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団地令嬢姉妹

作者: まみむめも
掲載日:2025/12/28

ここは築50年以上の古い団地。そこにとあるご令嬢たちが住んでいた。


「みのりおねえさま、おはようございます。」


「あら、かほさん。おはよう。珍しく早いんですのね。」


団地令嬢姉妹である。


「あなたが私よりも早く起きるなんてどうしたのかしら?」


「うふふ。いやだわ、おねえさま。きょうはわたくしのおたんじょうびですわよ?」


「そうだったわね。かほさんももう7歳になるのね。おめでたいことだわ。」


「ええ、わたくしもきょうからおじょうさまになりますの。いろいろとおしえてくださいませ。」


「良い心掛けだわ。私にお任せになって?まずは使用人たち(※両親)が起きるのを待ちましょう。」


今日は日曜日。メイド(※母)も執事(※父)も起きてくる気配がない。


「・・・おねえさま。わたくしおなかがすきましたわ。」


「そうよね、さすがに遅すぎるわ。仕方ない、起こしてさしあげましょう。」


団地令嬢姉妹は寝室に乗り込んだ。

そこには屍のように眠る使用人(※両親)が二人。

まずはカーテンを開け朝日を浴びさせる。


「ぐぇぇぇぇぇぇぇ」


と、断末魔のような声をあげるのはメイド(※母)だ。

布団にもぐろうとしたところを先手を打って布団を奪う。

日光からの逃げ場がなくなり、醜くのたうち回っている。


執事(※父)は日光に強いようで顔をしかめる程度。起きる気配がない。

かほお嬢様が片足を執事(※父)の鳩尾にのせ腕を組む。


「10かぞえるあいだにおきないと、うえにのってジャンプしますわよ。」


「うぅ・・・苦しい・・・かほちゃんやめてぇ・・・」


「1.2.3.4.5.6.7.8.9.10」


「かほさん、やっておやりなさい。」


かほお嬢様が両足を乗せようとしたそのとき、やっと執事(※父)が体を起こした。


「わー待って待って起きるから!・・・まだ6時半やん・・・」


「まったく。今日はかほさんのお誕生日ですのよ?あなたたちが準備しなければならないでしょう!」


「いや、まあそうなんだけど・・・もう少し寝かせてよ・・・」


「いけませんわ!わたくしおなかがへっておりますの!ぺっこぺこですわ!ごはんしてぇ!!」


「かほさん。冷静になって?そんな大きな声、はしたなくってよ?」


「あ!もうしわけございません。みのりおねえさま。きをつけますわ。」


「ふふ。今日からお嬢様ですもの。少しづつ慣れていけばいいのよ。さあ!あなたたちは朝食の準備にとりかかってちょうだい。」


みのりお嬢様が使用人たち(※両親)に指示を出す。ごそごそとやっと布団から這い出してきた。


「朝ごはんなに食べたい~?おにぎりでいい?」


「いいえ。わたくしはフレンチトーストのきぶんですの。おねがいできるかしら?」


「はいはい。フレンチトーストね。ちょっと待っててね~」


メイド(※母)が作ったフレンチトーストを食べてご満悦なみのりお嬢様とかほお嬢様。


「さて、今日はかほちゃんの誕生日だしなにしようか?どこか行きたいところある?」


かほお嬢様はそわそわした様子でこう答えた。


「それよりも、たんじょうびプレゼントはいまもらってもいいかしら?」


「え?今?夜にケーキ食べたあとじゃだめ?」


「いまですわ!!いますぐほしいのですわっ!!」


かほお嬢様は少々興奮気味である。


「えー・・・まあいいか。明日学校だし夜に渡すとあんまり遊べないもんね。ちょっと待ってて」


メイド(※母)がプレゼントを取りに行く。


「かほさんは今年の誕生日プレゼントは何をお願いしたのかしら?」


「うふ。みのりおねえさま、みてのおたのしみですわ!」


「はい!かほちゃん7歳おめでとう!」「誕生日おめでとう!」


使用人たち(※両親)からの祝いの言葉とともにプレゼントを受け取る。

包みを開けるとク〇ミちゃんのスマホ型おもちゃだった。


「やったーーーーー!かわいいーーーーーーーー!!」


さっそく起動し遊び始めるかほお嬢様。その横で不穏な気配を漂わせているのはみのりお嬢様。


「・・・かほさん。ちょっと、私にも見せてくださらない?」


「えーやだよぉ。かほちゃんいまやりはじめたところだしぃ!」


「ちょっと見るぐらいいいじゃん!かほちゃんのいじわる!!」


そこには気品溢れるお嬢様たちの姿はなく、ただの姉妹喧嘩が勃発していた。


「はあ・・・やっぱり今年もこうなるか。みーちゃんの誕生日プレゼントも渡すか・・・。」


姉妹の誕生日は一か月違いなのである。


「はい、みーちゃん。一か月早いけど9歳の誕生日プレゼント先に渡すね。」


ビリビリビリィと勢いよく包み紙を破り、出てきたプレゼントは同じク〇ミちゃんのスマホ型おもちゃ。


「わあい!みーちゃんもこれが良かったんだー!」


「みーちゃんもいっしょなの?じゃあつうしんしてあそぼうよ!」


二人はようやく落ち着き、気品溢れるご令嬢に戻った。


「ふう。素敵なプレゼントだわ。感謝するわ。」


「かんしゃいたしますわ!とってもたのしいですわ!!」


「だからかほさん。大きな声ははしたなくってよ。」


「しつれいいたしました、みのりおねえさま。きをつけますわ!」


「おほほほほほほ」と高らかに笑いあう団地令嬢姉妹であった。


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