

お かゆ

う ま



――ここで日記は途切れている。



「……コレは……キツイな」


 ここでどれだけの悲惨な事があったのか。ジャクソンはそれを思い、しばらくそのまま動けないでいた。だが、これにはかなり貴重な情報も書かれているのは間違いないだろう。


「絶対に逃げられる方法か……」


 ジャクソンは日記に書いてあった裏口を探す為、ダイニングへ繋がるキッチンまで足を運ぶと思ったよりもすぐに裏口を見つけた。そして、こじんまりとしたキッチンを抜けて裏口の扉に手を掛けるが、鍵が掛かっていて簡単に開く様子が無い。


「そう上手くはいかないか……しょうがない。他の部屋を探してみよう」


 気を取り直しダイニングから出ると今度は通路の途中にあった部屋を探す事にした。それにさっきの日記に書いてあったもう1人が、まだ生きているかもしれない……。



 ジャクソンは幾つかある部屋の扉を開けて、慎重に確認していく。血や肉片が飛び散った部屋なども途中にあったが、その中でもシンプルなワンルームで清潔に整頓されている部屋を見つけた。だが、その奥であるモノを見て、ジャクソンは顔を顰めた。


「もしかしたらと思ったが……」


 そこにあったのは首を吊った別のメイドの姿だった。そばにある小さな机には遺書の様な手紙が置かれている。ジャクソンはその手紙を手に取ると目を細めそれを読む。



――故郷のパパとママへ


このお屋敷で働き始めて3ヶ月。

ようやくお仕事に慣れたのに本当に残念です。


これは逃げてきた研究員の人から聞いたのだけど、少し前にお屋敷の裏にある研究所から悪い病気が漏れてしまったらしいの。


それから徐々にお屋敷の人達がおかしくなっていったわ。突然暴れたり、人を食べたり……みんな化物になってしまった。


一緒に逃げていたミリーもさっき化物になって、襲いかかってきたの。でも何とか避けたら顔をぶつけて、勝手に動かなくなったわ。


まったく、最後までドジなんだから……


多分、残っているのはあと私だけ。

でも、もう限界だよ……


もし生まれ変われたら、また2人の子供に生まれたい。どうか親不孝な娘をお許し下さい。


2014.08.10 アンリより――



「……2日前か。もう少し早ければ」


 だが、現実に“もし”は無い。例え、もう少し早くここに来れたとしても彼女達を救えたとは限らない。ジャクソンは自分にそう言い聞かせて、首を吊ったメイドをゆっくりと降ろすとベッドに寝かせた。


「屋敷の裏に研究所か……ありがとな」


 ベッドに寝かされ少し安らかな顔になった彼女に礼を言うとジャクソンは机の上に置いてある鍵を持って、裏口を目指した。

 

12話目です!今回はゾンビ化した人の視点で書いてみましたΣd(゜∀゜d)

かの有名な、かゆう○日記のリスペクトですね(゜∀゜)フフフ


さて、次回はゲームで言うと中ボス戦になりますかね。

最凶メイド長がジャクソンに襲いかかりますよ?


PS

一気に1900PV達成!皆さんのおかげです(*´ω`*)ノサンキュ

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