表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

第1話「侵略ロボット、襲来!」

オススメのロボットアニメ教えてください


「ヤッホ〜あっつ〜い!!」


 照りつける太陽に見守られるなか、田んぼに囲まれた舗装が不十分な細長い道を、女の子が全力疾走している。


毎日元気に駆け回る彼女、赤銅 朱璃(しゃくどう  あかり)の姿は、火鳥居町(ひでりちょう)ではもはや日常風景となっていた。


「うっさいわね!!黙りなさいよ!!暑苦しいったらないんだから!!!」 


 やがて小さな校舎の校門前まで来たとき、朱璃の額に人差し指が突き刺され、ようやく猪の如き突進が止まる。


「ニケちゃんおっはよ!今日もめちゃくちゃな美少女っぷりだね〜!!」


 朱璃を止めたのは、色素薄め!白髪というよりは美しい銀髪に近いサラサラの髪を持ち、透明感ある見た目と反して凶暴な性格で知られる伯堂ニケだった。

 

「ははははあ?あんたに美少女だとか萌るとか結婚してとか言われたところで別に微塵も嬉しくないんだからね!!」

   

 なにしろ毎朝こうして校門前で朱璃を待っている健気で一途な恋する乙女なニケちゃんは、朱璃への好意があまりにも分かりやすかった。


「じゃあ結婚して」

「喜んで!!」

「な〜んてうっそぶへ!?」


 恋心を弄んだ天罰だ!ニケに力いっぱいデコピンされた朱璃は、亀のようにひっくり返った。




「眠いな〜昨日深夜までロボアニメ映画五本も見ちゃったからな〜ふわあああ」


 朱璃は教師の言葉に耳を傾けることも、黒板に目を向けることもなく、ただ窓の外を眺めて微睡む。


一番後ろの列、一番右の席、というのは不真面目な生徒には結構な当たりなのだが・・・


「起きなさいよ!授業中に寝るな!!」

「ふにゃっ!!」


 ・・・よりによって、隣の席が教師や委員長以上にバカ真面目なニケなのが運の尽きである。

 

「ね、ね、いつものめおと漫才はいいから、チョーぜつヤバそうなの来るよ!」


 もはや恐竜と同じで絶滅したかと思われていた黒ギャルの黒夢(くろむ)が、窓の外を指差してギャハハハと笑う。


「未確認飛行物体・・・!?」


 騒然となる生徒たち、その中で大人だけあって比較的冷静な教師も、丸眼鏡をクイッと動かし、“それ“を見る。


「確かにありゃUFOだね〜っ!!!」

「なにテンションあげてんのよ、バカ朱璃!!」


 窓の外、グラウンド、ゴールポストのある辺り上空に浮遊している円盤状の飛行物体は、確かにUFOと呼ぶのが相応しいだろう。


「ついに来たのよ」


 ニケは強引に朱璃の手を引っ張って教室を出ると、意味深なことをコソコソと囁く。


「でも大丈夫、私たちには・・・おわっ!」


 校舎が激しく揺れた、その勢いでバランスを崩して倒れたニケは先にすっ転んだ朱璃に覆いかぶさり、頬に唇をくっつける様な体勢になってしまった。


「ニケちゃんったら大胆なんだから〜!!」

「これはセクハラじゃなくて不可抗力ってやつで!!勘違いしないでよね!いやガチで私の人生に関わるから!」

「いやいや、あなたには責任とってもらわなきゃ、そのためにも、あいつは倒さないとね」


 珍しく朱璃が敵意を剥き出しの表情を浮かべる相手は、いま学校に体当たりして破壊しようとする円盤・・・いや・・・ヤツは・・・。


「戦闘機!?自衛隊・・・?いや、違う?」


 悲鳴を上げ逃げ惑い、教師らは避難誘導のためにできるだけ声を張り上げる状況となった学校の危機に、ミリタリーマニアすらも見たことがない戦闘機の編隊が馳せ参じた!!


「“攻撃開始!!“」


 機械の鳥の群れは一斉にミサイルやロケット弾を連射して円盤を攻撃するが、傷一つ付けることはできない。


「馬鹿な、なんて硬さだ!」

「あっ!円盤が変形するぞ!!」


 UFOから両手足と胴体、脚がニョキニョキと生えてくる・・・やがて銀色の巨人が姿を現す。


「うわあああっ!!」

 

 銀色の人型兵器は頭部に備わる三つの円から怪光線が発射、機体を撃ち抜かれた戦闘機は学校近くを流れる川に架かる橋へと墜落。


残った数十の機体も右腕のブレードの一振りで発生させた衝撃波で全滅させた。





「いよいよ出撃だね、私たちの愛の結晶が!」

「ばか、ばか、ばか、変な言い方しないでよ!」

「三回も言う必要ある!?」


 体育倉庫に隠された秘密の扉、そこにある錆びついたエレベーターに乗って地下深くに降りると格納庫がある。


そこに佇む巨大な爬虫類・・・まるで肉食恐竜の如き影を朱璃とニケは見上げていた。


「覚悟はいいかしら?」

「もちろん!!」

「ならばよし!」


 格納庫に電気が灯り黒き巨影の姿を照らす、赤と白の入り混じった、機械仕掛けの二足歩行爬虫類型ロボット・・・これこそ、朱璃とニケが秘密裏に長い年月をかけて作り上げた戦闘ロボ!その名は・・・!!


「チタゾール・・・発進よ!!」

「ヤッホ〜!熱〜〜い!!」


 チタゾールに一緒に乗り込んだニケと朱璃、さあ、初陣だ!!




「学校が・・・!」


 邪魔な敵を一掃した銀色の巨兵は、その鋭いブレードを、避難して誰一人中に残っていない校舎に振り下ろした・・・が、寸でのところで動きが止まる。


「させるかぁ!!!」


 チタゾールがシルバーロボットの首根っこに背後から噛みついている、更にそこから三百万馬力のパワーで引っ張って、振り払われたが校舎から引き離すことには成功した。


「なんだあれ、恐竜か!?」

「UFOに恐竜とは、ロマンだなあ」


 生徒達が騒然とするなか、朱璃たちの担任教師はしみじみ、童心を思い出していた。


「ゆくぞぉ!」


 戦闘機を撃墜した三つ目から放たれる怪光線をバリアを張って防ぐと、チタゾールは体を半回転させながら尻尾で敵の胴体を打ちつける。


チタゾールは口を開き砲門を露出すると、そこから、激しい衝撃を受けて転倒する銀色の巨人に五十万度の火炎を浴びせた。


「ヤッホ〜〜〜熱いね〜〜〜〜む!?


 灼熱地獄に落とされた銀の巨兵は、ブレードを自ら引き千切り、の口に目掛けてぶん投げる。

 

「無駄な足掻きだわ!!」


 ニケがレバーを引くとチタゾールは口を閉じてズラリと並ぶ超合金の牙でブレードを噛み砕いた。


「とどめ!!」 

 

 敵のボディよりも強く白銀に輝く鋭い爪が、一斉に飛んでいく!これは爪形の強力な爆弾だ!!これにより学校を襲撃してきた巨大な敵の頑強な銀色のボディも木っ端微塵に吹き飛ぶのだった。

百合ロボットアニメ、三作品くらいしか知らない!

結構ある方?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