第六章 冥魔導神の脅威 第一節 魔界の進軍
都が再建されて帝釈たちは施設で修行をしていた。神化をもっとうまく使いこなすための修行である。神化の力を引き出すため阿修羅丸も施設で帝釈の稽古相手をしていた。
「帝釈!腕がよくなったじゃねぇか!神化をうまく扱ってる証拠だぜ!」
「そうかな?俺にはなにがなにやらさっぱりなんだけど。阿修羅丸がそういうならそうなんだろうな。」
「しかし、この都っていうのは俺が妖怪だったころと比べてみると結構綺麗な都なんだな。びっくりしたぜ。この綺麗な都やそこに住んでる人たちをまもってやらないとな。おまえそういう気持ちで戦ってたんだなって
この体になってからつくづく思うぜ。」
妖怪だったときの阿修羅丸には都が近寄りがたい存在におもえていたが、神仏のすむ天界の住人になってからはその清らかさを身に感じていたのである。
「う~む。神化で変身はできるがいまいちようわからぬ。たしかにわらわの法力は神化前と比べて強くなっているとおもうのじゃが・・・・・。」
「そうよね。みろくちゃんが言うようにお互いが神化したときの力は感じとれるけど、自分からみたらこうなんていうのかな実感がわかないよね。」
帝釈・天女・弥勒御前が自分が神化した力の強さを実感できないでいるとそこに不動丸がやってきた。
「三人とも何悩んでるんだ?神化したときの強さなんて自分できめるもんじゃねえよ。他人がつよさを認めて初めて自分の強さを実感するだけだ考える必要ないだろ?」
「不動丸の言うとおりだな。お互いが強いとおもえばそれでいいんじゃねえか?実際三人とも強い力を感じるぜ?」
「そうじゃな。なやんでいても始まらぬ。二人のいうとおりじゃ。今は一生懸命強くなることだけを考えておればよいということじゃぁ。不動丸よおぬしたまにはいいこというのぉ。」
「弥勒様その言い方だと毎度毎度俺がバカやってるみたいじゃないですか?」
「何をもうすか。わらわたちの裸を覗き見したり、なにも考えずに敵に突っ込んだりするところがバカであろう?」
「そりゃあないですよ弥勒様。」
そんなこんなで、帝釈たちは稽古を続けたのである。
帝釈たちが施設で修行をしていたとき、滅天童子は大量の魔物をつれて都の外で待機をして様子をみていた。
「清浄京の結界による探知の範囲は常闇の主がいたころから把握している。ここならやつらも察知できないでしょう。ですがまずは清浄京からやつらをひっぱりださなければ意味はありませんね。
すこしエサをまきましょう。そしてやつらをおびきよせるのです。」
滅天童子が都を攻撃しようとしている時、帝釈たちは施設をでて法海のいる寺へと足を運んでいたのである。しかし、施設の帰り道ものすごい音が都中に広がっていたのである。
「なっなんじゃ!いまのでかい音は!?」
「たっちゃんあっち見て!」
「結界が攻撃されている!魔界のやつらなのか!?」
「まちがいなく魔界のやつらの攻撃だな。攻撃されてるところにむかおうぜ!」
不動丸が結界を攻撃されている方向にはしりだすとともに帝釈たちもあとをおうのであった。
現場についた帝釈たちが目にしたものは悲惨であった。多くの魔物たちが退魔師たちを殺していたのである。その戦闘のなかで法海は必死に魔物たちを倒していた。
「おまえら神化しろ!法海のところまでいくぞ!」
阿修羅丸の言われたとおり帝釈たちは進化をして、襲い掛かる魔物たちをなぎはらいながら法海のもとまでかけよったのである。
「大丈夫ですか法海さん!?」
天女が法海のそばに行き退魔の羽衣で怪我を治癒したのである。
「みなさんきてくれたのですね!?戦況はよくありません!魔界の手下どもは常闇の主の妖怪とは格段に力が違います!」
「法海さん!退魔師のみなさんを都の中へ撤退するよう指示してください!ここはおれたちでなんとかしますから!」
「すみません。私たちがふがいないばかりで。退魔師のみなさんを撤退させるように指示します。あとはお願いします。」
法海は生き残った退魔師たちをつれて都の結界内へと戻ったのである。
「よかった。法海さん結界内にはいったよたっちゃん。」
「ああ。あとは俺たちでこいつらの相手をするだけだ。正直法海さんがてこずっていた相手だけど神化している俺たちなら勝てない相手じゃない。」
「じゃがあの数を相手にするのじゃぁ。わらわたちの力がつきてしますかもしれぬ。」
「大丈夫だ。おまえら施設で必死に稽古つけてたろ。それを思い出せ。今は目の前の敵をたおすことに集中するんだ。帝釈のいってたとおり勝てない相手じゃねぇ。」
帝釈たちは魔物の軍勢に立ち向かった。前衛で戦う帝釈・不動丸・阿修羅丸。そして後衛で支援するのは弥勒御前と天女であった。
帝釈たちは連携をとりつつ、魔物たちを倒していったのある。
「この勢いならいけるぜ!帝釈・不動丸!」
「ああいけるな。このまま押し切れる!」
魔物たちをなぎ払う勢いで前へと進む帝釈たちであったが、一筋の黒い闇の波動が帝釈たちをめがけて放たれたのである。それを即座に防いだのは天女であった。
「おみごとです。みなさん。私たちをここまで滅する力をつけていたとは、予想以上ですよ。」
「滅天童子!やっぱりお前が差し向けたのか!?」
「そのとおりです。冥魔導神様の命でやってきました。」
「冥魔導神?それがお前たちの親玉か?」
「そのとおりですよ。帝釈。あなたたちを葬ることを想定していましたが予想以上です。今回は様子見だけにしましょう。今の私たちでは勝ち目はなさそうですから。ではさらばです!」
滅天童子は魔物の軍勢を撤退させた。その様子をみて帝釈たちは一安心をしたのである。
「冥魔導神・・・・・どんな相手なんだろ。」
「ああ。おれでもきいたことのない名前だ。帝釈天様ならなにか知ってるかもしれないな。俺は一度天界に戻ってこのことを報告してくる。」
帝釈たちは一度都にもどり、神皇に冥魔導神というものが魔界の主であることを報告したのである。
「冥魔導神・・・・私もきいたことのない名ですね。阿修羅丸様のいわれたとおり一度天界に戻られて帝釈天様に報告したほうがよいかとおもわれます。
それに今回の戦いで私たち退魔師は無力に等しい力しかないということに気づかされました。あの法海でさえてこずった相手です。天界の神仏たちと連絡を取り
対策をこうじなければならないでしょう。」
都のことをあんじていた神皇であったが帝釈は声をかけた。
「雫。大丈夫だ。都には俺たちがいる。それに帝釈天様に報告して相談すれば天界も動いてくれるはずだ。」
「そうですね。都の長たるわたしがこのように落ち込んでいてどうします。ありがとうございます帝釈様。」
こうして、阿修羅丸は天界にこのことを報告しにいちじ天界へとかえっていったのである。




