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2                  終

熱い湯の中で

脳味噌だけが如何にこの状況を乗り越えようかと冷静に

汗を流している

温泉の回りには

壁の代わりに椿が植えられ塀のようになっている

空は雲1つなく

星が田舎のせいか

目をこらさなくても見えた

今回の記事

伝説と生贄

それと偶然の事故

そんなこと村の人は分かっているに違いなかったが

取り敢えず

そんな感じの記事にすることにした

明日は生贄を川に二年ぶりに流すという

私は

腹が膨れていたが

夕食の川魚等々を食べた腹を揺すりながら

空を見た

相変わらず 星がある

新月のせいだろう

余計見えているに違いない

私は風呂から部屋に戻ることにした



部屋の中でパソコンを打ちながら

構成をまとめる

龍神伝説

生贄を中止した呪い

ふと私は疑問に思う

そう言えば 氾濫は何処で起きるのだろうか

あれほど谷が深ければ

氾濫は起きずらいだろうし

鉄砲水では氾濫は起きないだろう

いや 一時的でも流されれば野菜にとってのダメージは計り知れない

しかし もし龍神が居なければ

どうして氾濫はおこらなくなったのだろう

そんなことを考えていると

電話が鳴る

部長のようだ

仕事の進行状態が気になるのだろう

私は さしたる事も無く

状況を伝えた

「ええ どうも事故死と脳溢血らしくて

明日には儀式が終わり次第」

そこで部長が話を遮る

「おいおい 調べ間違えて居るぞ しゃれにならん

事故死じゃなくて 行方不明だし 脳溢血の市町の方は虫に刺されたことによるとショック死だ」

何だろうこの内容の違いは

それほど事件の話を聞かされていない事による誤認だろうか

「虫って何ですか」

部長は新聞でも持っているのか電話越しにガサガサとおとがする

「何でもチャドクガの幼虫に全身刺されたそうだ 他に聞きたいことは」

私は考える

この違いに意味はあるのか

わざとごまかしただけなのか

それとも田舎の死の概念は その程度なのだろうか

一家失踪にかんしても

夜逃げなのか事件なのか分からないらしい

それと 何でも

闇床川の両面をコンクリートでうめて

発電事業を起こそうとしていた渦中の人物だったらしい

私は電話を切ると同時に

襖の向こうで声がした

お茶菓子をお持ちしましたがどう如何いたしましょう

女将を通し先程の話を聞くと

あら そうだったかしらと知ってか知らずか分からない

ちなみに氾濫が起きたのって

と言うと

この村では無くずっとしたの川が合流下辺りだという

そうなると

伝承も怪しくなる

何のために

そんな下の氾濫をこの場所の生贄を流し鎮めたのだろうか

氾濫をしないために直したと言うが

何処を直したのか

女将いわく知らないという

こうなってくると伝説も怪しい

どこかに文献などはないかと聞くと

そんな物は無く全て口伝いによる伝承のような物だとしか言わなかった

さてどうした物かと思うが

時刻は遅く

柱時計が鳴る

もうねないと明日がまずいかも知れない

女将がでわと出て行った後

布団の中で暗い天井を見ながら考える

木の模様が龍のようにも木のようにも節が怪物の目のようにも思えた

ひんやりとしたくうきが

いよいよ眠れなくしそうで

私は布団の中にくるまると

猫のように躰を丸めて眠った

夢の中で

暗い谷底

渓谷を流れる暗常川の上には

斜面にへばりつくように生い茂る椿

その中に無数に花が咲いて

風に揺さぶられている

私はどうやら石の上でそれを見ていたが

何か背後で水が落ちる音がした

振り返ったとき

明るい光に

いま宿でねていることに気がついた

起き上がると七時であり

着替えていると朝食が出来上がったと女将の声がした

卵を食べながら相変わらず化粧の濃い顔を眺める

まるできつねのようだとふと思った

細い目から目線をお味噌汁に移すと

サザエのような物が渦を巻いている

