イベント告知! 〜美少女AIユメちゃんのヒミツ!〜
(前回までのあらすじ)
心凪の親友、希歩はふと、自分がゲーム内で見てはいけないものを見てしまったと漏らす。
◇ ◆ ◇
――その夜。時刻は9時過ぎ。
――『トロイメア・オンライン』
「これって絶対見なきゃいけないの?」
私が手を振ってタイトルロゴを追い払うと――
――パンパカパーン!!
「なになに!? なんの騒ぎ!?」
完全にレーヴくんを愛でるテンションになっていた私だけど、突然、盛大なファンファーレと共に、目の前にドンッ! と大きな白い文字が出現する。
――『イベント告知』
「イベントぉぉぉ?」
そんなのどうでもいいからレーヴくんに会わせてよ。
すると、私の願いが通じたのか、真っ暗になった空間に二人の少年少女が現れた。一人はレーヴくんだけど、もう一人の女の子は見覚えがない。ピンクの長い髪に緑色の綺麗な瞳をした魔法少女のような格好をした同い年くらいの美少女だった。額には一本の小さなツノが生えている。鬼っ子かな?
その美少女が、私に向かって微笑みかけると、口を開く。
「いつも『トロイメア・オンライン』をプレイしていただきありがとうございます♪」
「あ、どうも」
「私は、サポートNPCのユメと申します」
「ユメちゃん!?」
この美少女がレーヴくんが言っていた相方のユメちゃんなのだろう。へーぇ、めちゃくちゃ可愛い。さすがレーヴくんの相方だね。
「はい! ユメです♪」
「ユメちゃん!」
「ユメです♪」
「ユーメーちゃん♪」
「ユーメーです♪」
「ねぇ、なにやってんのド変態お姉ちゃん?」
私のよく分からないノリに付き合ってくれていた心優しいユメちゃん。ユメちゃんと遊んでいると、レーヴくんが冷静にツッコんだ。
「ユメもさぁ。遊んでないでイベントの告知やりなよ」
「はーい♪ じゃあココアさん。まずはこちらをご覧ください♪」
そう言いながらユメちゃんが示した先に、大きなスクリーンのようなものが展開される。そこには『第1回イベント トロイメ杯』という文字が白く浮き上がっている。
「トロイメ杯……?」
「まあ端的に申し上げると、1体1のPvPイベントですね♪」
「PvPって何?」
「プレイヤー対プレイヤー。『決闘』みたいなものだよ」
首を傾げる私に、レーヴくんが補足する。なるほど、私が初日にたろうまるとやったようなやつのことかぁ……。
「イベントの期間は明後日の深夜0時から3時まで。約3日かけて行われます。試合は、ベータテスターとそれ以外の方の2ブロックに分かれてトーナメント形式で行われます。上位入賞者と、アンケートで決められる最も熱い試合『ベストマッチ』をした両者、これらの方にはそれぞれ豪華な景品が用意されています♪」
ユメちゃんが説明を開始すると、目の前のスクリーンに彼女が話してくれた詳細情報が表のようなものにまとめられて映った。なんというか、親切だね。
「試合時間になると、両者は自動的にバトルフィールドに転送され、そこで1体1、一本先取のデスマッチを行っていただきます。制限時間はありません。試合開始時間にログインしていなかったり、途中で何らかの原因でログアウトしてしまうと、棄権扱いになりますのでご注意くださいね♪」
「0時周辺ならいつもログインしてるから大丈夫だよ」
「で、このイベントの一番の特徴は……必ずしもエントリーする必要はないということです♪」
「エントリーしなくてもいいの?」
「はい、【初心者の証】の適用期間内でもありますから、イベントに参加している時間をレベル上げに使いたいという方もいらっしゃるでしょうし。もちろん、腕試しも兼ねて参加されるのもいいと思います♪」
確かに、私はまだレベル7までしか上がってないから、いい加減レベル上げにダンジョンに潜ったりしたいところだ。でも、一人でダンジョンに潜ろうとするとまた初心者狩りに襲われかねないし、付き合ってくれそうなクラウスさんやホムラちゃんはイベントに参加するだろうしなぁ……。
「どうします? ココアさん。参加されますか?」
「うん、参加するよ。どうせ一人でいてもレベル上げできないし。私の自爆がどれだけ通用するとか試してみる!」
「それでこそお姉ちゃん!」
私の返答に、レーヴくんが満足気に頷いた。ユメちゃんもにっこり笑い、こう続ける。
「かしこまりました。イベントのご案内は以上になります♪ 今日はこのまま『グラツヘイム』へ転送いたしますね?」
「へ? なに? ぐらつ?」
新しい単語に私が戸惑っていると、ユメちゃんも同じように「えっ?」というような表情を浮かべてしまった。ユメちゃんの隣のレーヴくんは、「はぁぁぁっ」と大袈裟にため息をついて、ユメちゃんの説明を引き継ぐ。
「『グラツヘイム』はボクがいつもお姉ちゃんを転送してる街の名前だよ! それくらい知っててよ! もしかして説明書読まない派?」
「――はい、ごめんなさい」
「はぁぁぁぁ……」
「そ、そんなに大袈裟にため息をつく必要ないじゃん! いじわるぅ!」
「いや、ここまでお姉ちゃんがアホだとは思ってなくて……」
「なにそれ! 酷くない! おこだよ!」
今にも取っ組み合いを始めそうな私とレーヴくんを、ユメちゃんが「まぁまぁ」と引き離す。
「とりあえずいつもの街に転送しますから……ね?」
「――はい、お願いします」
「やーい、お姉ちゃんのアホ! バカ! ドスケベ!」
「うるさぁぁぁぁぁぁぁぁいっっっ!!!!」
「もうっ! 喧嘩はやめなさいっ!」
ついにユメちゃんが怒ってしまった。腰に手を当てて頬を膨らませているその姿は、怖いというよりも可愛らしい。その様子は、レーヴくんから見てもレアだったのかもしれない。とにかく、そんなユメちゃんを見て、私とレーヴくんは言い争いをやめてお互い顔を見合せた。
「――転送しますよ! それでは――いい夢を♪」
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