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第六節 危機的状況


決戦当日、そこには清浄京からあつまった多くの退魔師たちがいた。今回は帝釈天の援護はなかった。帝釈天も帝釈たちがいれば大丈夫であると信じていたのである。


「皆様よく集まってくださいました。この日にそなえた皆様も多いいとおもわれます。なんとしても魔物を滅し、平和な世をとりもどさなくてはなりません。


 私達は家族・友人・恋人いえすべての人をこの脅威から守らなくてはなりません。できることなら一人の犠牲もだしたくないのです。皆様の健闘を祈ります。」


そこに神皇はいた。たくさんの退魔師たちの前で大切なものを守ることの大切さを言っていたのである。


「では退魔師のみなさん魔界へ転移します。心の準備はいいですね?!」


法海は退魔師たちにそのようにいった。


「天女・弥勒・不動丸・阿修羅丸・・・・覚悟はいいな。全員無事で戻ろう。そして俺たちの時代も守ろう。」


「そうだな。この戦いはお前たちの時代にも影響するかもしれないからな。」


「うむ。わらわも帝釈たちの時代を守るために戦うのじゃぁ。はりきっていくぞぉ。」


「そうだね。私たちの時代にも影響でるかもしれないしね。それにこの時代の人たちもまもってあげたい。だからこわくないよ。」


「帝釈たちの時代を守るか。まあそれもいいんじゃねえか?どっちにしろ俺はあの冥魔導神がきにいらねぇ。ぶった斬ってせいせいさせたいぜ。」


帝釈たちがお互いの気持ちを確認しあった。そして帝釈たちは魔界へと転移したのである。


転移した先には冥魔導神の城がそびえていた。そしてその城を取り囲むかのように多くの魔物たちが帝釈たちを待ち受けていたのである。その数は退魔師の軍勢の2倍であった。


「おいおい。これって多すぎないか。」


倍の数をみた不動丸は状況を把握しようとしていた。


「不動丸そんなにあわてることじゃねぇよ。相手が数にものをいわせるならこっちは質でおしかえしてやればいいだけだ。」


あせっていた不動丸に冷静に対処する阿修羅丸であった。


にらみ合う退魔師たちと魔物たちであった。


「帝釈様。魔物たちがひるんでいるうちが活路です。ここは神化をしていっき作戦通り突破いたしましょう。」


「わかった。みんな神化するぞ!」


帝釈たちが神化を遂げたのが開戦の合図であったかのようであった。退魔師たちと魔物たちはいっせいに飛び込んでいったのである。


「俺たちが先陣を切ります。雫は法海さんたちを一緒に後衛であとから続いてきてくれ!」


「さすがですね。神化とは恐ろしいまでの力です。」


「滅天童子おまえ高みの見物でもしているのか?!」


「いえいえ。わたしもでてこなくてはあなたたちに対峙することはできないでしょう。ものども神仏の使いものものどもは私が相手をしましょう。清浄京の退魔師どもを根絶やしにしなさい!」


空かあらわれた滅天童子は帝釈たちを相手にすることを宣言し、帝釈たちに襲い掛かってきたのである。


「なっ?!」


「おわかりですか?神化を遂げてわかるというものでしょう。この私の持っている魔具はあなたたち神化をしたものへの対抗手段なのですよ。しかも神化の力を私の力へと変換するおまけつきです。


