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第六節 つかの間の休息

帝釈たちは神仏の森にある近くの湖に来ていた。そこは透き通るように美しい湖でった。そして帝釈たちが一緒についていくのであればと都の退魔師たちもなっとくしており、神皇も一緒にきていたのである。


「綺麗な湖じゃのぉ!魚もおるぞぉ!」


「みろくちゃんはしゃぎすぎだよ。」


天女と弥勒御前の会話をきいていた神皇は微笑んでいた。


「帝釈様今日は私を誘っていただきありがとうございます。都の外にめったにでられない私ですが、いい息抜きになります。」


「そんなことないよ。毎日都のためにがんばってる雫のためにつれてきたんだからさ。でも以外だったよ。退魔師の人たちにてっきり断られるかとおもったけど案外素直だったな。」


「それはきっと帝釈様たちがいれば安心と都の退魔師たちも判断したのでしょう。それだけ今みなに頼りにされているということです。」


帝釈と神皇が会話をしてくるところに不動丸が割って入ってきた。


「いや~俺たちが期待されてるとか。それだけ成長したんだな。」


「不動丸・・・おまえ話の腰おりすぎだって。」


「しずくちゃ~んこっちきて水着に着替えよう!」


神皇を呼ぶ天女だった。神皇は不思議そうに天女と弥勒御前のほうへと向かったのである。


不動丸は水着という単語になにか期待をしていた。


「なあ帝釈。水着ってお前の時代にあったアレだよな?」


「だからなんだよ。おまえまたへんな妄想してるな。温泉のときみたいな期待してるんじゃないよな?」


「なにいってんだ帝釈。俺がそんな恐れ多い神皇様の素肌を期待してるだなんてもってのほかだ。」


帝釈は心の中で思っていた。不動丸はやっぱりよこしまな心をもってるなと思っていた。


「なぁ帝釈水着ってなんだぁ?不動丸のやつやけに興奮してるけど。」


「さぁ~なんだろうな。そのうちわかるよ阿修羅丸。」


「たっちゃんたちぜ~ったいのぞいちゃだめだからね!」


水着という単語に聞き覚えのない阿修羅丸は不思議そうに思っていた。そして天女はのぞかないように強く念をそしていたのである。


天女はのぞかれないようにきっちりと退魔の羽衣でおおいかくしていた。


「俺たちも水着に着替えようぜ。」


「なあだから水着ってなんだよ。」


帝釈たちも森の茂みに行き着替えることにした。


「阿修羅丸これが水着だ。」


「なんだよこれ。ふんどしみたいなかっこうだな。これ一枚だけか?」


「そうだよ。いいからだまって着替えろって。」


帝釈たちは一度自分たちのもとの時代に戻ったときに水着を購入していたのである。


帝釈たちが水着に着替え終わると天女たちも水着に着替え終わっていた。


それをみた不動丸は予想通りの反応であった。そしてはじめてみる阿修羅丸にとっては目のやり場にこまっている姿があった。特に阿修羅丸にとって天女の水着姿には恥ずかしがっていた。


「あの・・・このかっこうはすこしはずかしいのですが・・・。」


必死に隠そうとする神皇も恥ずかしがっていたのである。


「しずくちゃんそんなことないよ。かわいいって。ねえそうでしょ?たっちゃん。」


「ああそうだな。かわいいと思うぞ。それとこれが女の子水着だ阿修羅丸わかったか?」


「あ・・・ああ・・・・そう・・そうだな。」


「どうじゃ!わらわの水着姿はおぬしら男も悩殺じゃろうぉ!」


「弥勒わかったからすこしおちつこう。それにみんなもはしゃぎすぎだ。」


冷静にみんなをまとめようする帝釈であった。


「いいじゃないたっちゃん!みろくちゃん、しずくちゃんいっしょにおよご!」


「そうじゃぞ!しずくくるのじゃぁ!」


「あっ!ちょっと手をひっぱらないでください。いきますから!」


強引に神皇の手をひっぱる弥勒御前であったが、神皇の顔はどこか楽しそうであった。


「なぁ帝釈。おまえの時代って本当にいいものばっかりだな。」


「不動丸おまえ鼻血でてるぞ。それに阿修羅丸おまえなに後ろ向いてるんだ?」


「うっうるせえ!なんでもねえよ!帝釈は平気なのかよ!?」


「平気ってなにが?」


「わっわからねぇならいいよ!」


帝釈は不動丸はほおっておいて、阿修羅丸の表情に疑問をいだいていた。


「お~い帝釈たちもこぬかぁ!きもちいいぞ!」


「そうだよ!みんなおいでよ~!」


天女と弥勒御前の呼び声に手を振る帝釈であった。不動丸はそれを聞いてわれ先にといわんばかりの勢いで走っていた。


「阿修羅丸いこうぜ。」


「あ・・・ああでもよ・・・・。」


「なにはずかしがってんだよ。ほらいこうぜ!」


阿修羅丸の手を無理やりひっぱって連れて行く帝釈であった。


帝釈たちは水中バレーをしていた。ボールはいろいろな方向に飛んでいったり、顔にあたったりといろいろであった。


すこしつかれたのか。阿修羅丸と帝釈は湖からあがり会話をしていた。


「なあ帝釈。敵同士だった俺たちがまさか一緒に遊ぶなんておもわなかったな。」


「俺も同じだよ。でもさ今は都を守る仲間だ。雫の楽しそうな笑顔みてておもうんだ。都の退魔師さんたちと一緒にこの世界を守るんだってさ。」


「今はいいじゃねえか。今だけは楽しもうぜ帝釈。」


「そうだな。これから俺たちはどんな道を歩くのかわからないけど、今は楽しもう。」


帝釈たちに待ち受ける過酷な使命もあるが、今はひと時だけは楽しみを満喫しようとしていた帝釈たちであった。

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