第三節 苦行苦学の策略
今日も施設へいかれるのですか?勉強熱心なのはいいですが、コンはつめないでくださいね。体のこともきづかってください。」
「わかっています。法海さん。でも俺もっと勉強して強くなりたいんです。あの阿修羅丸っていう妖怪も今度あったときは俺を倒すっていってたから、以前より強くなって現れるはずです。それに他の死将軍の強さもわかりません。
もっと強くなってもいいはずです。」
「帝釈さん。たしかに強くなることは重要です。でも、強さを求めるあまりまわりがみえなくなることもあります。天女さん・弥勒様・阿修羅丸みんなあなたのように強さを求めていると思います。
帝釈さんにはみなさんを引っ張る力があると思います。心のうちはとてもあついこともわかります。ですが、心があつくなりすぎて帝釈さんの冷静に状況を判断できる長所をつぶしてしまいます。」
法海は帝釈の心配をしていた。妖怪との戦いは生死にかかわることであり、一時の判断ミスが許されないということを法海は自分自身の経験してきたことを帝釈に重ね合わせていたのである。
「そうですね。休息も必要でしょう。みなさんで神皇様のところへいくといいかもしれません。この前神皇様の前ではいいませんでしたが、神皇様はあなたたち話をしていてとても楽しそうでした。話相手になってあげてください。きっと
お喜びになると思います。このことは私から神皇様に伝えておきますのでおまかせください。」
「わかりました。すこし、あせってたと自分でも思います。俺も神皇様と天女や弥勒が話をしていて楽しそうに見えたのもわかります。」
帝釈は自分が冷静ではなかったことを法海にさとされ、落ち着きをとりもどそうとしていた。
法海は神皇あてに手紙を書いていた。丁度書き終わるころになると、神皇の使いのものが現れ手紙を受け取り、馬を走らせて神皇のもとへと向かったのである。
「ねぇ聞いたみろくちゃん?また神皇様に会えるんだって楽しみだね。」
「おぉ!前よばれたときは世間話もできなかったからの。今回はいろいろと話がしたいぞ。」
神皇にまた会えると聞いた天女と弥勒御前はうれしさを隠しきれないでいた。
「やっぱり、あの年のくらいの女の子っていうのは話すのが好きみたいだな。」
不動丸は、何気なく帝釈にいった。
法海が手紙を出してから数時間がたち、神皇から返事の手紙が届いた。その内容はとくに天女と弥勒御前に会いたいという気持ちが強く書かれていた。
それを読んでいた法海は帝釈たちを呼び、屋敷に入るための札を渡した。札を渡された帝釈たちは神皇のいる屋敷へと向かったのである。
「やっぱりいつ見てもでかい屋敷だよな~。」
「どうしたんだ不動丸さっきから元気なさそうだぞ?」
「いや~なんていうかさ。強くなるのってなにかな~って思ってよ。」
「おまえらしくないな。不動丸ならなにも考えないで暴走したように修行をしてそうに思えたけど。」
「なんだよ。やっぱり俺ってバカにみえるのか?」
「いや。不動丸おまえはいいやつだよ。それはほしょうするよ。」
屋敷内に入り、神皇のまつ部屋へと歩いている間帝釈は不動丸を元気づけるように話をしていた。
侍女の案内で四人は神皇のいる部屋へと向かった。しかし、前回厳重な警備のなかで案内されていたが今回は様子がちがった。
侍女のほかにも退魔師が二人いたが侍女のみで案内されたのである。
そして、帝釈たちは前回と同じように神皇の前に正座ですわり、頭をさげていた。
「ようこそ、皆様。そんなにかたくならずに頭をあげてください。今日は皆様とお話できることを楽しみにおまちしておりました。」
「神皇殿。わらわも今日はたくさん話がしたくてたのしみにしておったぞ!」
「私もみろくちゃんと同じです。神皇様。」
天女と弥勒御前は神皇を見る目は友達と親しく話すようなまなざしであった。
