第六節 人間の思いと絆
帝釈たちと冥魔導神の間に高まる緊張、冥魔導神の切り札とはいったいなんなのか。
「さぁ魔物たちよいまこそわれと一つになるのです!」
冥魔導神がそういうと魔物たちの魔力を吸収し始めたのである。
「こいつ!魔物の力を吸収しはじめたぞ!」
「吸収している間にすきができてる今ならたおせるよ!」
帝釈たちは一斉に冥魔導神にとびかかったのである。
「あまいですね!」
冥魔導神の手から大量の魔力が放出された。それに押し戻される帝釈たちであった。
そうしているうちに冥魔導神はすべての魔物を吸収したのである。
「私のすきをつこうなんて浅はかな考えです。しかし私の超魔神化の力も回復しました。さぁどうしますか?」
「いてぇ~。そうかもなでもよ。俺もまだ全力でたたかってないんだぜ?」
帝釈は超神化の力を温存していたのであった。
「みんな悪いけど俺にみんなの超神化の力をそそいでくれないか?あいつとは一騎打ちで倒したい。」
「わかったたっちゃん。まかせるよ。」
「おう!お前にかけるぜ帝釈!」
そういって天女たちは帝釈に超神化の残りの力を注いだのである。
「さぁ用意はできましたか?ではいきますよ?」
「こい!冥魔導神!」
再び激しい攻防が繰り広げられた。
「なに?!以前よりつよくなっているだと!!」
「当たり前だ!俺にはみんながいる、そしてその思いを具現化した超神化はお前の超魔神化を上回っているんだよ!」
「この私がおされているというのか!」
「これでおわりだ冥魔導神!浄化の光をうけろ!!」
帝釈の鋭い一撃は冥魔導神体を貫いた。
「お、おのれ人間!この私冥魔導神が負けたというのか!人間の思いに負けたというのか!」
冥魔導神は光となって消えたのであった。
「よっしゃあ!帝釈が勝ったぜ!」
「倒したのじゃぁ!」
そういいながら天女たちは帝釈の元へと向かったのである。
「やったねたっちゃん!」
「ああ、みんなありがとうみんなの思いと絆がなければきっと勝てなかったと思う。」
帝釈たちが勝利の余韻に浸っている間にそこへ光の柱が現れた。
「よくぞ冥魔導神を倒した。我が分身帝釈とその仲間たちよ。」
「帝釈天様!」
「阿修羅丸よ。よくぞ帝釈たちを守り導いた。」
帝釈たちは帝釈天がそこに現れたことに驚きを隠せないでいた。
「帝釈天様これで終わりなんですよね?これで清浄京や弥勒の故郷も安全なんですよね?」
帝釈は帝釈天に心配そうな心境で質問をしたのである。
「安心しなさい。すべての厄災は取り除かれた。これでおまえたちの役目も終わったのだ。」
帝釈天は帝釈たちに使命をおわったことを告げたのである。




