ひたすらに独白します
息抜きに練習として書いてみたものをなんとなく上げました。
期待はあまりせずごゆるりとご覧ください。
それでも気に入っていただければ幸いです。
霜が降りた窓に映る一面の星空。
いつもより鮮明に輝く冬の星々がその姿を徐々に希薄にして行くと、やがて夜空は名残惜しそうに白み始める。それから陽が昇ってしまったなら、他のどの季節よりも時間にルーズな朝の到来だ。
さて、冬の朝といえば中々布団から出られないという認識をきっと誰もが抱いている事だろう。
かくいう俺、須澄 雨包も冬の早起きは苦手な質だ。けれどこの日ばっかりは起きられない事に少々違う事情がある。例え今日が春だとして外がいくら暖かろうと、例えカフェインを摂取して目がどれだけ冴えていようと、布団から出る気になんてとてもとてもならない。
何故なら俺は昨日、三年も付き合っていた彼女にフラたのだから。
◇
付き合い出したきっかけはそう特別なものでは無かった。
中学の頃、簡単な学校の連絡事項で話しかけた事からお互い交流するようになった。
そうする内に次第に仲良くなって行き、なんとなく異性として意識するようになっていたら、ある日あちらから告白された。
相手はクラスの中でもかなり可愛い方の子だったから最初は戸惑ったけど、結局俺は少し悩んだ末に断る理由がないと受け入れて付き合い始め、高校生になってからも偶々同じ学校に受かったから交際を続けた。交際中は恋人らしく、普通にデートもしたし、一線こそ超えなかったもののキスやハグといったスキンシップもした。
幸せだった。
別段、二人を引き裂くような事件とか、例えば家の事情で婚約者が居るなんて事は無かったし、決して劇的とは言えない付き合いだったけれど、俺は彼女が大好きだったし、伴侶として人生を捧げる覚悟まで冗談でもなんでもなく決めていた。
けれど昨日、彼女が別れ話を切り出した事によって、そんな関係はあっさりと、本当に呆気なく幕を閉じた。
少し前から彼女が冷たいという心当たりはあった。
デートの誘いも理由をつけては断られるように、学校では避けられるようになった。
実はその理由にも、なんとなく見当がついていた。
けれどそれを思い出そうとするとまた胃の中の物がトイレにぶちまけられる事になるので毎回ここまで思い出しては思考を打ち切る。
そしてまた後悔がぶり返しては思考が堂々巡り。
昨日の夜帰ってから、正確な時間は覚えていないが夕飯を食べた記憶が無いのできっと二十一時頃からずっとこの調子だ。
忘れるまでは行かなくとも気が紛れるくらいにはなるだろうと本を手に取ってみたが、結局内容が入って来なくて自然とすぐに閉じてしまい、スマホでネットサーフィンに勤しもうとしてもSNSの通知が来ては彼女からではないか、なんて勘違いしてしまい、結局フラれたあの瞬間を思い出してしまう。
自分の女々しさにきっとこの夜だけで三十回は笑った事だろう。
ただ、これだけショックを受けているというのに、何故か涙だけは出ないのだ。
悲しくないなんて訳は無い。むしろそれならどれだけ良かったか。
胸はこんなに痛くて、苦しくて、空っぽで。まるで戦車の150mm砲でも撃ち込まれてしまったみたいなのだ。これで、涙が出ないというだけで薄情だなどと罵られては堪らない。不公平だ。
けれど、彼女はもう自分の事など忘れてしまっているんだろうなと思うと、涙は出ずともみっともない嗚咽だけは漏れ出た。
ああ、彼女にとって俺はなんだったんだろうか。
一通り嗚咽を吐き出してしまうと、また性懲りも無く思考が走り始める。
考えたところで仕方がない。そう分かっていても、フラれた今行き先を失った彼女への取り残された想いと、無性に燻るこの如何ともしがたい遣る瀬無さが思考を回し続けるのだ。
そしてまた思考を走らせては打ち切って。繰り返す内に、やがてそれさえ現実から眼を逸らす逃げ道となっていた事に気がついた。
なるほど心の防衛本能とはよくできている。
分かりやすく後悔してないと、言い訳を並べていないと、不毛に考えていないと、取り返しのつかない何かが決壊してしまいそうだったのだ。
けど、そう思い至る事さえ、この悲しみともつかない痛苦の前ではやっぱりどうでも良い事だった。
ふと窓を見ると、星粒が白み始めた空へと飲みこまれて行く所だった。
早く本命のファンタジー書けやって思ってる方本当にすみません。
全て私の文章能力不足です。
ああ、息抜きが止まらない今日この頃。
そんなだから英語で赤点を取るんだ。