「天女殿・弥勒殿わたくしのことは神皇ではなく、名前で呼んでほしいのです。名前で呼んでいただいたほうが皆様は私の数少ない友人であると思えるのです。私の名は天乃雫と申します。
それと敬語は必要ございません。」
「天乃雫さん・・・・でもそれだと呼びにくいよね。それに敬語もいらないなら。じゃぁしずくちゃんってよんでいいかな?」
「わかった。わらわもおぬしのことは雫とよぼう!」
神皇・天女・弥勒御前の打ち解けた会話を聞いていた帝釈は笑顔でみていた。
「帝釈様と不動丸殿もわたくしのことは名前でよんでください。わたくしは皆様を友人として接したいのです。」
「わかった。じゃあ俺も弥勒と同じだけど、雫って呼ぶよ。」
「神皇様を名前で呼ぶのはちょっとおそれおおいいけど、まあ細かいことはいいや。わかった。俺も雫とよぶぜ。」
神皇は帝釈・不動丸にも天女と弥勒御前と同じように接してほしいとねがいでたのである。
四人は神皇がはじめて友達ができた女の子でてれくさそうにしている様子をみていたのである。
「ところでしずくちゃんって年は何歳なの?前は話す暇なかったけど」
「わたくしは今年でかずえて15となります。」
「わらわより、1つ年上じゃな。」
「天女・弥勒、わたくしの手をとってください。そうすれば話している内容がもっとよくわかります。」
神皇にはふれたものの心を読み取る力があった。その力をつかい天女と弥勒御前の記憶をたどり、自分がまるでそれを体験し、見たかのようにできるのである。
それから、天女・弥勒御前・神皇は年頃の女の子が話すように打ち解け話していた。話の内容は天女の時代にあるものやはやっている言葉など、弥勒御前の思い出など
いろいろと話をしていた。
「雫も話し相手ほしかったんだな。」
「そりゃあそうだろ。あのくらいの年の女の子は友達つくってわいわい仲良くしてるのが当たり前だからな。雫は立場上屋敷の外からめったにでられないからきゅうくつだったとおもうぜ?帝釈の時代の
女の子も同じだろ?」
「そうだな。同じだよ。今も昔もかわらないってことだな。」
帝釈は天女・弥勒御前・神皇たちの話をしている姿を見て思っていた。
(こうやって俺が来た時代みたいに女の子たちが笑って暮らせる世界にできたらいいな。)
そのときである。あわてた様子で退魔師が神皇に向かって報告をした。
「神皇様!たいへんでございます!数百もの妖怪たちがこの都を取り囲んでおります!!」
「数百!?急いで結界を守護している上級退魔師に結界の強化をするようにいいなさい!都にいるすべての退魔師をあつめ対処にあたりなさい!」
「かしこまりました!」
「都の外に出ている民も安全を確保しつつ、都へ撤退しなさい!」
神皇はいそいで都の民の安全を最優先にし、結界の強化をあげ、まもりのたいせいにはいったのである。
帝釈たちもいそいで現場にかけつけようとした。
「雫。俺たちも現場に向かうよ。」
「おきおつけください帝釈様。敵の数は数百と聞いております。並の妖怪どもなら都の退魔師たちだけで撃破できますが、死将軍もいる可能性もございます。
前回の戦闘で死将軍がでてきたので今回もいないという保障はございません。」
「わかってます。もしかしたら阿修羅丸がまた来たのかもしれません。俺もあいつに勝てるように修行しましたし、力を試すにはいい機会かもしれません。
それに都にいる人たちも守りたいですから。」
心配をする神皇に笑顔で答える帝釈であった。
都の門前まできた帝釈たちは大量の妖怪と都の退魔師たちがにらみ合いながら対峙しているのをみた。そのなかには法海もいた。
法海の近くへかけよった帝釈たちは戦況をきいていた。
「法海さん戦況はどうなっていますか?」
帝釈は法海に聞いた。
「ええすこしこちらの戦力が足りないくらいです。ですが結界のなかにいれば安全です。神皇様も結界の強度を最大限までひきあげていますから、まず妖怪たちがせめてくることはないでしょう。
