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ひつじのけもの その三

 掲載詩

 ●ひつじ のけもの●

 ●鉄●

 ●ひつじの けもの●

 ●散歩コース成層圏●

 ●魔王●

 ●ひつじ のけもの●


 なんとも ウールのような雲の下で

 まぁ ほとんど泣いてはいるが

 タップを踏めば ごまかせる


 なんとも ウールのような雲の中で

 まぁ そこにいるとも限らないのだが

 タップを踏んで 合図を送る


 なんとも ウールのような雲の下で

 まぁ 本当は叫び出したいのだが

 泣き喚き地面に膝をついて何故だとを悪態を吐いて世界を呪い頭をがんがんと打ち鳴らしもしかしたらもしかしたらあのウールのような空のさらに上にいるのかもしれない名前すら判らない何者かを蹴飛ばしてやりたいのだが


 今は

 歯を食いしばり

 なにがなんでも

 タップを踏む!



 ●鉄●


 鉄打ち震え太鼓を鳴らせ

 角笛吹きて空気を揺らせ

 土踏み散らし怒涛の流れ

 風切り刃の拍手喝采雨霰

 進めや死ねやと誰かの声

 玉響の間に雲垂れ籠めて

 必ず帰ると願いを込めて



 ●ひつじの けもの●


 それは 空を流れる 雲のような

 もこもこしている あたたかそうでもある

 それ自体が 何か 怪しき命のように

 やがて 黒々と色を帯び 空を覆う天蓋と化す

 雨を潜めている 雨を潜めている 雷を伴う 風を伴う

 雨を秘している

 

 ドリー

 この 暗澹たる景色は お前か


 エディンバラから楕円を見渡す双眸が

 すでに 荒野より出でる 戦慄の地響きを捉えている 

 全てを砂っつらに戻す

 全てを 例外無く 砂っつらに戻す

 地響きが迫る

 地鳴らしの

 地響きが

 地響きが!



 ●散歩コース成層圏●


 なんとしても

 なんとしても この 無色透明の風におっつきたい

 時速四万三百二十キロの速度がほしい

 あの 何か言いたげな星空を抜け

 高度百キロをひとっ飛び

 そして黒々とした吹きっさらしのソラの中

 ぶちまけられた金色を

 これはカシオペアのひとつ ベガのひとつと 白鳥のひとつと

 素手で触れて回りたい

 巡り巡って巡りたい

 世界を呪うのももう飽きた

 世界を呪うのも飽きただろ



 ●魔王●


 (前略)

 心するがいい

 もうじき 全ての夜という夜が

 お前のもとに殺到する

 (中略)






 新たに五つです。

 ちょっと暗めかもしれません。

 いや、本体は、至って元気です。

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