「鷹と龍 Depressed request」 第一章〜依頼〜後編
後部座席に座っている少女の自虐発言のを
途中で遮り、サイドミラーに目をやって
後方を確認した。
すると、かなり後ろのほうに自衛隊で使われてるような
大型トラックが走ってるのが見えた。
「ねぇ、望ぅ?この辺りに自衛隊の駐屯基地かなんかあったかしら?」
「いえ、なかったと思います。」
「……だよねぇ。じゃあアレはなんだ?」
と、俺はは脳内にいるとあるAIに
(アイギナ‼︎今からあのトラックの乗員を見るから
それをもとに隊員とデータ照合を頼む)
と頼んだ。すると脳内に
『かしこまりました。主様』
と女性の声が返ってきた。よし
「今からちょっと乱暴にUターンするからね‼︎
しっかり何かに掴まってなさい‼︎」
「あ、ああ、わかった」「はいわかりました‼︎お姉様‼︎」
後部座席で二人が手すりやカップホルダーに掴まってるのを確認し、念のためにHiACEの走行モードをノーマルモードからステルスモードに切り替えた。
するとエンジンの音がものすごく小さくなった。そして
中からは分からないが外からは突然消えたように見えるが
これは消えたのではなく、見えなくなっただけである。
私はエンジン音が小さくなったことを確認してから
ハンドルを一旦左に切り、そのあとすぐに思いっきり右にハンドルを切って、アクセルを踏み込んだ。いわゆるドリフトをしたのである。
タイヤがわずかだが擦れる音が聞こえる……
嗚呼、やっぱりステルスでもなるにはなるか……
車体の大きいワンボックスを無理やり滑らしため車体が
大きく傾いているがアクセルを踏み込んでなんとか体勢を
なんとか横転するかしないかのとこでバランスが取れている。(いい子でも悪い子でも真似しちゃダメだよ‼︎)
そして、そんなこんなで反対車線に移ることに成功して
ハンドルを元の位置に戻し速度の調節をして、反対車線に
走ってるトラックの運転席と助手席にいる人を見た。
服装は自衛隊の制服に身を包んでいた。まぁ、表情は二人ともに驚いていたっていうよりも凍りついていたの方が
正しい気がする…そんな表情だった。
その後、しばらくそのまま走り、とあるビル“隼Project 本社ビル”に入ってからステルスモードからノーマルモードに切り替えた。駐車場の空いてるとこに車を停め一言
「ここは、どんな組織たろうがなんだろうが手を出すことのができない不可侵地帯なのよ。と言っても安心はできなんだけどね。たまに馬鹿がくるけど、ね‼︎」
といいながら思いっきりドアを開けた。
すると、「ヘブッ⁉︎」と短い悲鳴のあとドサッと音の後、
音のしたとこに1人男が現れた。たまにくる馬鹿、その人である。そんで私は開けたドアから降りてその馬鹿に近いづいて、しゃがみながら水月に拳に(なんの躊躇なく自然に)思いっきりおろした。
「グフゥ⁉︎カハッカハッ、い、いきなりの歓迎じゃねぇか……ゲホッ……あ、新しい扉が開けちまいそうだっ、
た⁈」
俺は感情に任せて立ち上がり奴が言い切る前に脇腹を蹴り上げた。それから怒鳴るように
「誰がテメェを歓迎するか‼︎この盗み聞き野郎がァ‼︎」
すると両脇に手を突っ込まれ、抑えらた。
「お姉様‼︎落ち着いてください‼︎怒ってもなんの意味もありませんからぁー‼︎龍宮さんはなんか用があったんじゃないんですかねぇ‼︎‼︎」
と、望にそういわれて冷静になった。
大きく深呼吸をし、自分を落ち着かせて
望に「もう、離していいわ。もう大丈夫だから…ありがとう」というと望は何も言わず
離してくれた。
すると脳内に
『照合完了しました。自衛隊には一致した人はありませんでした。』
とアイギナの声がした。
(ん?てことは他のとこに一致したのか?)
『ハイ、真嶋建設で一致いたしました』
(真嶋の方で引っかかったのか?えーと、あの子名前はたしか…真嶋・T・柚月……。)
「おい、嘘だろ……クッソめんどくさいことになった……。」
私はそう呟いて額に手を当て天を仰いだ。
そんな私をみた望はわたわたしている……
「よりによってあの真嶋かぁー……。龍宮、お前はこのことを伝えにきたのか?なぁ、それだけじゃあないよなぁ?」
うずくまっている龍宮の脇腹をゲスゲスと蹴りながら言った。
「……痛いって‼︎わーったよ‼︎わーったから頼むから蹴るはやめてくれ‼︎お前の蹴りは普通とは違うからすっごい痛いのって‼︎だからやめろって、ゲフっこんなんじゃ落ち着いて話せなっ カハッ 言われたもんをなんでも揃えるからぁ‼︎頼むやめてくれぇぇええ‼︎」
と龍宮がそう言ったと同時に蹴りをやめた。
「言ったな?ならリモート式の対人対戦車ライフル、照準とトリガーは別々のやつでな、弾は特殊爆散狙撃弾で頼む。できるよな?」
「ちょっと、無理が……特に弾のほ、ほうが……」
「無理とは言わせんよ。なんでも用意するんだろ?言ったよな?それともさっき言ったことは嘘だったのか?」
「い、いえ、嘘ではありません‼︎わ、わかりました。弾と銃は最高の物を揃えます‼︎あと情報をおニつ。」
と、龍宮はタジタジになりながら言った。
それに対して笑みをうかべながらこう返した。
「ほぅ、その情報はなんだ?」
「はい、一つは彼女を狙う勢力は二つです。真嶋財閥だけではありません。それはッ」
「騎募烏乘灯だろ?貴方に希望があらんことを、の宣伝文句で、真嶋印の発明品を狙う集団だろ?」
「ハイ、そうです。やはり知ってましたか。
二つ目は、車に乗ってる彼女に真嶋製、
それも特別な発信器が仕込まれています。それも爆弾付きのやつが……まぁ、今は貴方様がここら一帯を通常のとは全く別物のジャミングのおかげで場所の特定と起爆はできない位に使い物にならなくなってますがね……。えーと、俺は準備と最終調整があるので……」
と言い残して龍宮は消えた。
「なるほどねぇ……ほんとにめんどくさいことになったわぁって望?どうしたの?震えちゃって……そんなに怖がらなくていいのよ」
と、望の頭を撫でながら、
「そんで、そこの殺意むき出しの少年……
斬島柩君いや、今は高嶺優希と呼んだ方がいいかな?どうしたんだい?」
第一章・了