でも、すこしみょうですね。都を襲うなら中級と上級の妖怪で襲ってきます。しかし、下級が多く中級と上級の妖怪が200匹ていどといったところでしょうか。都を襲う編成ではありません。」
法海が妖怪たちの部隊編成に疑問を抱いていた時のことである。大量の妖怪たちの中心から苦行苦学が現れた。
「法海よ。ひさしいですね。」
「苦行苦学!」
苦行苦学をみたあと、法海は帝釈たちに注意をうながした。
「きおつけてください。帝釈さんやつは死将軍なかでも頭がきれるやつです。なにをしかけてくるかわかりません。」
「はははは。法海よ。そのように私をみていてくれたとは光栄ですな。死将軍たちはみなあなたにてこずっていました。しかし、それも今日で終わりです。これを御覧なさい!!」
妖怪たちの後ろには逃げ遅れた都の民が数名おりの中に閉じ込められていた。
「苦行苦学!卑怯ですよ!」
「なんとでもいいなさい法海よ。あなたをはじめそこにいる小僧ども退魔師を滅ぼすことがわれらの目的です。目的のためなら手段を選びません。ようするに勝てばよいのですよ。」
その状況をみていた帝釈は笑っていた。
「苦行苦学とかいったな。法海さんはおまえのことを頭がまわる妖怪だっていってたけど、たいしたことないんだな。古典的すぎて逆に笑えるよ。阿修羅丸のほうがよっぽど潔くてかっこよかったぜ!」
「なんだと小僧!阿修羅丸様のことはよしとしましょうしかこの私を前にして私を愚弄するか!?」
帝釈の言葉に怒りをあらわしていた苦行苦学であった。しかし、しばらくすると苦行苦学は冷静さを取り戻し、帝釈たちにいった。
「いいでしょう。ではこういたしましょう。この大量の妖怪たちを倒して私の元まできなさい。そして私を倒して御覧なさい。そうすればこの人質は解放しましょう。」
そのように帝釈たちにいう苦行苦学であった。
「法海さん人質を救出しましょう。考えてる余裕はありません。」
「そうですね。考えてる時間は無いようです。急ぎましょう!しかし、もしものときを考えて私と帝釈さんたちだけで向かいます。今の帝釈さんたちなら突破できるはずです。」
「虎穴にいらずんば虎子をえずってやつか。やるしかないみたいだな。」
「不動丸よ。よくしっておるのぉ。おぬし、ちょっとは利口なのじゃな?」
「人を馬鹿みたいに言わないでください。弥勒様!」
「でも、本当に余裕はないみたいだよ。左右と後ろから来る妖怪たちの攻撃は私の退魔の羽衣でみんなをつつんで防ぐから、みんなは前だけをみて進んで。」
「遠くの敵はわらわの攻撃でまとめて排除する。帝釈たちはわらわによってくる前の妖怪たちだけど見て倒すがよい。」
帝釈たちは勢いよく、結界の外へと飛び出した。それと同時に妖怪たちはいっせいにおそいかかってきたのである。
帝釈たちは妖怪たちのおそいくる攻撃を避けながらすすんでいった。しかし、妖怪の数に圧倒され敵の勢いにのまれていた。
「ふ、防ぎきれない!かずがおおすぎ!」
「天女さん法力で退魔の羽衣の結界を強化できます!法力をかけてください!」
「わかりました!」
法海のアドバイスで守りの法力を退魔の羽衣にかけたのである。
「敵が多すぎて処理がおいつかねぇ!下級妖怪に中・上級の妖怪が混ざってるから混乱する!」
「不動丸あわてなくてもいい。上級の妖怪が混ざってるならおまえは全力で敵をきればいい。なにも考えるな。」
「おうよ!だったらぶったぎるだけだな!」
「帝釈・不動丸・法海!前にきおつけるのじゃ!法力で強化したらわらの矢でどでかいかざあなをあけるぞぁ!」
弥勒御前から放たれた矢は疾風をきるかの勢いで、大量の妖怪をなぎ倒した。
「おお!すっきりするじゃねえか!やりますね弥勒様!」