何かと聞くと昨日とれたタニシだという

食べると何とも生ぐさい気もしたが

そういうものかもしれないと

朝食を食べ終えた

儀式は早朝から準備が行われるらしく

お昼には飲み会に変わるという

用意してある

ウサギの死体を

流すというが

それを取り終えれば

私は帰ることになるだろう

村日が集まる

神社前に行き

そこから

昨日と同じく

村長の軽トラに乗り

村長を先頭に山を登る

荷台にはウサギが載せられており

雑誌などに載っているのとは

違う姿勢をしている

昨日の場所に着くと

斜面の一ヶ所に階段があり

それを皆でぞろぞろと降りる

大きな岩は

丸みを帯びており

老人が腰掛けて釣りをしていそうな風である

私は後ろから写真を撮る

荷台から持ってきた

一匹の白いウサギ

一週間以内に

猟で捕ったという

白い装束に着替えた村長が

酒瓶を水面に近づけ

白い泡だった液体を流すと

ウサギよりも大きな四角い和紙の上にウサギをのっけると

それを透明度の高い

川に流す

すると

それは重さで沈み

わしもろとも

ゆっくりと下に流されながら見えなくなった

私はその時

白い線のようなものがウサギに近づいたような気がしたが

気のせいだろうか

写真を撮り終えると

皆撤収を始めた

私は抜かれる木の棒などを見ていたが

いよいよ皆で斜面を登り始めたとき

帰り際に川を見ると

ぷくりぷくりと

白い物が水面を何個も流れていた


車内であれは何かと聞くと

山の中に白いかたしが居るという

車でそのまま宿に行くと荷物をまとめて

送ってもらうことになった

何も分からずにすいませんという私に対して

女将は首を振りいいえいいえ

と言ってきてもらっただけでもと付け加える

丁度電車の時間に間に合うと言うので

駅まで送ってもらった


本来であれば

そのまま電車に揺られるところだが

私はその足で市バスに乗り図書館に行くと

芳椿村の歴史資料を調べたが

一向に出て来ない

電子検索からあしをのけると

カウンターの司書さんに尋ねた

あのすいません 芳椿村の歴史資料はありますか

私の問いに対して

あのすいません もう一度良いですか

と聞いた後

メモ帳に村の名前を書く

どうやら分からないようで

別の司書に聞くと

今はもう無い村の名前だという

そんなはずじゃ

私は外に出ると

部長に電話をする

「すいません 部長

例の村なんですが

何か資料はありますか」

すると

「資料も何もなにもないところから

メールが来たから

面白いから行ったんじゃないか なにかわかったかい」

私はどうも嘘ではないようで 電話を切り

踊り場の階段に腰掛けて カメラの電源を入れた

自然の写真の中に白い靄のようなものが映り込んでいる

おかしい

どれもだ

それどころか

草がぼうぼうに生えすぎている

私は図書館に戻り

郷土史を片っ端から調べ始めた

しかし

昔 川をせき止め

鉄砲水を流されたくなければ

税金を払えと

それを 政として牛耳っていたものが居たという

一節をようやく見つけただけで

それも江戸時代の表記のようであった

私は顔を上げると

バスの時間がまずいことになっていた

急いで階段を駆け下り

夕暮れのバス停前に立つ

横の時刻表はまばらに時間が並んでいるが

何処を探しても巡回路に芳椿の名前は見つからなかった。



それで

そんなファンタジー載せられるか

私は部長に言われ仕方なく

椿のチャドクガの集団に

下見しに来た市町が運悪く突っ込んでしまい

それによる死亡

役員に関しては

賄賂による工事の断行を知られ

田舎ではいずらく夜逃げだと分かったが

別の記事で役員の名前で

寄生虫により入院

気を付けるようにと言うのを見つけたが

如何なのだろうか 記事に載せる必要は…

ただ私は脳を締め付けられるような思いで

そのせいかお腹がキリリと痛んだ






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