第一章 時代を超えた運命の出会い 第一節 とある一国の滅亡
第一章 時代を超えた運命の出会い
第一節 とある一国の滅亡
この物語は昔の日本の一国の姫君から始まった物語である。
姫君の名前は弥勒乃姫君と呼ばれており、その姫は武芸・武術に長けており、勇ましく、そして
だれからも慕われる美しき姫であり、弥勒御前とも呼ばれていた。
この国の民は仏に信仰があつく、仏や天界の神々の功徳や恩恵を受け、幸福につつまれた国であった。
そして、その国の君主もまた民と同じように仏を尊び、敬う、信仰深き心を持った人物でもあった。
しかし、そんな幸福に包まれた国をにくみ、ねたみ、うらやむ者がいた。
その名は悪の妖怪の総大将とも呼ばれる常闇の主であった。
「ねたましい、にくい、うらやましい・・・・。」
常闇の主は、はるか昔、天に住んでおり、仏の功徳を信じて、仏を尊び、敬っていた。
しかし、いくら仏を尊び、敬っても功徳を得ることができないと悟った常闇の主は、いつの間にか
仏や天の神々に対して怒りと憎しみを抱くようになり、天にすむことをやめ、人間の住む世界へと堕ちた
のであった。そこで常闇の主は天を滅ぼすほどの力を秘めた大妖怪へと姿を変貌させたのである。
そのせいで仏や天界の神々の功徳と恩恵を受けていた国をうらやみ、滅ぼすことに決めたのである。
そこには大量の妖怪の軍勢がその国に迫っていたのである。
その妖怪の軍勢を討伐するためにその国の民たちは必死になって戦いを挑みはばんでいたのである。
しかし、妖怪の軍勢は強く、弱き人間に太刀打ちできるものではなかった。
そして、国をおわれた弥勒御前は妖怪の軍勢から逃げるようにして隣の国へと落ち延びたのであった。
それから、数年の歳月がたった。弥勒御前14歳のときである。
弥勒御前は国を妖怪たちから国を取り返すために必死になって、武術や武芸にいっそうの努力をかけて
いたのである。
そんなある日、弥勒御前が武術の修行のために山へいく道中にあったほこらをみつけたのである。
そのほこらには帝釈天が祭られていた。
弥勒御前はそのほこらに祭られている帝釈天に向かって、念じた。
「どうか。わらわに妖怪たちに立ち向かえるだけの力を与えてくだされ。」
そのように願った。
すると、帝釈天の像から光が放たれて、弥勒御前は光に吸い込まれるようにほこらから姿を消したのである。