「どうじゃぁわらわも修行したからのぉ。これくらい当然じゃぁ!」
妖怪たちの攻撃にすこしずつ慣れていく帝釈たちであり、勢いをとりもどしつつあった。
「だったら俺もいけるかぁ!?はあああああああああ!!」
斬撃に法力を込めいっきに斬り放つ帝釈の攻撃も大量の妖怪たちを斬り伏せた。
「みえてきました!もう少しです!」
人質のおりの前にさしかかった瞬間であった。苦行苦学を目前に帝釈たちは異変にきづき立ち止まった。そこには不穏な空気が流れており、おびただしい妖気が充満していた。
「きづいたようですね。ですがもう遅いですよ。」
苦行苦学は自分の策にはまったと、帝釈たちをあざけわらうようにみていた。
「約束どおりおまえのところまできたぞ苦行苦学!」
息をきって帝釈たちは苦行苦学をみていた。
「ようこそ。我が対法力滅壊陣へ。」
「滅壊陣?なんだよそれ・・・・。」
息をきりながら帝釈はいった。
「まずいですね。本当の狙いはそれだったのですね?」
「法海和尚。あいつが言ってる意味がわからないんだけど、どういうことだ?」
「対法力滅壊陣。その名のとおりです。私たち退魔師の法力を封じるための結界です。帝釈さん・不動丸・弥勒様は法具を主体にして戦うから問題はありませんが、私や天女さんは法力を主体に戦いますから、
厄介です。苦行苦学が私たちのなかでも、一番私が厄介であるとふんでおとりをつかい結界内へ誘い込むのが目的だったのでしょう。」
法海はきづくのがおそかったという表情をうかべ帝釈たちをみていた。
「そのとおりです。よくできましたとほめてあげましょう法海。ですがもう遅い。きづくのが遅すぎましたね。まさかこうも簡単に誘いにのるとは、下級の妖怪を多く配置することで法海とそこの小僧たちをおびきよせ、
のちに中級・上級の妖怪をぶつけていき、行動範囲をせばめて、この結界へとさそいこむ。古典的な手でしたが感謝しますよ。法海。思い通りにみていて楽しませてもらいましたよ。そして、いまこそこの片目を奪った
恨みをはらさせてもらいましょう。」
苦行苦学の手にのってしまった法海はさせりを感じていた。そしてそのあせりを察したように帝釈たちを見てあざけり、わらい、そして優越感にひたっていたのである。
「なに御託ならべてんだ!ようするにおまえをたおせばいいんだろ?だったらこいつをくらいやがれ!こんしんの一撃だ!」
紅蓮の炎をおびた倶利迦羅を苦行苦学にむけておもいっきり振り下ろした不動丸。その炎はひばしらをあげて苦行苦学に命中した。
「おお!あたりおったぞ!やったのではないか?!」
たおしたかのように見えた弥勒御前であったが、そうではなかった。炎につつまれていた苦行苦学であったが笑っていた。
「幻影!?」
帝釈は苦行苦学が妖術で幻影を作り出したことにきづいた。そして幻影の苦行苦学が5・6人そのにはいた。
「なんと!?あやつ分身しおったぞぉ!どれが本物なのじゃぁ!?」
「どれが本物だよおい!」
弥勒御前は驚いていたが、不動丸はパニックをおこしてた。そんな二人とは対照的に帝釈は現状をだかいできる策を頭のなかで模索していた。
「法海さん。この妖怪の結界を破る方法はありませんか?」
「ありません。それにいったん妖怪の結界内にはいってしまうと、結界をはったものを倒さない限りでることもできません。非常にまずいことです。」
そのときあである。帝釈天から言われていたことを思い出す天女であった。
「たっちゃん・・・・。もしかしたら何とかなるかもしれない。」
「どういうことだ?おしえてくれ。」
「以前、この時代に来る前に蔵で帝釈天様がいってたよね。私の退魔の羽衣について。」
退魔の羽衣の法具としての機能を思い出す帝釈であった。そして、帝釈はきづいたのである。
「たしか、魔の力を払う力があるっていってたな。法海さん法力で結界を解除できなくても、法具で解除するってことならできる?」
