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第二節 それぞれの策略

「滅天童子。帰ってきましたね。やつらの強さはどうでしたか?」


「はい。冥魔導神様、清浄京の退魔師どもの力はたいしたことはありませんでした。やはり厄介なのは神化できる神仏の使いのものと阿修羅丸です。」


「そうですか。やはり私の思ったとおりですね。清浄京にいる神化なしの退魔師たちでは私の魔物の軍勢の足元にも及ばないということがわかりました。しかし、清浄京の結界とやつらは私に立ち向かう剣と盾になります。」


「そのとおりです冥魔導神様。攻撃手段や私たちの世界へ転移する手段がある以上せめに徹するのがよいかと思われます。」


「しかし滅天童子よ。攻め続けてもやつらには私でも破壊することのできない結界が張られています。しばらくはやつらの様子をみて作戦をたてることを命じましょう。」


「はっ!かしこまりました冥魔導神様。」


魔界では冥魔導神と滅天童子が都と帝釈たちをどのように倒すか策をめぐらせていたのだ。


一方天界では阿修羅丸が帝釈天に都でおこったことを報告していた。


「阿修羅丸よ。そうであったか。都の退魔師たちでは対抗できないということだな?都の結界は我ら神仏の力でより強固になっており冥魔導神ですら破ることはできない。そのことは冥魔導神も気づいてるはずだ。


 しかし、問題なのは退魔師たちが対抗できないというところにある。そして神化をうながす宝玉は汝を含めて五つしかない。魔界自体が動いている以上我ら神仏も常闇の主のときのように全力をもって都を守護し、


 退魔師たちの修練に協力することにする。そして我らがもつ法具と同等の力を都にいる退魔師たちに付与することとする。」


「帝釈天様。神化できない退魔師たちはどうするんですか?いくら法具の力ををあげても法力は鍛錬が必要で時間がかかりすぎていまいませんか?」


「法力については問題ない。退魔師たちの持つ法具に我ら神仏のもつ法具と同等の力を付与するといったが、その付与を行うことで下級退魔師でも己のもつ力に目覚め上級退魔師と同じ力を得るであろう。


 阿修羅丸よ。我々神仏にも準備が必要である。汝はこのことを都の神皇に伝え、受け入れを準備するように伝えるのだ。」


「わかりました。じゃさっそくこのことを報告してきます。」


こうして阿修羅丸は帝釈天のいわれたことを都にいる神皇に伝えにむかったのである。


帝釈たちは阿修羅丸が天界へ帰ったあと弥勒御前の国へきていた。


「みろくちゃん以前きたときよりきれいな自然だね。妖気もすっかりなくなって快適だよ!」


「そうじゃろ?わらわの国は神仏の恩恵をうけて発展した国なのじゃぁ。国の民たちも神仏への信仰心もつよい。それにじゃ妖怪たちがいなくなったおかげで逃げ延びた民も少しずつ戻ってきておるし、戻ってきた


 民のおかげで復興も進んでおるとの話じゃ。」


「国の人たちが一生懸命がんばって国の復興をさせるのってすごい気力と体力が必要だよな気がするんだ。俺そんな国の人たちみてるともっと自分もがんばって魔界のやつらと戦って平和にしないとって元気ずけられるよ。」


「帝釈なにがらにもないこといってんだよ。でもまあ俺も帝釈とは同じ意見だな。平和なのが一番だ早く戦いを終わらせたいぜ。そうだ。今回、弥勒様の国へ来たのは城を元に戻すことですよね?」


「そうじゃぁ。わらわと天女の力をつかって城だけでも元に戻そうとおもって雫にいってここまできたのじゃぁ。それにわらわの国の民も城を元に戻すだけでよいと大勢の民たちにいわれたぞ。」


帝釈たちは馬に乗り城まで馬で移動をしていた。


「みろくちゃんお城みえてきたよ!でも・・・ひどいありさまだね。いっぱい壊れてる。」


「うむ。やはり城はひどいありさまじゃな。民の職人がなおしたとしてもすぐには無理じゃ。城は国の象徴じゃからの。早めに直したほうがよい。」


天女と弥勒御前は城のありさまをみて悲しくなっていた。


そして城についた帝釈たちはさっそく城の修復に取り掛かったのである。


「みろくちゃん。じゃぁ退魔の羽衣を使うよ?都ほどの大きさはないから修復はらくだと思うよ。」


「そうじゃな。都では大きい分わらわの時渡りの術をつかってなんとか都全体を把握できたくらいじゃぁ。城の範囲なら都にくらべてそうでもないからいくらかは楽じゃぁ。では行くぞ天女。」


まず天女が退魔の羽衣で城の修復を念じた。そしてそれに続くように弥勒御前は城全体に時渡りの術をかけたのである。城のまわりにあったガレキが元の位置にもどるように城は修復されていった。


「退魔の羽衣と時渡りの術ってやっぱりすごいよなぁ。さすが神仏の法具と神通力のことだけあるぜ。」


不動丸は城が修復されていく様子をみて関心していた。


「元通りになったな。すごいりっぱな城だったんだな圧倒されたよ。」


「そうじゃろ?わらわもこの城にはいっぱい思い出がつまっておるし、愛着もある。それに城だけでも元に戻れば民たちの心のはげみになるじゃろぉ。」


帝釈は弥勒御前の住んでいた城の姿をみて圧倒されていた。


「これでもう大丈夫じゃろう。みな都へもどろうぞぉ。」


「え?お城の中みていかなくていいのみろくちゃん?」


「よいのじゃぁ。雫がいうには城がもとに戻り次第都へ避難していた家臣たちももどってくるそうじゃぁ。ほれ。みてみるがよい『うわさをすれば』じゃ。何人かもどってきおったぞ。」


こうして家臣たちと再会をはたした弥勒御前は自分の使命を告げて城を家臣たちにまかせることにした。


「じゃぁこれからどうしよ。都へいくのに2・3日はかかるよね。」


「そうだな。でもまあトンボがえりだけど都には急いで帰ったほうがいいとおもう。また魔界のやつらが都をせめてくるかもしれないから。」


城を修復し終わった帝釈たちはいそいで都へと馬をすすめたのである。帝釈たちは道中妖怪の恐怖から解放された人々をみて幸せそうな表情に安堵を覚えていた。


しかし、あらたな脅威も迫っていることも事実であり、帝釈たちはこの平和を守るためにもがんばらないといけないと再確認をしたのである。

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