すばらしいでしょ?」


刃をあわせた帝釈は滅天童子をふりきったのである。


「なんて魔具だしてきやがるんだ滅天童子!ふざけやがって!」


阿修羅丸は滅天童子に対して怒りを感じていた。


<・・・・まずい。滅天童子があの魔具をつかっているということは冥魔導神も同じものをもっているはずだ。>


戦況をいっぺんにくつがえした滅天童子の魔具にあせりをおぼえていた。


「花形である私がすこし出遅れましたかね?待ちくたびれてこちらから来てしまいましたよ。」


そこにあらわれたのが冥魔導神であった。


「冥魔導神!」


「物語の終焉はあっけないものですね。私の登場でみなさんの死をもって閉幕するのですか。滅天童子よあなたは阿修羅丸を相手にしなさい。私は残りを引き受けましょう。」


「かしこまりました。因縁の対決というわけですね。」


「さぁって役者もそろったことです。閉幕するまでにはおしいですが、さっさとかたをつけて人間界を滅ぼしましょう!」


「みんなあの魔具にふれるな散らばれ!」


帝釈たちは一斉に散らばったのである。


「くっそ!帝釈たちと引き離されたか!これじゃあ援護にいけねえ!」


「その必要はございませんあしゅらまるさま。」


「滅天童子いまさら「さま」づけしても気持ち悪い。悪いがお前を倒してさっさと帝釈たちのところへいくぜ!」


「いえいえそれはこちらのセリフですよ。あなたをとっと殺して冥魔導神様の元へまえらねばなりませんのに。」


問答をかわし阿修羅丸と滅天童子の間に一瞬の静寂がながれたそして二人が消え、刃の重なる音が聞こえてきたのである。


「どうしました?阿修羅丸。さきほどのいせいのよさがありませんね!」


「力がはいらねぇ!」


「さっきもいったでしょ。あなたの力はすべて私に吸収されるのだと。」


<帝釈のやつ。これにきづいて滅天童子から離れたんだな。さぁどうする。かんがえろ俺。>


「驚きを隠せないでいるようですね。考えても無駄です。あなたが神化をしている限り私には勝てません。かといって神化を解除しても到底私の力の足元にもおよびませんがね。ふははははは!」


一方帝釈たちは阿修羅丸と同じように冥魔導神に苦戦をしていた。


「さぁどうしたのですか。私はここですよ。」


「ちきしょう!おれらの力もっていかれるし、八方ふさがりだぜ!」


そのときあった冥魔導神の攻撃が天女に命中した。


「天女ぇ!!」


天女の羽衣で攻撃を受けきったがボロボロになっていたのである。


あわててかけよった帝釈は怒りを覚えたのである。


「冥魔導神てめぇ!ぶっつぶしてやる!!」


そのときである神化をするために必要な宝玉がわれたのであった。


割れた宝玉から光の玉が帝釈をつつみそれはやがて漆黒へと色をかえたのである。


「なんですか?このすさまじいまでの負の感情はこれでは私たちと同じ力を感じます。」


そこには力を制御できない帝釈が立っていたのである。そして帝釈は暴走したかのように宙にいる冥魔導神めがけて飛んでいったのである。


「ぐっ!!これは神化ではない!なんなのですかこの力は!!」


「よくも天女を!冥魔導神おまえだけは許せねえ!!」


暴走していた帝釈を見ていた二人はあせりを感じていた。


「不動丸よ!帝釈が暴走しておるあれはまずいのではないか?!」


「ああにぶい俺でもわかる!あれは完全に暴走している!」


「ぐ!」


冥魔導神は帝釈の刃をふりはらい間合いをとった。しかし帝釈の猛攻にひるんでいた。


そのときあである。不動丸は帝釈おさえるかのように冥魔導神のところへといき帝釈の刃をうけきったのである。


「帝釈!正気にもどれ!天女ちゃんなら大丈夫だから安心しろ!」


「ほほう。仲間割れですか。これはおもしろいことになりましたね。」


「帝釈よ!天女の羽衣で天女は治癒しかかっておる!安心するのじゃぁ!!」


「天女が・・・・無事・・・・・?」


そうすると帝釈は気絶をして不動丸に倒れこむように気絶したのである。


「おい!聞こえるか阿修羅丸!帝釈がまずいことになったここはいったん撤退したほうがよさそうだ!」


「帝釈が?!」


滅天童子の攻撃をかわし、いそいで帝釈たちのもとへともどった阿修羅丸であった。


「にがしませんよ!」


そのときであった白い煙幕が冥魔導神と滅天童子をおおったのである。


「な!なんだこの白い煙は!?」


「こっちへいそいで!」


声の主は法海であった。帝釈をおぶって逃げる不動丸と天女を抱きかかえて逃げる法海であった。


その後清浄京の退魔師たちも急いで神仏の森へと撤退していったのである。

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