「まあたしかに、法具にそのような力があれば可能ですが、私がしるところでは・・・・いえ!あります。たしかにありますよ。なるほど、帝釈さん・天女さんいい考えです。ためしてみる価値はあります。」
以前、法海は天女のもつ退魔の羽衣にもついて調べていた。それを思い出し、帝釈と天女の言おうとしていたことを理解したのである。
「なにをこそこそはなししているのですか?どんな策をねっても状況はかわりませんよ?」
帝釈は苦学苦行の言葉を聞いていたが、笑うように苦行苦学をみていた。
「苦行苦学!よく聞けよ?いまから面白いものをみせてやるよ。おまえが驚くくらいのな?」
「なにをいいますか。こけおどしです。この状況をくつがえ・・・・・・・。」
苦行苦学はおどろいていた。自分のはった結界がきえさる様子をみながら驚愕していた。妖怪の結界が消滅していくと同時に天女のまとっていた退魔の羽衣が光を放ち周囲に満ちていた妖気を浄化していたのだ。
「ばっばかな!法力でしか解除できないわれら妖怪の結界を解除するなどありえません!なにをしたのですか!?」
「苦行苦学。おまえ今言ったな。『法力でしか解除できない』って、あるんだよこっちには『法力』じゃなくって『法具』で解除できるものをもってるんだよ。」
退魔の羽衣による効果は妖怪の結界だけでなく妖術も解除していたのである。
「法具による結界の解除ですと・・・?私の退魔師への経験と知識ではありえないはず、まさかそのような法具が存在していたとは。」
「苦行苦学!お前の親玉や滅天童子は昔天界に住んでいたのにおしえてもらえなかったのか?おしえてもらえなかったんならお前の知識不足ってやつだ。」
帝釈は苦行苦学に対して知識不足であると指摘した。
「苦行苦学これで終わりだ!安心して神仏の元へと旅立て!」
帝釈は身体強化と風の属性を付与する法力で、疾風のごとく苦行苦学の目の前にあらわれ一瞬で真っ二つにしたのである。
「ばっばかな!私の作戦は完璧だったはず!ありえない!なっとくがいかない!!」
苦行苦学は帝釈たちに無念の思いを叫んでいた。そして肉体は光へと変わり天へと上っていったのである。
「終わりましたね。ご苦労さまでした。」
「いや~一時はどうなるかとおもったぞぉ。」
弥勒御前は力が抜けたかのようにそのばにへたりこんでしまった。
「天女のひらめきがなかったら俺たちいまごろやられてたかもな。」
「本当だぜ。厄介な相手だったな。」
「まあみなさん。『終わりよければすべてよし。』ですよ。今は勝利したことに喜びを感じましょう。それに苦行苦学も神仏の元へといき、救われたでしょう。」
「救われるとはどういうことじゃぁ?」
「あれ?ご存知なかったですか?施設で修行していたから知っていたと思ったのですが、退魔師の役目というのはいろいろありまして、悪い妖怪を滅するほかにも、救いとるという役目もあるのですよ。」
こうして苦行苦学を倒した帝釈たちは都へと帰り、妖怪を退治したことを神皇に報告したのである。
「みなさま。本当にありがとうございました。特に天女さん報告を聞く限りでは、天女さんがいなければ、みなやられていたでしょう。」
「そんなことないよしずくちゃん!たまたまだよ。本当にたまたま!」
「けんそんすることはありません。そうだ。お二人は一時もとの時代へお帰りになってはいかがですか?」
「俺たちの時代へ?」
「そうだね。私も着替えとか。身の回りのものをそろえてきたいから賛成だよ。」
「ならわらわもついていくぞ。おぬしたちの時代には興味があるものでいっぱいじゃ!不動丸はどうする。一緒にくるか?」
「そうだな。俺も言ってみるか。めずらしいものいっぱいあるんだろ。弥勒様と同じように興味があるぜ。」
こうして帝釈たちは一時帝釈のいた時代へと戻ったのである。




