資 格
西暦2018年、太陽系に近づく異星の宇宙船があった。
サナーミア・モナシシ・ランジュ(銀河管理者連盟 )の調査船だ。
文明を築き宇宙へ脱出できるほどに科学の進んだ生命体を対象とし、銀河帝国の一員に加わるに値する生物なのかを認定する機関であった。
連盟の調査法は、簡単だった。この星の支配種 人類と一番身近に暮し、遺伝子的にも近い生命体を調べるというもの。
調査員のモナグル人は、数多い哺乳類から『猫』と『犬』を選んだ。
無作為に選ばれた10万匹を意識解析し人類が他の生物にどのような感情や態度で接しているのかが調べられた。
結果は、5段階評価で最上ランクに決定。
調査員のモナグル人は大変満足していた。
「すばらしい友愛だ。自分達の種と遺伝子的に近いとは、いえ、かなり知能的に劣る動物にもかかわらずココまで愛し共に生活できるとは…」
人類は、めでたく銀河帝国の一員に推薦されることとなった。
帝国の一員になる事は人類にとって将来を約束されたようなもの。
サナーミア・モナシシ・ランジュ(銀河管理者連盟 )の調査船が太陽系を離れてまもなく、もう1隻、太陽系に近づく宇宙船があった。
サナーミア・ランデビ・ギギモオテ(銀河友和協会)という名の調査船だ。
銀河帝国には、同じような団体がもう一つ存在していたのだ。
協会の調査法も、簡単だった。この星の支配種 人類と身近に暮し、遺伝子的にも近い生命体を調べるというもの。
調査員のユーポプア人は、数多い哺乳類から『豚』と『牛』を選んだ。無作為に選ばれた10万匹を意識解析し人類が他の生物にどのような感情や態度で接しているのかが調べられた。
結果は、5段階評価で最低ランクに決定。
調査員のユーポプア人は驚きを隠せなかった。
「し…信じられない。自分達の種と遺伝子的に近い位置に属するはずの生命を…劣悪環境で無数に育てて…まさか…そ・それを食する知的生命が…いたとは…」
調査隊の報告を受け、銀河帝国の主星の星都『シホーナウソラエ』では、ただちに最高機関会議が開かれ、人類は、最悪の裁定をくだされた。
それは、人類の破滅への『道』だった…
アメリカ合衆国ニューヨーク州の時間で2018年4月21日午前12時00分…地球の大気圏に小さなカプセルが突入した。
1ヶ月余りで人類は、急速に広がった原因不明の未知のウィルスによって総人口の99,4%を失う。かろうじて生き延びた人類達の瞳に、もはや知性のキラメキをみる事は出来なかった。
やがて、文明は崩壊し、朽ちはてた都市が残され、わずかな人類の幻影たちは、衣服を脱ぎ、道具を捨て、炎を恐れ、崇拝し、おろかなサルの姿にかわっていた。
相変わらずの悪癖を残す…食料の奪い合い、殺しあい、騙し合う…サルとして…
《 お わ り 》
ロバート・J・ソウヤー の『イリーガル・エイリアン』のお話の中でエイリアンの宇宙船内で脳など思考をつかさどる部分をすべて除いた食糧としての肉だけを成長させている シーンがありました。
知的レベルが上がった生物は、肉のみを生産しているのかも…